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雑誌『正論』掲載の「安藤論文」に反論

文科省に都合のいい「印象操作」の論調に断固抗議

『正論』編集部、当方の反論掲載を理由なく拒否

 新しい歴史教科書をつくる会は、雑誌『正論』9月号(7月下旬発売)で、編集部・安藤慶太氏執筆の不正検定問題に関する論文(以下「安藤論文」)が掲載されたことに対し、9月10日にそれについて全面反論し、抗議の意を示す声明を発表しました。
 「安藤論文」は、当会の訴える「不正検定」に疑義を示し、つくる会側は挙証責任を果たしていない、と断じています。また31件の「ダブルスタンダード事例」についても都合の良い7件のみを取り上げ、それをもって文科省の検定に不当性はないと結論づけています。
このように「安藤論文」は文科省側に都合のいいように「印象操作」していると言わざるを得ず、これを看過すれば当会や自由社の名誉、信用を不当に失墜させることになります。そのため、8月初旬に『正論』編集部に対し10月号で当会の反論を掲載するよう申し入れしましたが、何の理由も示さないまま掲載を拒否されました。以上の経緯から、この度の反論声明となった次第です。
会員、支援者の皆様におかれましては、今回の反論声明の趣旨について何卒ご理解いただき、引きつづき当会の取り組みにお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
なお、自由社にて検討されてきた国家賠償請求訴訟ですが、9月下旬の提訴で決定しましたことを併せて報告いたします。

雑誌『正論』9月号の安藤論文に反論する

-「言論の自由」と雑誌『正論』編集部の誤り-

令和3(2021)年9月10日
新しい歴史教科書をつくる会



●「正論」路線に反する論文

 保守系オピニオン雑誌として知られる雑誌『正論』(産経新聞社発行)の9月号(7月末発売)に、産経新聞記者で同誌編集委員の安藤慶太氏による「『つくる会』の迷走を憂う」という論文が掲載された。これは、産経新聞社の「自由と民主主義」を守る「正論」路線に沿って創刊されたオピニオン誌『正論』の伝統と名声を汚す論文である。名指しで批判された「新しい歴史教科書をつくる会」はこれに反論し、安藤論文の誤謬を正すとともに、『正論』編集部の教科書運動への裏切りの経過を明らかにする。

つくる会が推進する『新しい歴史教科書』(自由社)が、文科省による教科書検定で「一発不合格」処分を受けたのは、令和元年12月25日のことであった。つくる会では内部討論を経て、令和2(2020)年2月21日に記者会見を行い、この事実を公表した。この方針に基づき、各方面の言論・報道機関に役員が手分けして働きかけることとし、保守系言論誌3誌は、2月末発売の4月号で一斉に自由社の検定不合格問題を取り上げる結果となった。

まず、『正論』には、つくる会から副会長の藤岡信勝、理事の高森明勅が寄稿し、産経新聞客員論説委員の石川水穂氏、前愛媛県知事で元文部省大臣官房長の故・加戸守行氏の論文が掲載された。雑誌『月刊Hanada』には、藤岡信勝の論文が掲載され、雑誌『WiLL』には、皿木喜久、藤岡信勝の両副会長が寄稿した。

●「文科省擁護=つくる会批判」に転向

その後、『月刊Hanada』と『WiLL』は文科省批判の論調を貫いてきたが、独り『正論』だけはそのスタンスを百八十度転換し、4月末発売の同誌6月号で、何と「本誌編集部」の署名入りで、「『つくる会』教科書不合格/文科省批判と再検定要求の前に」と題する論文を掲載したのである。その内容は明らかに文科官僚の言い分を聞き取って書いたもので、つくる会側への問い合わせや取材は一切なかった。4月号と6月号の間に何があったのか。

この時点で、『正論』編集部は、文科省擁護=つくる会批判の路線に転換したのである。これは『正論』もその一翼を担ってきた「自虐史観」などの歪みを克服しようとする教科書改善運動への裏切りであり、歴史問題・教科書問題での左翼勢力への屈服である。ただし、これを産経新聞社全体の立場と混同してはならない。

「本誌編集部」論文が出てすぐに、つくる会側は抗議声明を発するとともに、翌月号でつくる会側からの同一枚数の反論文を掲載することを求めた。この時は、田北真樹子編集長はつくる会側の反論文の掲載を認めた。同誌7月号(5月末発売)には、藤岡信勝副会長が執筆した「正論編集部の『つくる会』批判に反論する」が掲載された。この論文は、編集部論文が教科書検定制度を全く理解していないこと、その上に立って的外れな議論を展開していることを論証したものである。

ところが、この同じ号の『正論』で、藤岡副会長の論文のあとに、田北編集長の署名入りで、「自由社歴史教科書に関する正論編集部の考え」と題する一文が掲載されたのである。これは全くのルール違反である。まず、『正論』読者の側から考えてみよう。前号の『正論』を読んだ読者は、次の号に反論が出るまで1か月の間、反論に接することが出来ない。だから、田北氏が藤岡論文にさらに反論があるなら、次の号に書くのが筋なのである。ところが、田北編集長は、みずから同誌の編集長であるという立場を特権的に利用し、ひと月待ちきれずに、編集部の言い訳を書いてしまったのである。

●つくる会批判の勝岡論文を特別扱い

さらに『正論』誌には、10月末に発売された12月号に、勝岡寬次氏の「文科省は『不正検定』に手を染めたのか」が掲載された。勝岡論文は、つくる会による「不正検定」の主張を真っ向から否定した。しかも、その論文は目次では論争的な性格の他の論考と同じグループとして扱われていたが、他の論文のちょうど倍に当たる16ページを特別に与えられていた。(なお、勝岡論文をめぐるいきさつについて、詳細は新しい歴史教科書をつくる会のホームページを参照していただきたい。)

 藤岡副会長と杉原誠四郎顧問(元つくる会会長)は連名で、『正論』に勝岡論文と同じ紙幅の反論文の掲載を田北真樹子編集長に求めるメールを送った。田北氏は1週間もの間回答を遷延したあげく、掲載を拒否する旨の回答をメールで送ってきた。他者を批判する論文を掲載しておきながら、批判された側の反論権を否定するとはオピニオン誌の自殺行為である。

そこで、本来『正論』の2021年1月号に掲載されるべく執筆された文章は、都合上藤岡副会長単独の名前で、『月刊Hanada』編集部のご好意により、同誌2021年1月号に掲載された。しかし、これによって、問題は本質的には少しも解決していない。なぜなら、『正論』の購読者には、批判されたつくる会が勝岡氏の批判を受け入れたのか、それとも拒否したのかは全く分からないからである。これは『正論』の読者に対しても、さらには批判者の勝岡氏に対しても失礼なことである。

●田北編集長がつくる会の「反論権」を否定

その後、この関係の記事は『正論』からは途絶えていたが、このほど、再度、編集委員でもある安藤慶太氏の署名入りでつくる会批判が再開されたことになる。これについて、つくる会側は反論の掲載を要求したが、田北編集長は再度これを拒否した。つくる会事務局とのやり取りのメールのポイントのみ引用すれば、以下の通りである。

○つくる会事務局長越後俊太郎より田北編集長あて<8月4日17時>
この内容は、一部の事例のみを挙げて反証することで「つくる会」の主張を全否定する構成となっており、文科省に有利に「印象操作」することを意図したものと言わざるを得ません。これを放置すれば、当会および自由社の信用・名誉棄損にもつながり、日本の教科書改善運動に重大な影響を及ぼしかねません。
つきましては、貴誌10月号において安藤論文への反論を当会として同ページ数(10ページ)で書かせていただきたく申し入れます。
自由社会において反論権の保障は必須の条件であり、当然ながら、当会の反論をお認めいただけるものと信じております。また、万が一反論記事掲載を拒否するということなら、公然と「言論封殺」を行ったことになりますので、この経過を、本メールを含めて公開します。

○田北編集長より越後事務局長あて<8月6日11時>
8月4日に越後様から、月刊正論9月号に掲載した正論編集部、安藤慶太編集委員の論考が「新しい歴史教科書をつくる会」及び自由社の名誉・信用を傷つけるものであり、弊誌10月号に反論文を掲載させよとのお申し出を頂戴いたしましたが、これには応じかねますので、ご理解くださいますようお願いいたします。
このように、田北編集長はつくる会側の反論を何の理由も述べる事なく拒否した。しかも、注目すべきことは、当方が安藤論文は「『新しい歴史教科書をつくる会』及び自由社の名誉・信用を傷つけるもの」であると指摘したのに対し、本来「それには当たりません」などと言うべき立場にあるはずなのに、一言も否定する言葉を述べていないということである。これは重要なポイントである。このように何の理由も反論もせずに、「ご理解いただきたい」と言われても理解のしようがない。
編集長が反論を拒否したということは、その時点で、掲載した論文に自信がないこと、論争すれば勝ち目はないことを認めたのと同じことである。『正論』読者は、一方的な論説をあてがわれてプロパガンダの対象とされたのであり、愚弄されたのである。『正論』編集部は、おそらく「編集権」をタテに主張してくるのだろうが、編集権は「言論の自由」のルールを破ることを正当化するものではない。
一般論として言えば、どんな団体でも個人でも、言論によって他者を批判する自由はある。ただ、自由な言論を基盤とする社会では、必ず守らなければならないルールがある。それは批判された側の「反論権」を保障することである。他者を批判してもよいが、批判された他者に反論することを保障し、決して口を封じるなどのことをしてはならない。むしろ、相手の反論を積極的に慫慂するというのが言論人のあるべき作法である。このことを、18世紀フランスの哲学者ヴォルテールは、「私はあなたの意見には反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」と表現した。これは批判する側が守るべきルール、マナー、心構えを述べたものだが、これを批判された側から見れば、「反論権」の主張になるのである。「反論権」を公然と否定する者は、そもそも言論人としての資格要件を欠いているのではないか。

●批判に頬被りし「つくる会」を中傷

さて、以下は安藤論文の中身の検討に入るのだが、その前に言っておかなければならないことがある。すでに述べたとおり、つくる会側は、昨年6月の「本誌編集部」論文が「一発不合格」制度がどういうものか、何一つわからないままに文科省の官僚の言い分を述べたもので、次の号ではつくる会側から完膚なきまでに論駁されてしまったのである。だから、その編集部の一員たる安藤氏は、教科書検定について何か書くのであれば、必ずそのことに触れなければならない、論理的・道義的責任を負っていた筈である。

ところが、安藤論文には、そういう意識のひとかけらもない。安藤氏=編集部は、『正論』を、真理や議論の妥当性を探究する言論誌ではなく、誰かの利益を代弁するプロパガンダ機関に変質させたのである。これを、『正論』を育ててきた多くの産経人、同誌に寄稿して来た多数の言論人はどう考えているのだろうか。

安藤論文は冒頭で、つくる会が推進する『新しい歴史教科書』が令和元年度の再申請検定に合格したことについて、次のように書く。(以下、安藤論文からの引用は【 】で括る)【つくる会が教科書づくりを通じて歴史認識や偏向教育、果ては日本の外交や国の在り方をめぐる戦後レジームが抱える矛盾を次々とあぶり出してきた実績を考えると、活動の根幹となる教科書づくりの灯が消えずに済んだことは良かったと思っている】

ところが、その直後に、安藤氏は次のように続ける。
【ただ、私の気持ちはどうにも晴れない。それは彼らが依然として自由社版教科書を不合格にした前年度(令和元年度)の教科書検定を「不正」と断じ続けているからである】【つくる会の実績を認め、これまで取材を続けてきた私はこの一年の活動の低迷を憂慮している。不合格処分を文科省の悪意による画策劇によるものだと決めつけたことによるもので、本来の会の姿からは懸け離れてしまってそれを解せない思いで眺めている】

「この一年の活動の低迷」とは具体的には何を指すのか不明である。これはつくる会への中傷である。「本来の会の姿」とは、どういうことかも分からない。もちろん、「一発不合格」がなければ、もっと別の形の活動ができたかも知れないということは言えるだろうが、そういう状態をつくり出したのは他ならぬ文科省であってつくる会ではない。安藤氏は結論を先取りして、つくる会の「迷走」(論文タイトル)なるものをデッチ上げる本末転倒を行っているのである。だから、つくる会の活動実績を評価しているかのように述べた冒頭の一文は、単なるカモフラージュに過ぎないことがわかる。

●こじつけ検定を「見解の相違」で擁護

では、令和元年度検定で自由社に対する「不正検定」があったのかなかったかという本題に入ることにしよう。安藤氏は「不正検定」を証明する責任(挙証責任)はつくる会側にある、と述べている。当然である。つくる会側はその挙証責任を果たしている。昨年4月には、100件に絞って問題点を指摘した『教科書抹殺』(飛鳥新社)を刊行し、今年5月には、『教科書検定崩壊!』(飛鳥新社)を上梓して31件の「ダブルススタンダード事例」を提出した。これらには一部重複があるから、単純な足し算はできないが、少なくとも100件を超える事例について、それが「不正検定」であることを論証しているのである。このように当方はすでに立証したのだから、それに納得できなければ、安藤氏はそれを反駁して不正ではないことを論じればいいだけの話である。

安藤氏は、このうち、『教科書抹殺』について、【「不正検定」であるとつくる会が主張する百件の事例を列挙した『教科書抹殺』は一読したが、これは不正というよりも、調査官の歴史認識との単なる「見解の相違」ではないか、と思われる個所ばかりだった】と言う。恐るべき発言である。

いくつかの事例をあげよう。令和元年度教科書検定で文科省は、自由社の教科書が、1949年の出来事として「中華人民共和国(共産党政権)成立」と書いたのを、「生徒が誤解するおそれのある表現」だとして検定意見をつけ、「欠陥箇所」に仕立て上げた。坂本龍馬が土佐藩を通じて徳川慶喜に大政奉還を働きかけたことも、「誤解するおそれ」があるとして欠陥箇所とされた。『魏志倭人伝』の記述を引用して、「盗みをしない」「争いの少ない社会」と書いたのに対し、「生徒が理解し難い表現」であるとして欠陥箇所とされた。「仁徳天皇 世界一の古墳に祀られている」も「誤解するおそれ」があるとされた。

これらはすべて、自由社を落とすための言いがかりであり、どれも「見解の相違」ですまされるような問題ではない。こうした数々の事例に接しても、安藤氏は何の憤りも覚えないらしい。こんな恣意的なダメ判定は公正中立であるべき文科省という行政がやってはならない不正行為である。

●1件でもあれば自由社への検定は「不正検定」となる

次に、『教科書検定崩壊!』に掲載された31件の「ダブルスタンダード事例」の問題に移る。令和元年度の検定終了後、令和2年の6月に教科書採択が始まり、各地で検定済み教科書が一般向けに展示されるようになったので初めて調査が可能になったのが、「ダブルスタンダード事例」(以下、「ダブスタ事例」と呼ぶ)なのである。31件は、令和3年3月末日までに判明した件数であり、今後も精査を続けていけば新たに発見される可能性がある。

この「ダブスタ事例」について安藤氏は反論したが、反論件数は全31件のうちわずか7件にすぎない。しかも後述するように、その7件の反論すら、ほとんどが的外れのものである。安藤氏は、【「ダブスタ事案」は31件に及ぶ。すべてをここで紹介はしないが、こんな具合だ】と言う。これはごまかしである。「こんな具合だ」でお茶を濁すことは許されない。31件のすべてについて不正検定ではないと論証する義務が安藤氏にはあるからだ。

もう一度言う。安藤氏が文科省による「不正検定」を否定する立場に立つのであれば、そのすべての事例について論理的・実証的に否定し尽くす義務がある。文科省の立場は、官僚の「無謬性神話」に基づき、ただの1件も不正はなかったと主張しているのだから、1件でも反論に失敗したら、直ちにその主張は崩壊することになるのである。だからこそ、その重圧にたえきれずに、「教科書調査官は泣いた」(『月刊Hanada』7月号参照)のである。

つくる会側は『正論』で「不正検定」はなかったと主張した勝岡氏にも、すべての事例について反論するように求めたが、勝岡氏はその義務を未だに果たしていない。安藤氏も同様にその義務を果たしていない点で勝岡氏と同じ穴の狢である。

安藤氏は用心深く、【つくる会側の個々の主張に多少、説得力を感じる点はあっても、・・・】と書いているが、ではそれはどこなのか明示しない。安藤氏は、【それをもって「不正検定」の証拠と断じることは困難と言わざるを得ない】などと締めくくっているが、根拠のない断定であり、論理的に無意味な言辞である。要するに、自分に都合のいい一部の事例に反論したからといって、「こんな具合だ」といって全体に反論したかのように誤魔化すことは許されないのだ。

以上の事態を理解する助けとして、安藤氏が反論していない事例を一つだけあげてみよう。ロンドン海軍軍縮条約で決まった、米英日の補助艦比率を10:10:7と書いたところ、日本の比率は7ではなく、6.975であるという理由で検定意見をつけられ、欠陥箇所の烙印をおされた。しかし、そもそも、中学校の教科書でコンマ以下3桁まで書かせる意味は皆無である。ここからして文科省はどうしようもない愚かで不当な行為をしているのであるが、これは自由社を落とすための明白な「ダブスタ事例」でもある。なぜなら、日本文教出版、帝国書院の教科書にも自由社と同様に10:10:7と書かれているのだが、両社には何の意見もつけていないからだ。こんな不正行為を見れば、並みの正義感や良心を持っている普通の日本人なら、「文科省は何をやっているのだ」と怒りを覚えるのではないか。安藤氏は人並みの正義感や良心すら持ち合わせていないのだろうか。

●「世界遺産」マークと「復元」表記の要求をめぐって

 では、安藤氏が自分の都合にあわせて取り上げた7件の「ダブルスタンダード」事例について、それが反論として成立するかどうかを検討してみよう。以下、安藤氏が言及している順序に従って事例の通し番号をつける。なお、事例に与えたタイトルは安藤氏とつくる会でズレがあるが、安藤論文への反論なので、今回は安藤氏のネーミングに従う。

【事例1 エルサレム】
自由社の教科書の「エルサレム」というタイトルの写真(p102)に世界遺産マークがついていないとして、欠陥箇所とされたケースである。これは単純なことで、文科省側の全く議論の余地のない誤りに過ぎない。そもそも、エルサレムは都市名であって、「エルサレム」は世界遺産に登録されていない。エルサレムの中の城壁などの建物群が世界遺産に登録されているのである。これは、京都の個々の寺院が世界遺産に登録されることはあっても、京都という都市全体が世界遺産に登録されるわけはないのと同じことである。問題はこれで決着がついているのであるが、安藤氏はこの論点を単に【つくる会側は「エルサレムは都市名に過ぎない」などと反論し】と言及しているだけで、その主張についてはただの一言も反論していないのである。

話は以上で尽きているが、あえてこれを「ダブスタ事例」31件に含めたのは、教育出版(p99)にもエルサレムというキャプションでほぼ同じ写真が掲載されているにもかかわらず、そちらには何の意見も付けられていないからである。この指摘に対し、安藤氏は教育出版の場合、教科書の冒頭部分で「エルサレム」の写真を掲載し、そこで世界遺産マークを付けているから、ここは付けなくていいという文科官僚から聞き出した屁理屈を持ち出して解決したつもりになっている。そんなことは教育上の見地から見てナンセンスな言い分である。子供は教科書の内容を隅から隅まですべて覚えているという、不自然で空想的な前提に立たなければ成り立たない議論だからだ。その証拠に、教育出版は採択後の訂正申請で、p99の写真にも世界遺産マークをつけることを申請し認められている。安藤氏の説明はこうした事実によって、完全に破綻していることが証明できるのである。

【事例2 元寇の防塁跡】
自由社(p81)が掲載した写真について、「復元」と書かれていないことを理由に欠陥箇所とされたケースである。これについてこの遺跡を管理している福岡市に問い合わせたところ、復元などの表記は不要であるとの回答を得た。管理している自治体が不要としているものを教科書に書かせるというのもおかしな話である。

つくる会はこのケースについて、教育出版(p74)、山川出版社(p82)も同様の写真を掲げているのに、「復元」の文字がなく、それなのに検定意見が付いていないのは「ダブスタ事例」であると訴えてきた。安藤氏は、「実際は二社にも検定意見がついている」と反論した。両社に付けられた検定意見を精査して見ると、当該ページではなく、それ以前のページに同類のケースがあり、関連して当該のページにも触れていたことがわかった。安藤氏はあたかも自分で見つけたかのように書いているが、そうだとすれば異常な執念である。

【事例3 長屋】
江戸時代の長屋の写真に「復元」の文字がないことを咎められたケース。学び舎にも同じ写真があるのに、検定意見が付けられなかったことをつくる会は「ダブスタ事例」として批判してきた。
これについて、安藤氏は【建物を紹介した体裁になっていれば検定では復元表記を求める。建物内の個々の設備にまで復元表記は求めない、という運用ルールがある。自由社に意見がつき、学び舎に付かなかったのはこのためだ】と説明しているが、理解不能である。そもそも、そんな運用ルールがあるなら公表すべきであり、そうすれば検定意見の件数を減らすことが出来るだろう。つじつま合わせに、事後的に持ち出した「運用ルール」ではないかという疑いが強い。運用ルールの存否については文科省に問い合わせ中である。なお、同じ説明は、参議院文教委員会で松沢成文議員の質問に対して文科省側からなされていたが、国会テレビの視聴者の中に理解出来た者はいなかっただろう。

●文科官僚の後付け論理の破綻  【事例4 坂口安吾】
「開戦を聞いた文化人の声」というコラムに、作家・坂口安吾の小説「真珠」に出て来る日記から、「必ず空襲があると思った。…」を載せたところ、「引用された史料は小説である」として欠陥箇所とされたケース。ところが、東京書籍でも島崎藤村の「破戒」という小説のあらすじを紹介していることから、つくる会が「ダブスタ事例」であると主張して来たものである。
文科省の代弁者・安藤氏は、【検定意見の趣旨は「小説を史料として紹介するならば、読み手の生徒が作品の一部だとわかる体裁で紹介するべき」というものだ】と反論する。しかし、つくる会側は<「真珠」は事実をもとにした「エッセイ」と言ってよく、日記に近い。それゆえ、「史料が公正でない」とはいえない>と反論したのに、安藤氏は、それはスルーしている。議論になっていない。

【事例5 仏教伝来の年】
仏教伝来について自由社が552年と書いたのが欠陥箇所とされたケースで、理由は「現在の学説状況」とされたもの。文科省の真意ははっきりしないが、二つの可能性が考えられる。
①538年説が現在の学説の主流である
②538年説と552年説の両方を提示すべきである
各社の記述は次の通りである。○は検定意見が付かなかったもので、×は検定意見が付いたものである。
「6世紀前半」(育鵬社)・・・○
「6世紀前半」(学び舎)・・・○
「6世紀半ば」(東京書籍)・・・○
「6世紀半ば」(山川出版社)・・・○
「552年」(自由社)・・・×
これは、矛盾だらけである。まず、文科省の立場が?であるとすれば、東京書籍、山川出版社も×でなければならない。文科省の立場が②であるとすれば、全社が×、すなわち検定意見を付けなければならない。
それなのに、安藤氏=文科省は、【他社は年代を特定した表記を避けており、許容されたに過ぎない】という、わけのわからない反論をする。「6世紀前半」(育鵬社、学び舎)は552年説を排除する。552年はもはや「前半」ではないからである。検定意見がつかなかったのは、文科省が①説に立っている場合に限られる。
ところが、他方、文科省検定は「6世紀半ば」(東京書籍、山川出版社)も許容する。これは明らかにおかしい。①の立場と矛盾する。加えて、「6世紀半ば」とは552年説を指しているのであり、538年説は排除される。538年説支持示するなら、やはり「6世紀前半」としなければならない。おそらく文科省は自由社を落とすために、具体的な年次を明示したのが自由社だけだから欠陥箇所とした、という詭弁をあとから考え出したに違いない。しかし、その論理は完全に破綻している。

●またしても教科書検定制度への無知を露呈  以上の事例につき、安藤氏は、各事例の最後に、聞き捨てならない言辞を弄している。次のような記述である。

○事例1,2,3について・・・【つくる会側はこれらを不正の根拠として挙げ、反発しているが、一方で令和2年度の再申請においては全て指摘を受け入れている】
○事例4について・・・【再申請では坂口の記述自体が消えており、自社の記述の欠陥を実際には認識していたのではないだろうか】
○事例5について・・・【自由社自身、再申請では側注で「538」説に触れるよう加筆し、「552」説と併記して検定の指摘を受け入れている】
○事例6(後述)について・・・【自由社も再申請でこれを受け入れたが】

信じられないほどの愚かさだ。安藤氏は『正論』令和2年6月号の「本誌編集部」論文でさらした教科書検定制度についての無知をもう一度さらす結果になった。教科書検定は国家権力を背景にした行政処分であり、いったん検定意見がついた以上、一箇所でもそれに従わない箇所があれば全部が不合格となってしまうという仕組みなのである。だから、検定意見に納得しようが納得しまいが、何らかの修正をしない限り検定合格はあり得ないのである。(「検定意見」という言葉は、このような絶対的な権力性をぼかす極めてミスリーディングな用語である。)

上記引用のように、安藤氏は不合格となった翌年の再申請検定で自由社が指摘箇所を修正したことを、あたかも自由社が検定意見を受け入れたかのように書く。まるで教科書会社に検定意見に従わなくてもよい選択肢があるかのような、まことにノーテンキなことを書いて、自説の補強として3回も繰り返す。教育記者として、こうした無知をさらすことを恥ずかしく思わないのだろうか。

一方で、安藤氏は【必然的に再申請の対象となった申請図書は元年度検定と2年度検定が手続きとしては連続したものとなる】とも書いている。当然ながらこれは正しい。これを理解しているなら、先の引用のようなことを書くはずはない。つまり、安藤氏は、自分の書いていることの意味がまるでわかっていないか、わかっていて知らない振りをして書いているかのどちらかである。

●学習指導要領違反を問われた事例

以下の2件は、学習指導要領違反を問われた点で、共通性がある。

【事例6 「欧米諸国の接近」は近世か近代か】
 中学校社会歴史的分野の学習指導要領は歴史を「古代までの日本」「中世の日本」「近世の日本」「近代の日本」「現代の日本と世界」の5つの時代(大項目)に区切っており、各章ごとに3~6箇の中項目、さらにその中項目の中に身につけるべき小項目を割り振っている。小項目はさらにいくつかのトピックからなる。

 問題の「欧米諸国の接近」は「近世」で小項目として扱うよう示してある。ところが同じ学習指導要領の「近代」のアには「欧米諸国における市民革命や産業革命、アジア諸国の動きなどを通して、欧米諸国が近代社会を成立させてアジアへ進出したことを理解させる」とある。つまり、「欧米諸国の接近」の事実は「近世」で扱い、その背景は「近代」で扱うといういのが学習指導要領の構成となっているのである。

 しかし、これはわかりにくい。事実を時系列に組み替えて、<産業革命・市民革命→アジア諸国の動き→欧米諸国の日本接近→開国とその影響>と並べた方が生徒にとってはるかに理解しやすい。このように考えて令和元年度検定にあたり「欧米諸国の日本接近」の教材を近世の末尾ではなく近代の冒頭に移して書いた教科書会社が3社あった。日本文教出版、帝国書院、自由社である。

 3社ともこの部分のトピックは、外国船の接近、異国船打ち払い令などほぼ同じで本質的な違いは全くない。どの社も先に述べた理由で学習指導要領が指示する内容の配置を変えただけであり、この程度の変更は本来認められてしかるべきである。

 ところが令和元年度の文科省検定は、自由社に対しては「学習指導要領の示す内容に照らして、扱いが不適切である」という検定意見を付けたのに対し、日本文教出版、帝国書院には何の検定意見も付けなかった。明瞭なダブルスタンダードである。

 これに対し安藤氏は【指導要領は近代の記述を始めるにあたって、近世に立ち戻ることを一定許容している】と述べ、「近代」に「近世」の内容を書くことが許されていると示唆する。だがそんなことは指導要領にもその解説にもまったく書かれていない。いや、もしそのような「内規」があったとすれば、なぜ自由社の教科書にのみそれが適用されず、意見がついたのか、ますます疑問を抱かざるをえない。

 さらに安藤氏は【自由社の場合、章[注①]のタイトルが「欧米諸国の接近」となっていた。この項目は近世の中で取り扱うことが指導要領に明記されている】と、自由社にのみ検定意見を付けた理由を述べている。他の2社はこうしたタイトルをつけていないからオーケーだったと言いたいのである。しかし、先に述べたように、記述内容は3社ともほとんど変わらない。安藤氏は、内容は同じなのにタイトルだけで1社のみに意見を付けるという筋の通らない不正を擁護しているとしか思えない。
 *注① 「章」は「単元」の間違い。

●破産した後付けの合理化

だが、この議論も実は成り立たない。文科省著作の「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説」には、「外国船の接近」という言葉が近世の内容として明記されている。近代に置かれている「外国船の接近」(日本文教出版)、「外国船の接近」(帝国書院の小見出し)はどうして違反しないのか。さらに訊く。帝国書院には「天保の改革」が近代の中の小見出しに入っている。これは学習指導要領が近世の内容として明記する「幕府の政治改革」に当たることに疑問の余地はない。自由社が検定意見をつけられたのだから、帝国書院も検定意見を付けられるべきではないか。

要するに事情はこうだ。教科書調査官は自由社を落とすことが方針として与えられていて、そのために自由社のあら探しをしたのである。そうして見つけ出したのが、近世で扱うべき内容を近代に移動しているという難クセだった。ところが、「ダブスタ事例」として告発されてしまったので、後知恵で、第一の一般論をデッチ上げ、第二の区別立てを、自由社を差別するための屁理屈として考え出したというわけである。しかし、それは完全に破綻していることが明白になった。

安藤氏がこの事例をわざわざ取り上げたということは、文科官僚がしくじったと思って気にしていることを意味する。そこで安藤氏は文科官僚の代弁をしてうまく言いつくろったつもりのようだが、実際は反対に文科官僚の傷口を拡大してしまったというわけだ。

【事例7 聖徳太子と厩戸王】 自由社は、本文で聖徳太子について、「聖徳太子は皇族の一人として生まれ、古事記や日本書紀では厩戸皇子などとも表記されています」と書いた。これに検定意見が付き、学習指導要領に規定されている、<後に「聖徳太子」と呼ばれるようになったことに触れること>という指示に反するとされた。
ところが、育鵬社も本文で「このときに摂政となり、馬子とともに推古天皇を支えたのが、幼いころからすぐれた才能を示し、蘇我氏と血縁のある皇族の聖徳太子(厩戸皇子)でした」という記述にも検定意見がつけられてしかるべきなのに、ノーマークでパスしている。「ダブスタ事例」である。
これに対し、安藤氏=文科省は、【後の頁で】、【日本書紀の記述を実際に紹介しながら、「聖徳太子」が後の時代になってそう呼ばれたことを明記しているので意見がつかなかった】と書いている。そういうことが認められるのなら、自由社も後の頁に掲載された聖徳太子に関するミニ年表で、「574 聖徳太子(厩戸皇子)誕生」として、本来の名が「厩戸皇子」であることがわかるように書いているので、その要件は満たしているのである。

●自由社への差別を裏付ける新たな事実の判明

 令和元年度の教科書検定は、歴史的分野で自由社の教科書を「一発不合格」にすることが、文科省の基本方針であったと考えざるをえない。教科書調査官は、自由社以外の他社の検定では、ろくに中身を見ることもしなかったと思われる事実がある。

教科書検定が終わり、採択が済むのが翌年の8月である。ここからさらに翌年4月の使用開始までの間に、教科書会社は、文科省に対し訂正申請を提出することができる。情報開示請求によって、全社の歴史教科書の教科書会社から提出された訂正申請表を見て驚いた。令和元年度の検定で、東京書籍は僅か21件の検定意見が付けられただけなのだが、訂正申請された箇所は、386箇所にも及んでいたのである。これらの訂正箇所のなかには、国が誕生したり消滅したりするなど、客観的事情の変更を反映したものもあるから、そのすべてとは言わないが、誤記誤植や事実の間違いなども多数含まれており、当然検定意見が付くべきものも数多く含まれているのである。

同様に、日本文教出版は検定意見24箇所に対し、訂正申請564件、教育出版にいたっては、検定意見38件に対し訂正申請が実に702箇所もある。これらのことを見れば、自由社に対していかに過酷で執拗な検定が行われたか、それに比し他社の教科書には大甘の検定おこなわれたという実態が浮き彫りになるのである。なお、これらのデータは、今後その内容を精査して明らかにしていくつもりである。

●安藤氏は自己の発言に責任を負わねばならない

安藤氏は【「不正検定」との主張を頭から否定しているわけでは決してない】などと言いながら、【不正を裏付けるような証拠は今に至るまで示されていない】と断定する。しかし、ここで安藤氏が「証拠」といっているのは、平成12(2000)年度の検定で暴露された野田英二郎事件のような下手人を挙げるという意味であり、【「不正検定」というには、誰がどのような「悪意のある画策」をしたのか、それが決定的に重要である】などと書いている。

そんなことはない。令和元年度検定はいわば「成功した野田英二郎事件」であり、司令塔が必ずいただろうが、検定意見の不正を証明するだけで不正の論証としては十分なのである。職務上の責任を問われるのは、教科書調査官7人と検定審議会委員14名である。その氏名はすでに特定されている。

安藤氏の文章には官僚や政治家のお墨付きを得て、自分のバックには巨大な権力があるのだといわんばかりのおごり高ぶりが見える。しかし、安藤氏はどんな大義のために文章を書いているのだろうか。そもそも、安藤氏が現代の日本における「教科書問題」をどのように考えているのか訊きたいものだ。

教科書問題とは、教科書の内容が自虐的であり、左翼偏向しており、日本人が自国に誇りも愛情も持てなくするような教育をしているということが問題ではなかったのか。『正論』はそのために、数十年にわたって論陣を張ってきたのではなかったか。その動きの中心に安藤記者もいたのではないか。その片鱗もうかがうことのできないのが、今の安藤氏である。安藤氏の論文を読めば、安藤氏にとっての「教科書問題」とは、杜撰な編集をする教科書会社があって、文科省の皆さんが困っている、ということらしい。

いずれにせよ、安藤氏は自己の発言に責任を負わねばならない。新しい歴史教科書をつくる会は、安藤氏と公開の場で討論することを公式に申し入れる。言論人として、一方的に他者の批判をしながら、相手の口を塞ぎ、公開の場での討論からも逃げまくるというのでは、言論人としての資格がない。そういうことは社会的に絶対許されないものであることを安藤氏は認識しなければならない。

『正論』安藤氏を招いて緊急シンポジウム(9.21)開催予定

 今回の声明発表と併せて、当会は『正論』編集部安藤氏に公開討論を申し込みます。9月21日(火)17時30分より、東京・憲政記念館において安藤氏を招いて開催する予定です。ふるってご参加下さい。


定時社員総会・講演会開催中止のお知らせ

 5月15日(土)に東京で予定しておりました、定時社員総会ならびに教科書完成記念講演会は、東京都の緊急事態宣言の延長を受け、万一のリスクを考慮して中止が決定しました。
 ご出席予定の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご海容のほど、お願い申し上げます。
 なお、総会対応については該当する会員の皆様に別途お葉書でご案内申し上げます。また、講演会は新型コロナウイルスの感染拡大状況が予測不能でもあることから延期ではなく、中止とさせていただきます。ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

教科書から「慰安婦」記述の完全削除を

管内閣の答弁書閣議決定を受け文科大臣に申し入れ

採択現場にあっては「慰安婦」記述のある教科書の不採択を

 管内閣による「従軍慰安婦」に関する答弁書の閣議決定(4月27日)を受け、新しい歴史教科書をつくる会と慰安婦の真実国民運動(以下国民運動、代表加瀬英明)は、5月14日、萩生田文部科学大臣対し中高教科書から「慰安婦」の記述を完全に削除するよう申し入れを行いました。その後、文科省記者クラブで会見を行いました。会見には、髙池勝彦(当会会長)、山本優美子(国民運動幹事長)、藤岡信勝(当会副会長)、茂木弘道(国民運動常任幹事)が出席し、この度の申し入れの趣旨について説明しました。
 申入れでは、今回の答弁書閣議決定によって、「自虐史観」に関わる重要な問題の一角が崩壊したと評価しました。一方で「慰安婦」の記述が残ってしまったことに、「単に『慰安婦』と書かれようが、『自虐史観』を子供に刷り込むことになるマイナスの教育効果は実質的にはそれほど変わりません。」、さらに「戦場の性を教科書に書くべきでない」と、残る問題点に言及しました。そしてこの問題の根源となるのが、今回の閣議決定でも「河野談話」を踏襲してしまったことにあると指摘しました。
 その上で、①文科省に対して「慰安婦」関連記述の完全削除を、②採択の権限を持つ教育委員会には、「慰安婦」記述のある教科書の不採択を、③子供を学校に預ける父母ならびに一般国民には、そのような教科書を採択しないよう、声をあげ、関係者に働きかけるよう、それぞれ求めました。
なお、要望書全文は、「つくる会」HPでご覧いただけます。会員、支援者の皆様には、引き続きこの問題を注視いただきますよう、お願い申し上げます。




定時社員総会・講演会開催中止のお知らせ

 5月15日(土)に東京で予定しておりました、定時社員総会ならびに教科書完成記念講演会は、東京都の緊急事態宣言の延長を受け、万一のリスクを考慮して中止が決定しました。
 ご出席予定の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご海容のほど、お願い申し上げます。
 なお、総会対応については該当する会員の皆様に別途お葉書でご案内申し上げます。また、講演会は新型コロナウイルスの感染拡大状況が予測不能でもあることから延期ではなく、中止とさせていただきます。ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。


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「従軍慰安婦」・「強制連行」の文言は不適当
菅内閣が質問主意書に対する答弁書を閣議決定!

<声明>「従軍慰安婦」・「強制連行」の文言に関する閣議決定を受けて

令和3年4月28日
新しい歴史教科書をつくる会

 菅内閣は4月27日、日本維新の会の馬場伸幸衆議院議員から出された質問主意書に対し、「『従軍慰安婦』という用語を用いることは誤解を招く恐れがある」とし、「従軍慰安婦」の文言を不適切とする答弁書を閣議決定しました。また、先の大戦中に、国民徴用令による朝鮮から日本本土への労務動員を「強制連行」と表現することについても、同様に不適当としました。
 今回の菅内閣の閣議決定は、長年にわたって続いてきた「従軍慰安婦問題」の局面を大きく変える転機となり得るものです。この問題に一貫して取り組んできた当会としては、この度の決定を心より歓迎し強く支持いたします。また、長年にわたってこの問題に関心を寄せ、当会の活動を支持していただいた多くの国民の皆様、国会質問や閣議決定に至る経過の中でご尽力いただいた与野党の国会議員の皆様に心より感謝いたします。
この閣議決定は、「従軍慰安婦問題」の解決に向けて大きな一歩を踏み出したものですが、今後直ちに取り組まなければならない課題が三つあります。
 第一に、文科大臣は、中学校歴史教科書に「従軍慰安婦」を記述した山川出版社に対し、訂正勧告を出し、供給先の学校に対し、ページの差し替え等の措置を取るよう行政指導をするべきです。また、採択が進行中の高校「歴史総合」の教科書に対しても、文科大臣が訂正勧告をすることを求めます。
 第二に今回の閣議決定の論理からは、教科書に「従軍慰安婦」を書くことはダメだが、「慰安婦」ならよいという議論になりかねません。一般の歴史研究の対象として「慰安婦」を取り上げる場合とは異なり、学校で使う教科書に「慰安婦」を取り上げること自体が、教育上意味がないだけでなく有害です。このことを広く明らかにし、「慰安婦」の記述そのものを中学、高校の教科書から一掃する課題があります。
 第三に、この問題の根源となり、著しく国益を損ねた河野談話を撤回することが最終的な解決となります。
 これら三つの課題の解決を目指して当会は、今後も各方面に働きかける活動を粘り強く続けていきます。国民の皆様のご支援を引き続きお願い申し上げます。

令和3年4月28日配信

『新しい歴史教科書』(自由社)が検定合格
声明で全国の自治体・私学に採択の呼びかけ
令和元年度の「不正検定」問題、「従軍慰安婦」記述問題にも言及

3月30日、文部科学省は、『新しい歴史教科書』(自由社)の検定合格を発表しました。これを受けて新しい歴史教科書をつくる会は、3月31日に文科省記者会において会見を行い、下記の声明を発表しました。会見には、高池勝彦会長、岡野俊昭・皿木喜久・藤岡信勝の3副会長、荒木田修理事が出席しました。

今後は、1年遅れとなる採択戦に取り組むのと同時に、文科省による「不正検定」問題や中学・高校教科書の「従軍慰安婦」記述問題についてさらに各取り組みを強化してまいります。

会員、支援者の皆様には、なお一層のご支援の程、よろしくお願いいたします。

『新しい歴史教科書』検定再申請の合格報告と今後の課題

令和3年3月31日
新しい歴史教科書をつくる会

(1)当会が推進し自由社が制作した、中学校用『新しい歴史教科書』は、令和元年度の検定で「一発不合格」となりましたが、令和2年度に再申請した結果、3月30日の検定審議会で合格が決定しました。一度死んだ『新しい歴史教科書』は不死鳥のように蘇ったのです。この度の再申請を支持していただき、多大なるご支援を賜りました皆様に心より御礼申し上げます。 再申請検定に合格した教科書は、まさに「つくる会」24年の集大成となる教科書です。今後は、文科省の新しい規則に則り、夏の採択に向けて全国採択区や自治体、私学など関係各所に見本本を送付いたします。5月末には検定合格本として市販本も販売を予定しており、さらに6月には全国の教科書展示会が開催されますので、手に取ってご覧いただければ幸いです。
『新しい歴史教科書』の理念と内容に共鳴し、採択替えをする自治体や学校が数多く現れることを願っております。
 
(2)令和元年度検定に於ける自由社の『新しい歴史教科書』の「一発不合格」について当会は昨年2月より、処分は極めて不当であると訴えてまいりました。昨年6月以降、各社白表紙本(検定申請本)及び採択用見本本などをもとにさらに綿密な調査を行った結果、驚愕すべき事実が次々と明らかになりました。自由社で検定意見を付けられ欠陥箇所とされたのに、他社の同様の記述には検定意見を付けられずそのまま合格しているという事例が、本日までに実に31件も見つかったのです。当会ではこれを検定に於ける「ダブルスタンダード事例(ダブスタ事例)」と呼んでいますが、これほどのダブスタ事例を文科省はどう説明するのでしょうか。回答を求めていきます。
 昨年12月24日、株式会社自由社は、これらを理由に検定不合格は不当とし、文科省に対し行政不服審査請求を行いましたが、不合格処分後3か月という請求期間が過ぎているとして門前払いをされました。そこで同社は、不合格処分によって会社経営に甚大な損害を被ったとして、何らかの法的手段を取ることを検討しています。
 さらに、「文科省『不正検定』を正す会(加瀬英明会長)」では、今年5月に昨年同様に多くの国民の皆様にも参加いただき「不正検定」を正す新聞意見広告を企画しています。新しい歴史教科書をつくる会は、「不正検定」の全容解明を目指して、自由社と「正す会」の取り組みを全面的にバックアップしてまいります。
 
(3)中学校教科書「従軍慰安婦」記述復活問題は日本の将来にとって由々しきことです。ご承知のとおり、令和元年度検定において山川出版社の教科書の「従軍慰安婦」の記述は何の検定意見もつかずに合格しました。この件については当会と慰安婦の真実国民運動(加瀬英明代表)の連名で、3度にわたり大臣に記述削除の申し入れを行いましたが、過去2回は「ゼロ回答」となっています(3度目は3月31日を回答期限としています)。また、国政の場においても、本日までに各委員会で3人の議員が4回にわたって質問を行いましたが、萩生田文科大臣は自らの答弁をひたすら避け、また官僚も矛盾に満ちた答弁を繰り返すのみです。もはや「従軍慰安婦」の記述の正当性はどこにも見当たりません。文科省が検定の誤りを素直に認めて、文科大臣が早期に山川出版社に対し訂正申請の勧告を行うよう、今後も各方面と連携して取り組みを強化してまいります。
 一方で、山川に限らず、高校では「従軍慰安婦」記述がまだ多くの教科書に残る状況で、これは驚くべきことです。今後は高校も含めて、「従軍慰安婦」「慰安婦」の記述を徹底的に問題にして参ります。

(4)この「不正検定」問題と「従軍慰安婦」記述復活問題は、ともに令和元年度検定において発生しました。文科省の教科書検定の実態及び制度に、根本的な問題があると言わざるを得ません。例えば次のような事項を検討することが欠かせません。
1)検定審議会の議事録の作成と公開
2)教科書調査官の任用を国会承認事項とする
3)教科書調査官に任期制を設ける
4)「誤解するおそれ」などのあいまいな検定基準を廃止する
当会は文科省の教科書検定の体制・運用が抜本的に改革され、健全化することを目指して今後とも取り組んでまいります。
 国民の皆様のますますのお力添えをお願い申し上げます。   (以上)

令和3年4月4日配信

「従軍慰安婦」記述の削除を求め緊急集会を開催!
集会の様子は25日より「つくる会CH」で配信中

 新しい歴史教科書をつくる会と慰安婦の真実国民運動(加瀬英明代表)は、2月24日、山川出版社「従軍慰安婦」記述が検定に合格した問題について抗議の声を上げるべく、都内で緊急集会を開催しました。

 緊急集会には、これまで長く慰安婦問題に取り組んできた方々に加えて5名の国会議員も登壇し、「従軍慰安婦」という用語や文科省の検定制度など、様々な角度から今回の問題点を論じました。コロナ禍の中にもかかわらず150人という多くの参加者が集まり、登壇者が用語の問題性や検定の不当性について鋭い意見を述べる度に大きな拍手があがりました。最後の決議文朗読では、萩生田文科大臣に対して、今後も強く記述の削除を求めていくことを宣言しました。

 「従軍慰安婦」問題は、当会の教科書改善運動にとってもまさに象徴的な課題です。また、次回検定で他社の教科書への記述の広がりを防ぐためにも、今回の記述復活を是が非でも阻止しなければなりません。

 当会と慰安婦の真実国民運動は、この集会を契機とし、文部科学省に記述削除を求めてさらに強い取り組を展開してまいります。会員、支援者の皆様には一層のお力添えをお願い申し上げます。

 なお、集会の様子は、2月25日よりYoutube「つくる会CH」で毎日配信中です。ぜひご覧下さい。

緊急集会・決議文

<登壇者一覧>

加瀬英明(慰安婦の真実国民運動代表)/藤岡信勝(新しい歴史教科書をつくる会副会長)/山本優美子(国民運動幹事長)/高市早苗(自由民主党衆議院議員)/松沢成文(日本維新の会参議院議員)/山田宏(自由民主党参議院議員)/藤田文武(日本維新の会衆議院議員)/原田義昭(自由民主党衆議院議員)/大高未貴(ジャーナリスト)/西村幸祐(批評家)/ケント・ギルバート(アメリカ・カリフォルニア州弁護士)/鈴木正人(教科書をよくする地方議員の会会長)/三浦小太郎(つくる会理事)/ 原口美穂(つくる会CHキャスター)/諸橋茂一(つくる会理事)/茂木弘道(史実を世界に発信する会代表代行)/杉原誠四郎(つくる会顧問)/岡真樹子(女性グループ「花時計」代表)/高池勝彦(つくる会会長)     (敬称略)

令和3年2月26日配信

中学校教科書「従軍慰安婦」記述復活にSTOPを!
2月24日・東京で緊急集会を開催予定

文科省の令和元年度教科書検定において、山川出版社の歴史教科書に「従軍慰安婦」の記述に検定意見が付されずに合格しました。新しい歴史教科書をつくる会と「慰安婦の真実国民運動」(加瀬英明代表)は、これが教科用図書検定基準に違反しているとして、昨年12月と今年1月の2度にわたり、萩生田文部科学大臣に同記述削除の訂正申請勧告を求めました。

1回目の申し入れの回答は1月8日に届きましたが、まさに「0回答」で、私どもの求めに対しまともな回答をしていません。2回目の回答期限は2月18日となりますが、その後の政府側の発言の報道を見る限り、1回目の回答に沿ったものになる可能性が高いと思われます。

これを今放置すれば、3年後の検定でさらに他社の教科書にも「従軍慰安婦」の記述が復活していくことは目に見えています。この事態を回避するためにも、今回の「従軍慰安婦」記述を是が非で削除させなければなりません。

そこで当会は、下記の緊急集会を「慰安婦の真実国民運動」との共催で開催することといたしました。集会において「従軍慰安婦」教科書記述復活のもつ意味、またその背景にある問題点を整理し、参加者の皆様と事態打開にむけて決意を共有していきたく存じます。

会員、支援者の皆様におかれましては、コロナ禍の大変な時期ではありますが、ぜひともご参集の上、私どもと共に声を上げていただきたく、心よりお願い申し上げます。


<集会要領>

 ■日時 令和3年2月24日(水)17時30分開会(17時開場)
 ■場所 東京・憲政記念会館講堂
 ■参加費 1000円 *事前申し込みはいりません
 *この問題に取り組む言論人、国会議員、地方議員によるリレートーク方式で進行
 *当日の模様は動画で生配信する予定です。
 ■主催 新しい歴史教科書をつくる会 「慰安婦の真実」国民運動
 ■問い合わせ つくる会事務局 TEL:03-6912-0047

令和3年2月8日配信

Youtube「つくる会CH(チャンネル)」配信開始のお知らせ

この度、教科書問題をタイムリーにわかりやすく広げていくため、動画配信サイト「つくる会CH(チャンネル)」を立ち上げることになりました。
教科書をめぐる喫緊の諸問題について、それに取り組んでいる方々にご出演いただきます。
動画は原則毎日20時配信とし、手軽に見てもらえるよう5分程度のものとします。記念すべき第1回配信は、建国記念の日の2月11日午後8時、<教科書に「従軍慰安婦」はいらない>をシリーズでお届けします。
会として初の試みとなり、手探りでのスタートとなりますが、内容の充実を目指していきます。ぜひ、ご覧いただき、周辺にも広げていただくよう、お願い申し上げます。

<視聴方法>
ご自宅のパソコン、またスマートフォンなどで視聴可能です。Youtubeアプリか、検索サイトで「Youtube」を検索していただき、そのサイト内で「つくる会CH」を検索します。サイト視聴のための料金は発生しませんのでご安心ください。

令和3年2月8日配信

文科大臣は「従軍慰安婦」記述削除の訂正申請勧告を!
つくる会と「慰安婦の真実国民運動」が要望書

 新しい歴史教科書をつくる会と「慰安婦の真実」国民運動は、12月18日、共同で以下の趣旨の申し入れを萩生田光一文部科学大臣に対して行いました。
 <令和元年度の文科省教科書検定を通過した山川出版社の「従軍慰安婦」の記述は、「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解」及び「最高裁判所の判例」があるときは、それらに基づいた記述がされていること、という教科書検定基準に違反しています。そこで、教科書検定規則に則り、発行者に対し、「従軍慰安婦」の記述を削除するよう訂正申請勧告をすることを求めます。>
 その後、文科省記者クラブにおいて会見を行いました。会見には高池勝彦つくる会会長、加瀬英明国民運動代表、藤岡信勝つくる会副会長、山本優美子国民運動幹事長が出席しました。
 申し入れ書は、来年1月8日を締め切りとして文科大臣の回答を求めています。会員、支援者の皆様には、本件について文科省の対応を注視いただきますようお願いいたします。

<申入書>

■申入書の手交
手交.JPG

■記者会見
記者会見.JPG

令和2年12月19日更新

令和2年度「つくる会教科書」の採択結果について

令和2年12月8日


 (1)今年は平成9年の「新しい歴史教科書をつくる会」発足から23年目にあたり、通算6度目となる採択戦の年となりました。まず、この間長きに亘り当会の教科書改善にご賛同いただき、多大なるご支援をいただいてまいりました会員、支援者の皆様に心より御礼申しあげます。

 さて、その採択戦ですが、すでにご承知のとおり、歴史教科書は「一発不合格」処分を受けたために採択に参入できず、公民教科書のみ採択戦に臨むこととなりました。その結果、東京都市大学等々力中学校と岡山学芸館清秀中学校の2つの私立校で採択していただきました。採択数は合計で約270冊でした。この結果は不本意なものであり、本部の力不足・指導力不足は否めず、役員一同、これまでご支援をいただいた皆様に対し、大変申し訳なく思っております。


 (2)本部では前年の令和元年度より採択戦の準備に取りかかりました。前回までの採択戦で明らかになった事情を踏まえ、公立については、共同採択区ではなく、採択の責任の所在がより明確で首長の意思が働きやすい単独採択区での採択を重視して取り組みました。従って、全国の各支部が、(1)各都道府県で私どもの教科書に賛同していただける首長や教育委員を調べること、(2)共同採択区に属する自治体でも単独採択区に変更すれば採択の可能性のある自治体については単独採択区化を自治体に働きかけること、を主眼とする取り組みをお願いしてまいりました。また、私学対策では、各支部において、採択が有望な学校を最低1つ探し出し、そこに注力していくことを求めました。

 令和元年の秋には、会員の皆様に採択戦に関するアンケートを実施し、各会員が居住する自治体の首長や議会、教育委員などの状況把握を行い、それをもとに、全国支部代表者会議において採択戦へ向けた取り組みを検討いたしました。支部によっては、かなり具体的に単独採択区化への働きかけが進んでいるところもあり、期待をもてる状況でした。


 (3)ところが、こうした中、年末に『新しい歴史教科書』の検定不合格という全く予期せぬ事態が生起しました。この処分は極めて不当で、到底受け入れられるものではありません。その結果、歴史教科書を欠いたまま公民教科書のみで採択戦に臨むこととなったことが、本部や各支部における採択戦への取り組みに大きな負の影響を与えたことは否めません。

 前回、5年前の採択戦の後、保守系教科書の採択がなぜ伸びないのか、その根本的原因は「構造問題」にあるとつくる会は総括しました。私どもがどれだけ素晴らしい教科書をつくっても、残念ながら今の日本の教育界と政界には、それを受け入れる土壌がほとんどないのが実情です。つくる会の教科書を採択することは、多くの採択関係者にとってはリスク以外の何ものでもないのです。それが「構造問題」です。その厳しい状況をわかった上で、それでも私どもの教科書に賛同していただける首長や教育委員、私学関係者が現れることを信じて、この4年間取り組みを続けて参りました。それだけに、歴史教科書検定不合格のダメージは大きかったといわざるを得ません。


 (4)そのような状況下においても、私学2校に『新しい公民教科書』を採択していただきました。『新しい公民教科書』は、他社が共産主義を容認する立場から米中新冷戦の現実を隠蔽し、国家論や私有財産制だけでなく、家族などをどんどん扱わなくなる危機的状況の中で唯一、米中新冷戦の現実を描いて家族・私有財産・国家を原点から論じています。その教科書を2校が採択して下さったことは、「つくる会の灯」を消さずに保ったのみならず、日本の公民教育を首の皮一枚で救ったと言っても過言ではありません。2校の関係者の皆様には深く感謝する次第です。


 (5)他方、歴史教科書については「つくる会の灯」が消えてしまったのかというと、そうではありません。令和2年6月に検定に再申請し、目下、文科省において検定が行われております。令和2年度内には検定に合格することになるでしょう。日本政府が公的に認める「検定合格教科書」として存在すること自体に大きな意味があります。

さらに令和3年度には、「一発不合格」制度の導入に伴いつくられた新制度によって、全国の教育委員会が1年遅れで検定に合格する自由社の『新しい歴史教科書』の内容の調査をし、採択の俎上に載せることが義務づけられました。これは、実際に採択されるかどうかにかかわらず、つくる会の教科書を社会全体に知らしめる一つの大きなチャンスです。


 (6)令和元年度、文科省によって行われた『新しい歴史教科書』に対する「不正検定」問題については、再申請の検定合格後に一連の行動を取る予定です。文科省の責任を明らかにするとともに、教科書検定制度の抜本的改革を勝ち取るべく、さらに取り組みを展開してまいります。それに加えてつくる会は、歴史教科書を歪める根源となっている国内外の歴史認識に関する諸問題に自ら果敢に取り組むとともに、関連する諸団体のプラットホームの役目も果たしています。つくる会の存在意義は間違いなく、極めて大きいのです。

会員、支援者の皆様には今回の採択結果とそれをとりまく諸事情を踏まえた上で、今後も私どもの教科書改善運動にさらなるお力添えを賜わりますようお願い申し上げます。

つくる会、「文科省教科書検定の罰則規定導入に反対する声明」を発表

 新しい歴史教科書をつくる会は、11月12日、文科省の教科書検定に関連し、下記の声明を発表しました。
 会員、支援者の皆様におかれましては、何卒ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

文科省教科書検定の罰則規定導入に反対する声明

令和2年(2020年)11月12日
新しい歴史教科書をつくる会

 文部科学省の教科書検定審議会は10日、教科書会社が検定期間中に検定内容や検定結果を公表した場合、次回検定も含めて不合格にする罰則を設けるとの方針を決めた。これを報道した共同通信は「令和3年度の検定から適用する方針」と書いた。

 つくる会事務局が文科省教科書課に罰則規定の条文を請求したところ、共同通信の報道は勇み足であり、この件は方向を決めただけでまだ条文も出来ておらず、何も決まっていないと返答した。そこで、当会が共同通信に問い合わせたところ、担当記者の判断で書いたものであるとの回答を得た。

 結論を言えば、まだ条文化されるまでに至っていないが、基本方向を決定した段階であるということになる。教科書改善問題に携わってきた当会は、教科書検定にこのような罰則規定を導入することに強く反対する。

 文科省の方針決定の背景には、令和元年度検定で自由社の歴史教科書が「一発不合格」処分を受け、これを不当とするつくる会が、令和2年2月21日に文科省で記者会見を開き検定結果を公表した経過がある。

 この記者会見について文科省は、検定規則に違反するとして開催しないように圧力をかけ、会見後は自由社から始末書をとるなどしてきた。今回の決定は、こうしたことの「再発防止策」を検討した結果だと共同通信は報じている。しかし、文科省のこの問題に対する対処には大きな誤りや矛盾がある。

 第一に、自由社は、令和元年12月25日に、文科省初等中等教育局長の職印を押した正式な文書を受け取っており、そこには「下記の図書は・・・検定審査不合格と決定されましたので通知します」と書かれていた。この時点で自由社に対する教科書検定は完了しているのであり、つくる会が「検定期間中」に内容を公表したという非難は当たらない。

 他社の教科書については、教科書調査官との協議を経て、2月末から3月初旬にかけて最終修正表が確定し合格の内示を得ることが出来るが、正式決定は3月末の検定審議会であるから、それ以前に検定内容を公表することは確かに規則に違反するであろう。他方、「一発不合格」制度は令和元年度の教科書検定で自由社に対し初めて適用されたものであるから前例はなく、初中局長名で最終結果を通知している以上、自由社についての検定はその時点で完了したと解釈することに何の問題もない。

 第二に、自由社に対する「通知」の文面の末尾には、「なお、この決定について不服があるときは、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、文部科学大臣に対して行政不服審査法に基づく審査請求をすることができます」と書かれていたが、これは根本的な矛盾を含んでいる。行政不服審査の請求期間は、以下に検討するように、ほとんどその年度の教科書検定期間と重なってしまうからである。行政不服審査の請求は検定不合格に対する異議申立であるから必然的に検定結果を公表することになるが、他方で文科省は検定期間中の検定結果の公表を罰則規定まで設けて禁止しようとしているのである。

 令和元年度の自由社の例について検討するなら、12月25日の翌日から起算して「3か月以内」ということは、翌年の3月25日までが請求の期限だということである。ところで、年度ごとの検定結果は文科省が3月末ごろの検定審議会にかけて決定する。検定審議会の日程は公表されず、年度によって異なるが、一般的には3月末の年度末ギリギリの時期に開かれることが多い。令和元年度検定の場合は3月24日に検定審議会が開かれているから、新聞等で広く公表されたのは3月25日であった。そうすると、仮にこの「通知」をもとに行政不服審査を請求しようと考えたとしても、検定期間中であるから出来ないことになる。

 さらに検定審議会の日程は、4月にずれ込むこともある。現に『[改訂版]新しい歴史教科書』(扶桑社刊)の検定合格の決定日は、平成17年(2005年)4月6日であった。もし、今回の新たな罰則規定が施行されれば、「一発不合格」処分を受けた教科書会社は、「行政不服審査法」という法律で保障された不服審査請求権を実質的には完全に奪われるということになる。これは由々しき国民の権利の侵害である。

 第三に、「一発不合格」処分を受けた教科書会社がそれを公表すると、新規の罰則規定のもとでは「次回検定も含めて不合格とする」というのであるから、これはまさに、検定に異議を唱える教科書会社に対して二度と立ち上がれないほどの懲罰を与えるというに等しい処遇である。

 しかし、自由社の場合は、明らかな「不正検定」が行われたのであり、2月段階で公表して社会に検定の不当性を訴える以外に対抗手段が無いという状況のもとでなされた行動なのである。こうした、よくよくの事情があることを一顧だにせず、萩生田文科大臣は「検定期間中」であることを理由に繰り返し自由社を非難した。

 だが、国会で質問に立った日本維新の会の松沢成文参議院議員は、「教科書検定のプロセスが全部終わるまで情報公開しちゃいけないというルールだから、それを破ったつくる会は困ったもんだという御見解でしたけれども、つくる会にしてみれば一発不合格なんです。・・・だから、やむにやまれぬ気持ちで・・・もう検定のやり方自体がおかしいじゃないかという抗議の意味を込めて、アピールするのは当然だと思いますよ」(3月10日参議院文教員会)と述べ、つくる会に同情する発言をされている。

 そもそも、「再発防止策」を検討するなら、「不正検定」の「再発防止策」こそ検討されなければならないはずだ。「不正検定」の事例の中には、自由社が他社と同一の記述をしながらも欠陥箇所として不合格とされたケースが少なくとも二十数件存在する。このような、法の下の平等に明確に反する「不正検定」の防止は、法治国家の教育行政を預かる文科省が真っ先に行わなければならないことではないだろうか。近年の文科省による教科書行政の傾向は行政側に都合のいい変更が相次ぐもので、官民の力関係のバランスを著しく欠いている。今回の罰則規定の導入はその仕上げの意味を持つことになるだろう。

 教科書検定に対する罰則規定の導入は、行政改革の流れに逆行する規制の強化である。こうした規制の強化によって、左翼偏向の教科書検定のあり方が温存されるばかりか、さらに、批判を許さない盤石のものとなる道が開かれる。こうした流れを加速させている萩生田文科行政には大いなる危惧を抱かざるを得ない。以上の理由から、文科省は教科書検定過程に罰則規定を導入する方針を撤回するべきである。 (以上)

文科大臣の不誠実な回答に対する抗議声明

令和2年(2020年)6月19日
新しい歴史教科書をつくる会

 文科省「不正検定」を正す会(加瀬英明代表)と新しい歴史教科書をつくる会(高池勝彦会長)はそれぞれの代表者の連名で、5月25日、萩生田光一文部科学大臣宛てに、「令和元年度・中学校歴史教科書の『不正検定』に関する公開質問状」を提出した。文科大臣からの回答は、回答期限に指定した6月11日の午後、FAXでつくる会事務局に届いた。つくる会は、この回答文書が形式的にも内容的にも極めて不誠実なものであり、到底納得出来るものではないことから、この抗議声明を発表する。

まず初めに指摘しておかなければならないことは、当方の質問状は、二つの組織の代表者2名が記名押印し、萩生田光一文部科学大臣を名宛て人とし、この問題の担当課である教科書課に持参して担当者に手交したものである。ところが、それに対する回答は「文部科学省初等中等教育局教科書課」とのみ記され、文部科学大臣という職名も大臣の氏名も書いていなかった。記名押印した文書に対し、担当部局名で回答するのは非常識である。
なお、回答文書の中には、「欠陥箇所として指摘した趣旨については担当課にお問い合わせください」とあるので、発出主体は文科大臣であると解釈せざるを得ない。そこで、念のため教科書課に「この文書は文科大臣からの正式な回答と受け取ってよいのか」と質問したところ、その通りであるとの回答を得ている。

 回答の内容も「木で鼻をくくった」不誠実極まりないものであった。当方の質問の真意をくみ取るのではなく、表面的な形式論と問題のスリカエで対応し、「ゼロ回答」というべき内容であった。以下、具体的な論点について述べる。

①「不正」の有無について
 大臣は回答で「文部科学大臣として、今回の検定を手続的な観点から確認し、不正は行われていないことを確認しました」としているが、当方は今回の検定において「手続き」に不正があったなどと疑問を呈したことはない。当方が問題にしているのは、検定意見が内容的に不当であり、「一発不合格」を実現するために「教科書調査官による意図的な検定意見の水増し」が行われていたのではないか、という点である。これが「不正」に関する質問の趣旨である。今回の回答は、そのポイントから目をそらし、手続きに不正がないから不正はないという無意味なものである。この回答の論理からは、「手続きに不正がなければどんな検定意見も許される」という驚くべき帰結が導かれるものになっている。

②自由社への聞き取りについて
 大臣は、不正が疑われている以上、教科書会社側からも聞き取り調査をすべきではないかとの問いかけに対し、回答の中で「教科書の検定申請を行う可能性のある発行者やその著書と文部科学大臣がお会いすることは、教科書検定への政治的、行政的意図の介入であるとの疑念を招きかねないため、望ましいことではなく、お会いする意思はありません」と述べている。
しかし、当方は大臣管轄の役所内で「不正があった」と訴えているのである。文科省の最終責任者である大臣は、一方の、しかも身内の意見のみを聴取していることについて、不公平さを感じないのだろうか。また不正のために不利益を被った可能性のある民間の訴えを聞くことが「教科書検定の政治的、行政的意図の介入」にでも当たると思っているのだろうか。これは責任回避のための、ただの逃げ口上に過ぎない。大臣は自らの責任を果たそうとしていないと言わざるを得ない。

③個々の論点についての回答
 これについても、まさに「ゼロ回答」であった。すなわち、当方が具体例で指摘した検定意見の問題点について、何一つ内容に立ち入ることなく、「いずれも教科用図書検定調査審議会の学術的・専門的審議の結果、欠陥箇所として指摘されたものです。欠陥箇所として指摘した趣旨については担当課にお問い合わせください」と回答した。しかし、当方は「担当課」がおこなった教科書検定に不正があったと疑い、175項目の「反論書」を提出したにもかかわらず、すべて「否」として拒絶されたので大臣に質問したのである。それを考慮せず「担当課」に問い合わせろでは肩透かしである。これは喩えれば、犯罪の被疑者に犯罪の有無を訊けと裁判官が指示しているようなものである。
ただし、その後教科書採択のための住民向けに開催中の教科書展示会で調査を行ったところ、新たに「同一年度の検定で、他社はパス、自由社にだけ欠陥箇所指定」という、動かし難い「不正検定」の事例が続々と見つかっているので、私どもはそれらをまとめて担当課に提出し、回答を求める予定である。

④「従軍慰安婦」に関する記述の回答
これについても、「今回、他社の教科書に『いわゆる従軍慰安婦』との記述があったが、教科用図書検定調査審議会の学術的・専門的な審議の結果、検定意見は付されませんでした」と回答した。「学術的・専門的な審議」の名目で、「従軍慰安婦」の記述の復活にまで一指も触れないとすれば、もはや自虐史観を脱し「我が国の歴史への愛情を育てる」(学習指導要領)教育を実現する「教育再生」への志など全く消えてしまったような、他人事の物言いである。深く失望する。

⑤文科省がまき散らすデマについての回答
 回答には「御指摘のような説明を文部科学省が行ったという報告は聞いておりません」とある。報告は受けていないとは、官僚的な逃げ口上である。こうしておけば、デマを流した事実が発覚しても大臣自身に直接責任は及ばないという保身のための計算である。

⑥公開討論会への教科書調査官出席の是非についての回答
 回答では、「不合格となった図書については、6月中に再申請を行うことが可能であり、公開討論会に文部科学省の職員が出席し、不合格図書の内容について議論することは再申請図書の審査に影響することが考えられることから、出席することは適切ではないと考えております」とされた。自由社が再申請する方針であることを察知して、再申請ののち改めて教科書検定の過程が始まることから、「審査に影響する」というのだが、この議論は根本的に誤っている。
第一に、6月に再申請する教科書の内容と過年度の「不合格図書の内容」とは別のものである。再申請図書の内容は、申請者(教科書会社)と文科省しか知り得ないことであり、過年度の不合格図書の内容について議論することは、何ら「再申請図書の審査」に影響するものではない。この点についての人々の錯覚を利用した詭弁である。
第二に、「過年度の不合格図書」の内容を議論することが再申請図書の検定に影響すると文科省が言うなら、文科省は4月段階ですでに「過年度の不合格図書」に対する検定意見(欠陥表)や「反論書」、他社の「修正表」などを公表したことは誤りであったとしなければならない。文科省自ら、すでに再申請図書の審査に影響する情報を公開していることになるからである。
第三に、文科省によって公開された検定意見等の文書をもとに国民が教科書検定のあり方について議論することは言論の自由であり、これを制限するいかなる権限も文科省にはない。
文科省は自ら行っていることの意味にすら気付かずに、スジの通らない詭弁を弄しているだけである。ただ、文科省の主張は矛盾しているが、裏返せば、審査に支障がない限り教科書調査官が国民の疑問に答える説明責任を果たすことを一般的に否定しているわけではないことが判明した。従って、私どもは再申請図書の検定の終了後に、改めて4人の教科書調査官に公開討論会への出席を申し入れることとする。

萩生田文科大臣は、「日本をとりもどす」ことをスローガンとして政権に復帰した安倍総理大臣の側近とされ、かねてよりその政治信条として「教育再生」を高く掲げておられた。また、真っ当な歴史認識を持った政治家として尊敬され、期待されてきた。教科書改善運動を推進してきた「つくる会」にとっても、その政治家としての理念を政策に反映し、教育から国を立て直していくことが期待される存在であると認識していた。しかし、今回の官僚独裁というべき現状を合理化する回答は、多くの国民の期待を裏切るものであり、残念と言うほかはない。私どもは、いかなる困難があろうとも、よりよい歴史教育の実現を目指して邁進する所存であることを改めて表明する。

(以上)

『新しい歴史教科書』の検定再申請を決定!
新設された制度に基づき6月30日までに
「再申請の持つ意味」について下記声明で説明

<声明>『新しい歴史教科書』検定再申請の決定について


令和2年(2020年)6月3日
新しい歴史教科書をつくる会
会長 高池 勝彦


 新しい歴史教科書をつくる会は、株式会社自由社との協議を経て、5月26日の理事会で、昨年「不正検定」によって不合格とされた『新しい歴史教科書』を新設された制度に基づき、6月30日までに文科省に再申請する方針を決定しました。この方針の意味と、再申請を判断した背景を以下、説明いたします。

 (1)従来の検定制度では、学習指導要領の基準から大きく外れる内容の教科書は別として、検定意見の多寡により不合格が直ちに確定するということはありませんでした。教科書会社が文科省の検定意見に従う限り、文科省はいかなる教科書も不合格にすることはできなかったのです。検定意見が教科書のページ数以上となる場合はいったん不合格と判定されますが、検定意見を参考に教科書を全面的に作り直して70日以内に再申請すれば、年度内に合格して翌年の採択に参加することが可能でした。現に、『新しい歴史教科書』は過去に2度、いったん不合格とされましたが、いずれの場合も再申請して合格し、翌年の採択にも参加しました。

 (2)ところが、2016年3月に文科省の教科用図書検定調査審議会は、上記の「70日以内」という再申請の期間を、検定意見が教科書の総ページ数の1.2倍以上になった場合は「翌年の6月」にするという変更を行ったのです。これが、当会が「一発不合格」制度と命名した制度の内容です。規則上はどこにも「一発不合格」などの文言はなく、再申請も可能なのに、この用語はこの制度のあだ名として広く受け入れられ、メディアでも普通に使われるようになりました。それは再申請期間が翌年度の6月になると、4月から始まる年度の教科書採択に参加出来なくなるからです。教科書会社にとっては教科書は採択されなければ製作に投資した資本が回収できませんから、弱小の出版社なら必然的に倒産せざるを得ないということになります。「一発不合格」処分は死刑宣告のようなものです。

 (3)この制度が過酷なものであることは、文科省自体がよくよく分かっていたことです。その証拠に、この制度を定める際に検定審議会は、「教科書発行者の過度な不利益を回避するため、翌年度に再申請を行い合格した図書については、都道府県教育委員会が調査を行い、市町村教育委員会等が必要に応じて採択替えを行うことができるようにする」という特例を設けました。しかし、これは「絵に描いた餅」に過ぎません。採択替えは4年に一度しか行われない原則は変わらないのですから、例外規定を設けたところで、現実問題として、4年間使う前提でA社と決めた教科書を、再申請で合格したB社の教科書が出て来たからといって、そちらの方に鞍替えする奇特な教育委員会が一つでもあるでしょうか。この例外規定によっても教科書会社の「不利益」は「回避」できません。この例外規定は、劇薬の「一発不合格」制度をカモフラージュするための道具でしかありません。

 (4)では、つくる会は、なぜ、ほとんど採択の見込みのない『新しい歴史教科書』を敢えて再申請するのでしょうか。それは、つくる会の教科書が他の教科書とは異なる特別の役割を持っているという事情があるからです。つくる会の教科書も他の教科書会社と同様に教育委員会等によって採択され、学校で使われることを目指してきました。しかし、その成果は極めて僅かなものに留まっています。採択率は限りなくゼロに近いと言っても過言ではありません。しかし、採択率が小さくてもつくる会の教科書は教科書改善の上で大きな役割を現実に果たして来ました。つくる会の教科書の存在は、他社の教科書の内容に無視できない影響を与えてきたのです。つくる会が始まった当初の教科書を現在の教科書と比べると、その違いは明白です。日本軍の残虐行為を示す毒々しい絵や写真はほぼ一掃されました。従軍慰安婦の記述もなくなりました。さらにつくる会が存在することで、聖徳太子や坂本龍馬を教科書から抹殺しようとする教育行政の動きに歯止めをかけました。象徴的に言えば、「虚構の南京事件を一切書かず、実在した通州事件を書いた」つくる会の教科書が文科省検定済み教科書として存在するだけで、自虐史観克服の大きな土台石になっているのです。

 (5)このように言ってもなお、繰り返し検定意見を批判し、「100項目の反論書」まで出版したつくる会が、いまさら文科省に屈服して検定意見に従うなどとは納得できないという意見や、それでは教科書検定制度の改革など吹っ飛んでしまうのではないかと考える人もいるでしょう。当然の疑問です。再申請すれば、また検定意見が付き、文科省(具体的には教科書調査官)との意見調整を余儀なくされます。しかし、それは、私たちが過年度の「不正検定」を免罪することを意味しません。過年度の検定意見はすでに文科省のホームページで公開されています。だから、これを公然と論じることには何の制約もないのです。再申請によって「検定済み教科書」としての地位を勝ち取ることと、過年度の「不正検定」を追及することとは、両方同時に並行して行うことが可能な課題なのです。

 (6)さらに具体的に再申請のやり方を考えてみましょう。一つの思考実験として、仁徳天皇が「古墳に祀られている」が欠陥箇所とされ、「葬られている」が正しいとされた教科書調査官の検定意見を再申請ではどのようにするか、という例を挙げてみます。この論争では自由社側が圧倒的に勝っています。しかし、再申請においては、二つの表現とは別の系統の表現を工夫して対立を無くすことができます。例えば、「仁徳天皇 世界一の古墳で知られる」と書けば、これに検定意見を付けることはもはや出来なくなります。この点で一歩下がる不利益よりも、教科書全体を検定に合格させることの利益のほうがまさります。ここで肝心なことは、再申請でこのように第三の表現をとったからといって、昨年度の検定で、「葬られている」が正しいとする誤った検定を行った罪が免罪されることは決してないということです。すでに起こった「不正検定」の責任はどこまでも追及しなければなりません。そのための場として、つくる会は当面、①文科大臣への公開質問状、②教科書調査官との公開論争、③『教科書抹殺』での「反論100件」のジャッジを行う「国民検定」、の3つのイベントを提起しています。昨年度の検定は時間が経つと過去の出来事になってしまいかねませんが、再申請すれは再び現在進行形の問題として捉えられるという点でも、再申請は「不正検定」の追及に有利な状況をもたらすでしょう。

 (7)念のため改めて言いますが、「一発不合格」制度は、一切の修正ができず、年度内再申請の道も断たれるという、非情で残酷な制度です。しかも、この制度を使ってつくる会の歴史教科書をなきものにするために、教科書調査官は無理に無理を重ねて、驚くべき不当・不正な検定意見を積み上げ、「欠陥箇所」に仕立て上げたのです。もし、修正の機会が与えられていれば、従来もそうしてきたように、私たちは上記の仁徳天皇の例に見られるような工夫をして検定に合格することを優先させたでしょう。私たちが雑誌「正論」編集部のつくる会批判論文に対し抗議声明まで出したのは、修正も再申請も許さないという「一発不合格」制度の凶暴な本質を全く理解しない無知の上に立って、文科官僚のふりまくデマそのままに、つくる会の「頑なさ」を今回の事件の原因であるかのように描き出す、的外れで不当な批判をしたからです。しかも、雑誌を読んでその謬論に惑わされる読者が必ず一定数いることを放置できなかったからです。

 (8)つくる会が推進してきた歴史・公民教科書は、他社の教科書とは一線を画した、今の日本に存在しなければならない教科書です。一方でこの「存在感」を面白く思わない勢力は国内外、そして文科省内にも間違いなく存在します。それが故に、特定の陣営からは常に「戦争賛美」だとか「右翼」だとかのレッテルを張られ、敵視されてきました。文科省の検定においても、毎回「生徒が誤解するおそれのある表現である」という条項を悪用して、奇妙な検定意見を多数付けられてきました。採択現場でも「採択するとやっかいにまきこまれる」という「事なかれ主義」によって採択が妨げられてきました。今回の「一発不合格」処分は、つくる会に対する反対勢力の宿願を果たしたものです。だからこそ、再申請によって『新しい歴史教科書』が「文科省検定済み教科書」の地位を獲得し、日本政府が公認した正規の教科書でありつづけることに大きな意義があるのです。これらの勢力は恐らく今回の「一発不合格」によって、つくる会の息の根を止めたと思っているでしょう。目の上のたんこぶであった教科書を葬り去ることで、各社教科書の記述の自虐度を再び高めることができると内心喜んでいることでしょう。そういう状況になるのを阻止するためにも、私たちは歴史教科書を出し続けます。つくる会の歴史教科書の復活は間違いなく彼らの目論見を大きく後退させ、その結果、日本の教科書を改善することに寄与するでしょう。

 以上、長くなりましたが、最も大切な原点は、「文科省検定済み教科書」としての『新しい歴史教科書』の火を消してはならないということです。このことは、文科省「不正検定」を正す会の意見広告に篤い支持を寄せて下さった皆様の強い希望でもあると確信しています。

 今回の「検定不合格」というつくる会にとっての大ピンチは、逆に文科省を追い詰め、検定制度を改革する千載一遇のチャンスでもあります。今回の再申請は、さらに反対勢力を追い詰める結果になるでしょう。会員、支援者の皆様におかれましては、このような検定再申請の意義について、どうかご理解を賜り、各種活動へのご参加と変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げる次第です。

(以上)

月刊誌『正論』令和2年6月号に掲載された「正論編集部」論文への抗議声明

 新しい歴史教科書をつくる会は、本日5月1日発売の月刊誌『正論』に掲載された、文科省不正検定問題の論文について、内容が事実と異なり、また著しく偏っているとして下記の緊急抗議声明を発信しました。
 これまで月刊誌『正論』はその名前のごとく、わが国を正しい方向に導くべく、その指針となるべき多くの論文を掲載してまいりました。またこれまで当会の教科書改善運動に対しても大きな理解をいただき、まさに共に闘ってきた戦友とも言える発信媒体でした。それだけに、今回のまさに背後から撃たれたような、文科省の代弁者かとも思われる「つくる会」批判には驚きを禁じえません。極めて残念の一言です。
 当会としては、この度の愚挙の背後に何があるのかの真相も含め、この論文を絶対に看過するわけにはいきません。
 会員、支援者の皆様には、『正論』の当会批判について、極めて不当であることをご認識いただき、ともに強く抗議いただきますよう、お願い申し上げます。

   声明<月刊誌『正論』令和2年6月号に掲載された「正論編集部」論文への抗議声明>
                                                           令和2年5月1日
                                          一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会

 本日発売の月刊誌『正論』令和2年6月号(産経新聞社発行)に、「正論編集部」名で執筆された論文「『つくる会』教科書不合格 文科省批判と再検定要求の前に」が掲載されました。この論文は、「一発不合格」制度に対する初歩的な知識すら持たないままに書かれた誤りだらけのもので、事実誤認に基づく「つくる会」への批判となっており、強く抗議します。

 周知のとおり、本年3月に検定合格予定であった、当会が推進する『新しい歴史教科書』(自由社発行)は、検定が始まる3年前に導入された「一発不合格」制度によって、昨年12月に不合格が確定しました。当会はこの検定が、教科書調査官を中心とした文科省関係者による「不正検定」であると主張し、国民の皆様に訴えてきました。

 ところがこの論文は、今回の検定に不正などは無く、当会が文科省の意図を忖度しない頑なな態度をとったから不合格になったのであるとする主張を展開しています。また当会は、「教育再生」を掲げた安倍政権が誕生し、これで教育の正常化が進展するものと期待しましたが、今回の検定は「従軍慰安婦」の復活や南京事件の扱いなどで、その流れを逆転させる「自虐史観」の復活であるとも主張してきました。この論文は、当会のそうした主張をも否定する内容となっています。

 さらにこの論文では、当会が検定意見の不当性としてあげた論点を逐一反論しつつ、文科省の主張が正しいとしたり、それほど不当ではないとしたりしつつ、当会が文科省の指摘に従えばよかったと思わせる主張をしています。これは明らかな事実誤認です。

 そもそも、文科省の指摘に従うといっても、「一発不合格」ですから、執筆者側には一切の修正も再申請も認められていないのです。だからこその「一発」不合格なのです。昨年の11月5日に、405ヶ所の「欠陥個所」をいきなり突きつけられ、そのうちの175箇所について反論したにもかかわらず、ただの1箇所も認めずに拒否され、不合格が確定したのです。だからこの論文が、「修正すれば、文科省のいう記述の正確さも、本質を見失うことも回避できたのではないだろうか」(193頁)などということは一切成り立たない制度なのです。

 検定制度の目的は、子供たちにより良い教科書を届けることにあるはずです。特定の教科書を落とすことが目的ではなく、それぞれ合格させることが目的であるはずです。こうした検定制度の趣旨に照らして、「一発不合格」制度は廃止すべきであると当会は訴えています。しかし、この論文は、「不正検定」の存在を否定し、「一発不合格」制度を擁護する、当会の立場とは対極の見地に立ってものを見ています。

 この論文は『正論』誌の公式見解であるという体裁になっています。そうだとすれば、悪質な「一発不合格」制度に対する無知をさらけだして「不正検定」を美化したこの論文の罪は、ますます重大です。なぜ一つの雑誌の公式見解などという形でこのような論文を発表する必要があったのでしょうか。極めて不可解です。何か他の思惑があるのかとの疑惑を生じさせるに十分なものがあります。

 「つくる会」は、この誤りだらけの論文の掲載について雑誌『正論』に強く抗議し、今後その謬論に徹底的に反論することを通して教科書検定制度の正しいあり方を追求していくことを国民の前に宣言します。

令和2年5月1日更新


習近平国家主席の国賓来日に反対する声明を発表


新しい歴史教科書をつくる会は、12月17日、来春に予定されている中国・習近平国家主席の国賓待遇での招待について、下記の反対声明を発表しました。
国民の皆様には、ご理解のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

           声明<中国・習近平国家主席の国賓来日に断固反対する>



                                                           令和元年12月17日
                                            一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会


安倍晋三首相は、令和二年春、中国・習近平国家主席を国賓待遇で招待することを発表しました。「新しい歴史教科書をつくる会」は、この度の日本政府の決定に断固反対し、直ちに取り消すことを強く要請いたします。

現在、中国政府は、わが同胞の無辜の日本国民を十数名、スパイ容疑をかけて不当に拘束しています。これは北朝鮮同様の日本人拉致事件にほかなりません。そして、わが国の領土である尖閣列島に対する中国公船の侵犯行為は後を絶たず、今現在も日本国の国家主権は侵害されているのです。

中国政府は、ウイグル(東トルキスタン)、チベット、南モンゴル(内モンゴル)など各民族の自決権を踏みにじり、特にウイグルでは全土を収容所化するほどの民族浄化政策を展開しています。国際的な人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチの発表やアメリカのベンス副大統領の発言などでも指摘されているように、ウイグル人は百万人以上が収容所に送り込まれている可能性があります。さらに今年の夏以降は、香港の民主化運動への抑圧を強めています。ヒトラーやスターリンに比すべき独裁者習近平を国賓待遇で招待することは、これらの暴挙を日本国が是認することになりかねません。

また、中国政府は現在も、「南京事件」をはじめとする様々な歴史問題に対し、実証性のない日本への批判や非難を繰り返しています。日本国民が残虐な虐殺や侵略を行ったという一方的な反日史観を国際社会に向けて発信し、日本の歴史を貶め、政府関係者の靖国神社参拝にも非礼な内政干渉を行う習近平を国賓として招待することは、中国政府の日本国への主権侵害と反日史観を追認することになりかねません。

さらに重大なことは、習近平が国賓として来日した場合、天皇陛下と謁見するとみられることです。このような暴挙を続ける独裁者が天皇陛下と同席することを、私たちは日本国民として許すことはできません。

我が国の同盟国であるアメリカが厳しい対中政策をとっており、また、ヨーロッパ諸国も中国に対して警戒姿勢を示している現在、今回の日本の対応は、世界に誤ったメッセージを与えることになりかねません。

幸い、与党自由民主党の議員の間に、「日本の尊厳と国益を護る会」(護る会)が結成され、習近平の国賓待遇での招待に抗議の声が挙がりました。護る会のメンバーの方々に敬意を表するとともに、全面的に賛同いたします。そして私たちは安倍首相に、このような良心の声に耳を傾けることを強く求めます。

私たちは日本国の主権を守り、祖国の歴史に汚点を残さぬためにも、また、自由と民主主義、民族自決権の価値観を守るためにも、習近平国賓招待の取り消しを求め、今後取り組みを行ってまいります。

国民の皆様には、本声明の趣旨につきご理解の上、ご賛同いただきますよう、お願いいたします。

令和元年12月17日更新


令和元年度定時社員総会を開催
教科書完成報告と、来夏の採択戦に向けて組織の結束を確認


新しい歴史教科書をつくる会は、5月19日、東京・ホテル機山館において、令和元年度定時社員総会を開催いたしました。

総会は全国より59名の法人会員、賛助会員、大黒柱会員、正会員が出席しました。まず冒頭に国歌君が代の斉唱を行い、越後俊太郎事務局長より総会成立宣言を行いました。次いで事務局の平田由香氏が設立趣意書を朗読しました。
開会の挨拶に立った髙池勝彦会長は、教科書の完成報告とともに、ご支援いただいている会員の皆様への感謝を述べました。その後、国会議員・地方議員の先生方よりいただいた祝電が披露されました。

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議長には河添恵子理事が選出され、議事がスタート。第1号議案「平成30年度事業報告」をまず石原隆夫副会長が行いました。次いで「教科書完成報告」として、歴史は藤岡信勝副会長が、また公民は皿木喜久副会長が、新たに完成した教科書の特長についてそれぞれ説明しました。続けて平成30年度決算について越後事務局長、監査報告を尾崎幸廣監事から行いました。
第2号議案では、「令和元年度事業計画(案)」を皿木喜久副会長が提案。次いで、杉原誠四郎顧問より「提言・来年の採択に向けて」がなされました。令和元年度予算(案)は越後事務局長より提案されました。

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第3号議案「役員選任の件」は髙池会長より提案。新理事として、海上知明(NPO法人孫子経営塾理事)、倉山満(憲政史研究家)の2氏と、本総会で退任される保科直美監事の後任として、松本淳一郎氏(NPO法人日本児童文化教育研究所理事)の選任が提案されました。
第4号議案「国民へのアピール(案)」(下記参照)を清原弘行事務局次長が朗読し、大きな拍手をもって承認されました。
総会は、各議案で質疑応答が行われ、出席者との活発な意見交換の後、全議案が提案通り承認され議事が終了しました。
最後に岡野俊昭副会長が参加会員の皆様に、議事進行への協力に感謝しつつ今後のお力添えをお願いし、閉会となりました。

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会場を変え17時10分に高池会長の挨拶でスタートした「懇親の集い」には、ご招待を含む60名の皆様にご参加いただきました。ご参集の多くの皆様から、来年の採択戦へ向けた力強い励ましのお言葉や、各分野での活動の報告などをいただき、とても賑やかな雰囲気の中、藤岡副会長の謝辞と茂木弘道氏の三本締めで盛会裡に終了しました。

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なお、本総会における議案詳細については、『史』7月号に掲載予定です。
また、祝電等をいただいた国会議員・地方議員の先生方、ならびに「懇親の集い」で祝辞・ご挨拶を賜った皆様は次の通りです。改めて心より御礼申し上げます。

<祝電>宮川のり子衆議院議員、有村治子参議院議員、山谷えり子参議院議員、田沼隆志千葉県議会議員
<祝辞・挨拶>杉田水脈(理事・衆議院議員)、中田宏(元横浜市長)、宮崎正弘(ジャーナリスト)、田母神俊雄(第29代航空幕僚長)、山田宏(参議院議員)、海上知明(新理事・NPO法人孫子経営塾理事)、倉山満(新理事・憲政史研究家)、松本淳一郎(新監事・NPO法人日本児童文化教育研究所理事)、佐波優子(ジャーナリスト)、高橋史朗(明星大学教授)、服部剛(公立中学教諭)、松浦明博(帝京科学大学特命教授)、黄文雄(評論家)、鈴木信行(葛飾区議会議員)、松浦芳子(前杉並区議会議員)、河添恵子(理事・ノンフィクション作家)、赤尾由美(理事・アカオアルミ株式会社代表取締役会長)、澤井直明(三多摩支部長)、家村和幸(日本兵法研究会会長)、金子宗徳(日本国体学会理事)、山下英次(理事・大阪市立大学名誉教授)、若松博(千葉県支部幹事)、茂木弘道(史実を世界に発信する会会長代行)   
<花輪>日本文化チャンネル桜 水島総            (祝辞は発言順・敬称略)


<国民へのアピール>

新しい時代が始まりました。

御譲位による御代替わりは光格天皇以来約200年ぶりのこととなり、多くの国民が国を挙げて、この度の新しい天皇陛下の御即位をお祝いしました。

戦後70年余り、世界情勢がめまぐるしく変動し、国内外で様々な価値観が生まれ多様化していく中においても、国民の皇室に対する敬愛の念は揺らぐどころか、さらに大きくなりました。これは間違いなく、かの大東亜戦争の敗戦の責任を一身に背負い、戦後復興と国民の安寧を願われた昭和天皇と、「象徴」としてのあるべき姿を模索し続け、常に国民に寄り添われた上皇陛下、そしてそれを引き継がれる天皇陛下の御徳によるものに他なりません。

今回の御代替わりは、日本人にとって、大人は勿論、小さな子供たちまでもが、皇室の貴さ、そして日本の素晴らしさやその長い歴史の重みを、無自覚のうちに自らの文化的DNAにしっかり刻み込んだ、大変重要な機会となったのではないかと感じます。

私どもの「日本の誇りを取り戻す」教科書改善運動は、今年で23年目となりました。戦後の日本に長く蔓延した自虐史観の払拭と、正しい歴史認識を通じての子供たちの健全育成を願い、これまで歴史教科書・公民教科書の普及をはじめとした、様々な取り組みを行ってまいりました。全国中学校の『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』の現在の採択率が示すように、まだまだ、私どもの活動は道半ばではあります。しかし、多くの日本人が目覚めるきっかけとなり得る今回の御代替わりは、今後の私どもの活動にとって大きな希望となるのではないでしょうか。

既報のとおり、今年の4月には、令和三年度より使用開始の中学校用教科書『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』を文部科学省の検定に提出しました。今回の教科書制作においては、2年以上の時間をかけて内部検討を進めました。その結果、①「設立趣意書」の精神をしっかりふまえつつ、さらなる内容の充実化をはかり、②検定意見の数を増やす要因となる表記などの単純ミスを防ぎ、③現場の教員や子供達に受け入れやすい工夫をこらす、という三つの課題をクリアすることが出来ました。間違いなく、採択戦を「戦える教科書」が完成したことをご報告いたします。

残すは来夏の採択戦となります。今回こそ、私どもが長らく訴え続けてきた真の歴史、また日本人としての誇りやあるべき普遍的な価値観などが社会に広く理解、支持され、多くの中学校で教科書が採択されるよう、全国支部・会員の皆様とともにさらに取り組みを行ってまいります。

皆様におかれましては、私どもの教科書改善の使命について何卒ご理解いただき、なお一層の篤きご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

令和元年5月19日     
                            一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会
                                     令和元年度定時社員総会

令和元年5月21日更新


「検定意見」の取り消しを求める意見書を提出
小学校社会の教科書検定で北海道以北を「領土外」扱い
文部科学大臣に1カ月以内の回答を要望


 新しい歴史教科書をつくる会は、4月に発表された小学校社会の検定結果の公表を受け、その検定に重大な瑕疵があるとして、5月10日、該当する「検定意見」の取り消しを求めた意見書を文部科学大臣に提出しました。また、1カ月以内に本件の回答を求めました。その後、文科省記者クラブで記者会見を行いました。
申し入れならびに会見には、高池勝彦会長と石原隆夫、岡野俊昭、皿木喜久、藤岡信勝の4副会長、越後俊太郎事務局長が出席して行われました。
今回の検定意見は、学習指導要領に反するばかりか、日本の領土問題にも今後、深刻な影響を与えかねません。当会は今後の文科省の対応を引き続き注視していきます。
文部科学大臣に提出した意見書は以下の通りです。


    小学校社会の教科書検定で北海道以北を「領土外」扱いした検定意見の取り消しを求めます



文部科学大臣 柴山昌彦殿

                                       令和元年5月10日
                                   新しい歴史教科書をつくる会
                                         会長 髙池勝彦

 日頃の文部科学行政へのご尽力に感謝の意を表します。
 さて、去る3月下旬、令和2年度以降に使用される小学校教科書の検定結果が公表されました。この検定につきまして、私どもは重大な瑕疵があったと考えますので、以下のとおり問題の所在を明らかにした当会の見解を表明させていただきます。

(1)検定に提出したA社の6年生社会の教科書で、江戸時代初期の対外貿易を示す図として日本列島全体を赤く塗った地図を掲載しました。これは日本の領土を示したというより、東アジア全域に広がる地図のなかで、単に日本の位置を際立たせて見やすくするために赤色に塗ったものであると推定される図です。
 ところが、これについて、「北海道、千島、樺太(からふと)の塗色で、児童が誤解する恐れのある図」であるとの検定意見が付けられました。そのため、A社は北海道・北方領土の赤塗りを全て消し、白地に修正して検定に合格しました。検定合格した地図を見ると、赤い部分には日本と書かれ、他方、北海道は白地ですから、小学生が江戸時代には北海道全域が日本ではなかったと「誤解」するものになっています。
 4月16日、柴山昌彦文部科学大臣は記者会見で、この検定意見にふれ、「地図は現在の日本の領土を示すものではなく、江戸時代初期の江戸幕府の支配領域をあらわしたもの」であると釈明されました。これによって大臣は、江戸時代には北海道全域は日本の支配下になかった、つまり日本ではなかったと述べたことになります。

(2)ところが、北海道庁作成のパンフレットは、「北海道及び赤れんが庁舎のあゆみ」と題して次のような年表を掲載しています。
 <659 斉明4年 阿部比羅夫、蝦夷遠征、翌年後方羊蹄(しりべし)に郡領を置く。
  1205 元久2  津軽の安東氏、蝦夷の代官となる。
  1514 永正11  蠣崎氏(のちの松前氏)、安東氏より蝦夷を預かる。
  1593 文禄2  蠣崎氏、豊臣秀吉より蝦夷の支配者として公認される。
  (以下、略)>
 北海道庁によれば、すでに7世紀から日本国家の支配が北海道に及んでいたことになります。
 次に、内閣府のホームページを開いてみますと、「日本人による開拓の歴史」と題するパートに次のように書かれています。
 <1635年(寛永12年)、北海道を支配していた松前藩は、北海道全島及び千島、樺太を含む蝦夷(えぞ)地方の調査を行いました。1644年(正保元年)の幕命により諸藩から提出された国絵図に基づいて、幕府が作成した日本総図(いわゆる「正保御国絵図」)には、「くなしり、えとろほ、うるふ」などの島名がはっきり記載されています。>
 内閣府のホームページは日本国家の立場を表明したものですが、第1に、幕府に臣従していた松前藩は江戸時代初期には北海道を支配していたこと、第2に、国後、択捉についても領有のための第一歩となる調査を1635年にすでに行っていたこと、の2点において、北海道全域を江戸幕府の支配領域ではなかったという認識を前提にした柴山文科大臣の説明とは鋭く矛盾するものです。
 内閣府のホームページに表現された日本国家の立場からすれば、少なくとも北海道のところは赤く塗らなければなりません。北海道全域の地図を、赤から白へと塗り替えさせた検定意見は、まさしく、「北海道以北を『領土外』扱い」(産経新聞4月14日)した不当な検定意見と言わざるを得ません。

(3)小学校学習指導要領・社会の第5学年「内容の取扱い(1)」には次のように書かれています。
 <「領土の範囲」については,竹島や北方領土,尖閣諸島が我が国の固有の領土であることに触れること>
 ここに書かれているとおり、北方領土は早くから日本人が足を踏み入れていた「わが国固有の領土」なのです。北方領土どころか北海道全域をも白地に書きかえさせた今回の検定意見は、この学習指導要領の趣旨にも明確に反しています。

(4)柴山文科大臣は先の会見で、「検定審議会の学術的専門的審議の結果に大臣としてコメントすべきでない」と言われました。検定審議会の決定をみだりに批判することを差し控える態度は間違っているとは考えませんが、今回のように十分な根拠があり、誰の眼から見ても検定意見に明らかな誤りの疑いがある時は、所轄大臣としてはその誤りを認めるか、少なくとも「調査させる」などとして、判断を保留するのが国民に対して真に責任のある態度ではないでしょうか。
教科書調査官の職務が過酷と言えるほどの激務であることを私たちは文科省の検定を受けたわずかな経験からもよく存じております。完全な人間はいないのですから、教科書調査官といえども時にはうっかりミスをされることもあるでしょう。それを率直に認めることが、真に開かれた文部行政の姿であり、国民に対し責任を負う立場であると考えます。
 残念なことに、柴山文科大臣は先の会見で、内閣府の記述と文科省の検定意見は「矛盾しない」と根拠なく強弁しつつも、「あとは教師の(児童に誤解させないような-引用者)指導で対処すればよい」という趣旨の発言をされています。この発言は裏返して言えば、教師の指導がなければ子どもは誤解する教科書となっていることを認めた発言といえます。柴山大臣は今度の検定意見が本当は誤りであることをよく認識しておられるのではないかと推察されます。

(5)以上のことから、柴山文科大臣におかれましては、速やかに上記の検定意見を撤回するか、少なくとも調査を指示すべきです。そして、最終的には検定意見を撤回し、採択のための見本本の段階で、日本全土を赤地とするもとの地図に戻す措置を執るべきです。もし、大臣が「学術的専門的審議」という言葉を隠れ蓑に民間からの指摘を握りつぶす態度に出るならば、何のために大臣がおられるのか分からなくなります。ことは領土問題という、国家の根本に関わる大問題です。文科省の態度によっては広範な国民の怒りを買うことは十分に予想されます。状況をよく考察され、賢明なる対処を切に要望いたします。また、本件につき、1カ月以内(6月10日まで)の回答を求めます。大臣におかれましては公務ご多忙のところ、誠に恐れ入りますが、ご対応の程、何卒よろしくお願い申し上げます。                  以上

令和元年5月13日更新


奉祝 天皇陛下御即位

令和改元にあたっての声明


                                       令和元年5月1日 

                                     新しい歴史教科書をつくる会


本日、皇太子徳仁親王殿下が第126代の天皇として即位されました。謹んでお祝い申し上げ、令和の御代がわが国の一層の発展と、国民生活のさらなる向上の時代となりますよう、衷心よりお祈り申し上げます。

上皇上皇后両陛下におかれましては、30年にわたって私たち国民に寄り添われ、天皇皇后としての大切なお務めを果たしてこられました。改めて心から感謝申し上げ、今後の末長いご健康とご長寿をお祈り申し上げます。

国書『万葉集』を典拠とする令和が元号に選ばれ、多くの国民に好意的に受け止められていることは、国際化・グローバル化が一層進むことも予想される今の時代に、国民がその流れに抗して日本人のアイデンティティーを自国の長い歴史に求めようとする内心の動きを反映しています。実際、令和改元の意味をたずねることは日本文化の柔軟性と独自性を知る手がかりとなるのです。

すでにご報告したとおり、当会は令和3年度より使用する教科書として、4月10日に公民教科書、4月17日に歴史教科書を文部科学省に検定用として提出しました。この2種類の教科書は、当会の会員および関係者の多大なご尽力をいただき、つくる会史上最高の教科書として完成したものです。

つくる会の歴史・公民教科書は、平成最後の年に完成し令和最初の年に検定を受けるという意味で、平成と令和をつなぐものであり、中学生が日本の歴史と文化を学ぶ教材となるものです。それらの教科書は、わが国の歴史と文化の特色を学ぼうとする国民の期待にも応えることのできる最良の教科書となっていると自負しております。

当会は、これらの教科書を令和の時代を担う子供たちに1人でも多く届けるべく、一層力強く活動を進めて参ります。この事業に、皆さまのご参加、ご協力をお願い申し上げます。

令和元年5月1日更新


文部科学省の教科書検定への申請が完了
「つくる会」史上、最高の歴史・公民教科書が完成


新しい歴史教科書をつくる会は、令和3年4月より使用開始の、歴史・公民教科書について、その制作を終え、4月10日に公民教科書を、17日に歴史教科書を無事、文部科学省の検定に提出いたしました。

内容については検定中となり、現状では具体的に説明することはできませんが、約2年半もの期間をかけて検討され、制作されたこの度の教科書は、間違いなく「つくる会」史上最高のものとなったことをご報告いたします。この間、執筆いただいた諸先生方をはじめ、デザイナー、また編集や校正作業などにご協力をいただいた全関係者の皆様に深く御礼申し上げます。

また、この度の教科書制作を完遂できたのも、ひとえに会員や支援者の皆様からの長きにわたる篤いご支援があったからこそです。改めて衷心より御礼申し上げますとともに、来夏の採択戦に向けて、なお一層のお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。

なお、検定結果は来年4月初旬に発表となる予定です。

4月末に皆様のお手元に届く予定の会報誌『史』5月号において、歴史、公民の各代表執筆者より完成報告の寄稿をいただいておりますので、ぜひご覧ください。

平成31年4月17日更新


平成30年度定時社員総会を開催
2年後の採択戦へ向け一致団結して取り組むことを確認!



新しい歴史教科書をつくる会は、5月12日、東京・文京シビック小ホール会議室において、平成30年度定時社員総会を開催いたしました。

総会には全国より70名の正会員が出席しました。冒頭に国歌君が代の斉唱を行い、越後俊太郎事務局長より総会成立宣言を行いました。次いで事務局の平田由香氏が設立趣意書を朗読しました。
開会の挨拶に立った高池勝彦会長は、会員の皆様へこれまでの活動への感謝を述べました。続いて国会議員よりいただいた祝電が披露されました。


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議長には諸橋茂一理事が選出され、議事がスタートしました。

第1号議案「平成29年度事業報告」を石原隆夫副会長が行い、補足説明として「女子部初年度活動報告」を河添恵子理事・女子部共同代表が行いました。続いて補足説明②「皇位継承に関する本部見解について」を越後事務局長が行いました。平成29年度決算についても越後事務局長、また監査は尾崎幸廣監事から報告がありました。


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第2号議案では、「平成30年度事業計画(案)」を皿木喜久副会長が提案。補足説明として藤岡信勝副会長より教科書制作状況などについての発言がありました。小山常実理事・公民代表執筆者はこの総会を体調不良で欠席しましたが、教科書制作への決意表明を寄せ、議長が代読しました。平成30年度予算(案)は越後事務局長より提案されました。


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第3号議案「役員選任の件」は高池会長より提案。任期満了で退任された駒田強氏を除く全理事の再任と、山下英次氏(大阪市立大学名誉教授)の新任が提案され賛成多数で承認されました。その後、新理事から就任の挨拶がありました。

第4号議案「国民へのアピール(案)」を赤尾由美理事が朗読し、大きな拍手をもって承認されました。

総会は、全議案を提案通り承認し議事が終了しました。
最後に岡野俊昭副会長が参加会員の皆様に、議事進行への協力への感謝と今後のお力添えをお願いし、閉会となりました。


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 会場を変え17時15分にスタートした「懇親の集い」には、ご招待を含む80名の皆様にご参加いただきました。ご参集の多くの皆様から、「つくる会」運動へのエールをはじめ、各分野での力強い活動の報告などをいただき、とても賑やかな雰囲気の中、藤岡副会長の謝辞と諸橋理事の三本締めで盛会裡に終了しました。



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また、祝電をいただいた国会議員の先生方、ならびに「懇親の集い」でご祝辞等を賜った皆様は次の通りです。改めて心より御礼申し上げます。

<祝電>義家弘介衆議院議員、稲田朋美衆議院議員、山谷えり子参議院議員
<祝辞等>菅家一比古(一般社団法人美し国代表)、利光國夫(小田急電鉄株式会社元顧問)、西村眞悟(元衆議院議員)、茂木七左衛門(独立行政法人日本芸術文化振興会理事長)、宮脇淳子(東洋史家)、倉山満(憲政史家)、海上知明(日本経済大学教授)、鈴木信行(葛飾区議会議員)、堀内明日香(元タカラジェンヌ)、金子宗徳(明治の日推進協議会企画委員)、新良薫(山田宏公設第1秘書)、田沼隆志(元衆議院議員)、伊藤隆広(元山田宏秘書)、土屋敬之(元都議会議員)、濱田浩一郎(歴史学者)、服部剛(公立中学教諭)、松浦明博(帝京科学大学特命教授)、家村和幸(日本兵法研究会会長)、茂木弘道(史実を世界に発信する会会長代行)  <敬称略>



皇位継承に関する本部見解について

本年に入り、複数の支部より皇位継承に関連する質問が本部に出されたことを受け、理事会で数度の審議を重ねました。そして当該支部へ回答の上、本総会において以下の見解を発表しました。会員の皆様には何卒、ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

 本部としては、安倍総理の「男系継承が古来より今日まで維持されてきた」という認識を共有し、今後もそれが尊重され、継続されることを願います。ただし、本見解は会員個々人に対し同意を要求したり思想や活動を制限したりするものではありません。
 つくる会は教科書に書かれた自虐史観などの歴史問題について共通の認識を持つ人々が、「教科書改善」を課題として結集した組織です。その一点において志を共にし、今後も本部と支部と一致団結取り組んでいただきますよう切にお願いいたします。
                                   平成30年4月25日
                                   新しい歴史教科書をつくる会
                                         会長 高池勝彦



<国民へのアピール>

「男の子は男らしく、女の子は女らしく」。一昔前までは社会で当たり前に言われていたことですが、今ではこれは性差別を助長する発言のようです。また今年に入り、ある政令指定都市では、職員や教職員向けに「お父さん、お母さん、夫、妻」を使用しないという驚くべき指針を策定しました。これも差別に当たるといいます。一昨年には、在日外国人に対する「ヘイトスピーチ規制法」制定を巡っての混乱もありました。大方のテレビや新聞は表面のみを取り繕い、安易な「言葉狩り」に共鳴し、タブーを直視しません。事実や正しいこと、社会通念上当たり前のことを堂々と発言できない、この息苦しく異様な「言語空間」は、留まることを知らずに日本社会に広がりを見せています。

本当にこれでよいのでしょうか。

日本は古来より、日本民族固有の精神や価値観をベースにしながら、外からの文化・文明を吸収し、さらに独自のものとして発展させてきました。その結果、日本は歴史上、常に独立を維持し、近代においてもアジアの中で唯一、欧米列強と対等に渡り合えるだけの力を持つことができました。欧米はこの原動力たる「日本精神」を称賛し、また恐れました。大東亜戦争敗戦後に目覚ましい復興を成し得たこと、また今の豊かな暮らしがあるのも、日本民族固有の精神を当時の日本人自身が失わずにいたからに他なりません。

「多文化共生」「多様な価値観を受け入れる」などもとても耳触りのよい言葉です。しかし、これを無批判に受け入れたその延長線上にあるのが、冒頭のような現象ではないでしょうか。これは古来の日本の伝統文化や価値観の破壊に他ならず、ひいては日本国民の独自性を失わせ、国力の衰退に繋がることは明らかでしょう。

私どもの教科書改善運動は、「歴史の真実の追求」であり、「日本の伝統文化や価値観の伝承」です。教科書を通じて、日本そして世界が、平和で豊かになるよう、それに寄与する日本人を育てることが重要な使命です。しかしその一方で、「つくる会」運動に逆行するような動きが生じています。「学び舎」教科書の出現や、一部の歴史学者の主導による歴史用語削減案などにそれが見られます。これらの動きこそ日本人の精神を破壊に導くものに他なりません。私どもはこれらの勢力や、今の歪んだ「言語空間」などに臆することなく、今後もあるべき歴史教科書と公民教科書をつくり、世に強く訴えていきます。

来春には文科省検定が、そしてその翌年にはいよいよ採択戦が控えています。目下、歴史、公民の教科書制作が自由社、本部役員そして会員・支援者の皆様のお力添えのもとに進められています。

私どもは本日、平成最後となる「つくる会」定時社員総会を開催し、今回こそ、「つくる会」の『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』が多くの中学生の手に渡るよう、採択戦に向けて一丸となって取り組むことを確認しました。

皆様におかれては、私どもの教科書改善の使命について何卒ご理解いただき、なお一層の篤きご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


平成三十年五月十二日     
                           一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会
                                   平成三十年度定時社員総会

平成30年5月15日更新


<訃報>西部邁氏 逝去

当会の元理事で評論家の西部邁先生が、1月21日、逝去されました。

西部先生は保守の論客として雑誌・テレビなどで幅広く言論活動を展開され、国民世論における保守思想の啓蒙と定着に大きく貢献されました。

当会には発足時より参画いただき、初版の『新しい公民教科書』の代表執筆者として、会にとっても日本国にとっても財産と言える質の高い教科書を生みだしていただきました。

生前のご厚情に深く感謝するとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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平成30年1月22日更新


第48回衆議院議員総選挙について

新しい歴史教科書をつくる会は平成29年10月10日公示、22日投開票の第48回衆議院議員総選挙において下記3名の候補者を最適任候補者と認め推薦いたします。

高市早苗(自民党・小選挙区奈良県第2区)

赤尾由美(日本のこころ・比例代表東京ブロック)※つくる会理事

杉田水脈(自民党・比例代表中国ブロック)※つくる会理事

会員・支援者の皆さまにおかれましては教科書改善運動一層の推進のためにも推薦候補当選にお力添えをいただきますようお願い申し上げます。

※なお、高市早苗候補につきましては自由民主党奈良県第二選挙区支部からの依頼に基づき推薦させていただきましたことを付記いたします。


平成29年10月12日更新


<緊急・締め切りは7月25日>
「教科書検定規基準改正案」への
パブリックコメントをお願いします!

文科省は今年4月に、教科書編集のガイドラインとなる「学習指導要領」を改訂しましたが、教科書検定にあたってより具体的な判断基準となるのが「教科書検定基準」です。この中に、例えば、今もいわゆる「近隣諸国条項」が含まれていることはご存知の通りです。

今年の5月23日に、教科用図書検定調査審議会の「教科書の改善について(報告)」が公表されました。それに基づいて6月26日、文科省は新たな「教科書検定基準(案)」を発表し、それについてのパブリックコメントを求めています。

今回の改訂では、「社会科固有の基準」に新たな項目がおこされ、検定基準の項目が一つ増えました。その文言は次の通りです。

【2.図書の内容全体を通じて、多様な見解のある社会的事象の取り上げ方に不適切なところはなく、考えが深まるよう様々な見解を提示するなど児童又は生徒が当該事象について多面的・多角的に考えられるよう適切な配慮がされていること。】(傍線は引用者)

この項目について、つくる会本部として検討した結果、次の2点について重大な危険のあることがわかりましたので、広く問題提起することとしました。

それ以外の事項については、下記の「検定基準(案)」を皆様にご覧いただき、ご意見を文科省までお届け下さいますよう、お願い申し上げます。

第一の問題点。歴史教科書の検定は従来、個々の部分の記述について「検定意見」が付されてきました。その結果、歴史の大枠の書き方については執筆者側の歴史の見方がかなり認められるように運営されてきました。それによって自由社の教科書も検定に合格してきたと言えます。

ところが、この度の改訂では、前半の下線部にある通り、「図書の内容全体を通じて、多様な見解のある社会的事象の取り上げ方に不適切なところはなく」という基準が新たに加えられました。これは何を意味するかというと、例えば大東亜戦争を含む章全体について、個々の記述の問題点を指摘するにとどまらず、全体の書き方を丸ごと「一面的」などの評価を与えて拒否できるようになるということです。

これは、巨大な権力を文部官僚に与えることを意味します。確かに、この基準によって、学び舎などのような極左の偏向歴史観を否定するように運用できるかも知れませんが、それ以上に、自由社の教科書を歴史観の「一面性」の名のもとに不合格にする可能性のほうが高いといえるでしょう。「聖徳太子」の呼称すら否定する文部行政の最近の動きをみれば、どちらの危険性があるかは明らかです。

第二の問題点。引用の後半で、「児童又は生徒が当該事象について多面的・多角的に考えられるよう適切な配慮がされていること」とあるように、「多面的・多角的」という名の下に、今度は、それこそ偏向した奇矯な学説が検定で認められる可能性があることです。この点は、7月12日に開催された自民党の文教関係合同部会でも出席した議員から強く指摘された通りです。第一と第二の問題点は、一見したところ矛盾するようですが、どちらも成り立つところに、この問題の複雑さがあります。

これに関連して、もう一つの問題を指摘しておきます。

第三の問題点。2月に公表された「学習指導要領」の改訂案で示された「聖徳太子」の呼称をフェイド・アウトさせる方針が、パブリックコメントで多くの国民の批判をあび、文科省もさすがに撤回せざるを得なくなったことについては、皆様ご存じの通りです。

ところが、現行教科書の実態を見ると、次の一覧表のとおり、文献上に何の根拠もない「厩戸王」という呼称が一部の左翼学者の学説に追随してすでに現行教科書に登場しており、さらに、「厩戸王」のみを記述している教科書すら存在している状況にあることがわかります。これでは、学習指導要領についてパブリックコメントを求めても、それは無意味な議論となりかねません。

【現行版中学校歴史教科書の「大和朝廷」「聖徳太子」に関わる記述*】

東書  大和政権 聖徳太子(厩戸皇子)
帝国 ヤマト王権 聖徳太子(厩戸王)
教出 大和政権 聖徳太子(厩戸皇子)
日文 ヤマト王権  聖徳太子(厩戸王) 
育鵬 大和朝廷(大和政権) 聖徳太子(厩戸皇子)
清水
大和政権
聖徳太子(厩戸皇子)
学び舎
大和政権  厩戸皇子**
自由社
大和朝廷 聖徳太子(厩戸皇子)

*教科書会社は採択率の順に並べた。
**「厩戸皇子(のちに聖徳太子とよばれる)。( )内は用語の説明にあたるので用語としては「厩戸皇子」となる。

会員、支援者の皆様には、「検定基準」の改定案について、以下の資料もご覧いただき、上記以外の点も含めて、是非とも文科省に意見を届けてください。なお、締め切りが7月25日(火)までとなっておりますのでお急ぎいただきますようお願いいたします。

教科用図書検定規則の一部を改正する省令案等に対するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について>LinkIcon
上記、意見フォームからお送りください


<参考>新旧検定基準表
【現 行】

1 基本的条件
(1) 中学校学習指導要領第2章第2節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の1の(3)に示す「適切な課題を設けて行う学習」は、取り上げなくても差し支えないこと。
2 選択・扱い及び構成・排列
(1) 小学校学習指導要領第2章第2節の第2「各学年の目標及び内容」の〔第6学年〕の3「内容の取扱い」の(3)のアについては、選択して学習することができるよう配慮がされていること。
(新設)
(2) 未確定な時事的事象について断定的に記述していたり、特定の事柄を強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。
(3) 近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示されているとともに、児童又は生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。
(4) 閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解又は最高裁判所の判例が存在する場合には、それらに基づいた記述がされていること。
(5) 近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。
(6) 著作物、史料などを引用する場合には、評価の定まったものや信頼度の高いものを用いており、その扱いは公正であること。また、法文を引用する場合には、原典の表記を尊重していること。
(7) 日本の歴史の紀年について、重要なものには元号及び西暦を併記していること。

【改正案】  *下線部が新たに追加

(1基本的条件は削除)
1 選択・扱い及び構成・排列
(1) 小学校学習指導要領第2章第2節の第2「各学年の目標及び内容」の〔第6学年〕の3「内容の取扱い」の(3)のイについては、選択して学習することができるよう配慮がされていること。                                 
(2) 図書の内容全体を通じて、多様な見解のある社会的事象の取り上げ方に不適切なところはなく、考えが深まるよう様々な見解を提示するなど児童又は生徒が当該事象について多面的・多角的に考えられるよう適切な配慮がされていること。
(3) 未確定な時事的事象について断定的に記述していたり、特定の事柄を強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。                 
(4) 近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示されているとともに、児童又は生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。
(5) 閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解又は最高裁判所の判例が存在する場合には、それらに基づいた記述がされていること。
(6) 近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。          
(7) 著作物、史料などを引用する場合には、評価の定まったものや信頼度の高いものを用いており、その扱いは公正であること。また、法文を引用する場合には、原典の表記を尊重していること。                   
(8) 日本の歴史の紀年について、重要なものには元号及び西暦を併記していること。

平成29年7月21日更新


「不正発覚で検定不合格」の罰則規定を評価
「つくる会」が文科省「教科書検定規則改訂案」に関する声明を発表

新しい歴史教科書をつくる会は、6月30日、この度文部科学省が示した「教科書検定規則改定案」に関して、下記の声明を発表しました。

昨年来、私どもが各行政機関に求めてきた「教科書贈収賄事件」への対応は、今回の文科省改定案で一定の「回答」が出たと言えます。会員、支援者の皆さまには、関連する諸々の取り組みに改めて御礼申し上げるとともに、引き続き、検定・採択で不正が行われない環境作りに関心をお寄せいただきますよう、お願いいたします。

       教科書会社への罰則を明記した文科省「教科書検定規則改訂案」に関する声明

                                        平成29年6月30日
                                   新しい歴史教科書をつくる会

文部科学省は6月26日、教科書検定規則についての改訂案を示し、検定や採択において教科書会社による不正が発覚した場合、「検定不合格」の罰則規定を設けることを発表しました。

改定案では①検定中(合格発表前)に不正が発覚した場合は、ただちに不合格、②検定合格後に発覚の場合は、現場の混乱を防ぐため次の検定で該当社の同教科の教科書を不合格とする、としています。また、当然ながら、教員や教育委員会など採択の関係者に中元・歳暮を贈ることも禁止となりました。

当会は昨年、一連の「教科書贈収賄事件」についてその全容解明と関係者の厳正な処罰、そして再発防止策を各行政機関に強く求めてきました。

そうした中で今回の文科省の規則改定は、私どもが従来より求めてきた「違反会社への教科書発行者の指定取り消し」という厳罰処分までには至らないものの、はっきり「検定不合格」という具体的な罰則を記しており、大いに評価できるものです。

また、教科書発行各社で構成される「教科書協会」も、昨年9月に自主ルール「教科書発行社行動規範」を制定し、今後、教科書採択の公正性の確保と信頼の回復を目指していくとしています。

これらの一連の動きは学校関係者や教育委員会関係者と教科書発行社との間にあった採択に関する「癒着関係」に強く楔を打つものとなるでしょう。それでも、昨年の一連の事件は未だに全てが解明されていませんし、東京地検特捜部も私どもの要望に応じることはなく、捜査は行われませんでした。事件に関わった多くの者が処分されずに幕引きに至るという、業界の闇の深さを感じずにはいられない結末でした。それだけに来年以降の教科書検定と採択がこれで本当に健全化に向かうのか疑念が残るのも事実であり、私どもはそれをしっかり見届ける必要があります。

今回の改訂は来年の小学校用教科書検定から適用されます。「多くの国民が注視している」ことを関係者に自覚させるためにも、会員、支援者の皆さまには来年の検定、採択に関する情報に強く関心をお持ちいただきますようお願い申し上げます。

文科省は6月26日より、今回の教科書検定規則改訂についてのパブリックコメントを募集しています(7月25日まで)。
ぜひ、下記リンク先入力フォームにて今回の改訂へのご意見を多くお寄せいただきますよう、お願いいたします。

教科用図書検定規則の一部を改正する省令案等に対するパブリックコメント(意見公募手続)の実施についてLinkIcon

<意見例>

・教科書行政の信頼回復のためにも改訂規則の厳格な適用を求める 
・きちんと適用されるか我々国民は今後も注目している
・「検定不合格」ではなく、「教科書発行者の指定取り消し」をペナルティにすべき
・今回の改訂に大いに賛同する

平成29年6月30日更新


平成29年度定時社員総会を開催!
「女子部」共同代表の赤尾・河添・杉田の3氏が理事に就任
次期教科書制作と検定・採択に向けて結束を固める



新しい歴史教科書をつくる会は、6月4日、東京・品川シーズンテラスにおいて、平成29年度定時社員総会を開催しました。

会議には正会員67名が出席。まず国歌斉唱と設立趣意書の朗読の後、高池勝彦会長が開会の挨拶を行いました。会長はその中で、「一昨年の採択戦で大敗し、存続の危機に立たされたつくる会だったが、今こうして会が存続していて本当によかったと思っている。先般の学習指導要領改訂にあたる聖徳太子呼称問題でも私どもつくる会の果たした役目は極めて大きかった。改めてこの運動の重要さを感じている」と述べ、運動を支え続けていただいた会員、支援者の皆様に改めてお礼を述べました。

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その後、諸橋茂一理事が議長に指名され、議事を開始。第1号議案「役員選任の件」では、「女子部」共同代表の赤尾由美(会社経営者)・河添恵子(ジャーナリスト)・杉田水脈(前衆議院議員)の3氏の新理事への就任が提案され、選任されました。続けて3新理事の挨拶で、それぞれ「つくる会」運動への抱負を語っていただきました。また、この日をもって理事を退任し、顧問への就任となった杉原誠四郎前会長からもご挨拶をいただきました。


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第2号議案「平成28年度事業報告及び決算報告承認の件」では、皿木喜久副会長が事業報告を行いました。その後、越後俊太郎事務局長が決算報告を行い、続けて保科直美監事が監査報告を行いました。第2号議案については、質疑応答を経て承認されました。

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第3号議案「平成29年度事業計画(案)及び予算(案)承認の件」では、29年度事業計画について高池会長が説明。さらにその補足として、まず藤岡信勝副会長から教科書制作と歴史戦の展望について説明がありました。また河添理事からは新設された女子部の今後の活動方針について、親日国との国際交流など具体的ないくつか提言がありました。続いて越後事務局長から今年度予算の提案を行いました。

この後の質疑応答では、女子部の活動予算について、本部広報や他団体との連携強化について、本部総会の時期について、教科書制作事業と歴史戦の役割分担について、皇位継承問題について、など多数の会員より意見や質問があり、活発な討論が行われました。討議の結果、第3号議案についても提案通りで承認されました。
第4号議案「国民へのアピール」は、石原隆夫副会長によって文案が朗読され、満場一致で採択されました。最後に、岡野俊昭副会長の閉会の挨拶で総会は無事、終了しました。

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 総会後、多くのご来賓の出席の下、約80名の方が参加されて「懇親の集い」が華やかに開催されました。集いでは多くの方から、「つくる会」運動への激励を頂戴しました。私どもはこの集いを新たな起点とし、来る平成31年度の教科書検定、32年度の採択に向けて、さらに邁進してまいります。ご多忙の中、総会ならびに懇親会へご出席を賜りました皆様、また祝辞・祝電・花輪をいただきました皆様に心より御礼申し上げます。



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<懇親の集いでお言葉を頂戴した来賓の皆様>
茂木七左衛門(日本芸術文化振興会理事長)、山田宏(参議院議員)、西村真悟(前衆議院議員)、高田學道(日本居合道協会理事長)、植田剛彦(株式会社自由社代表取締役社長)、河添恵子(理事)、杉田水脈(理事)、赤尾由美(理事)、山下英次(大阪市立大学名誉教授)、倉山満(憲政史家)、斎藤武夫(授業づくりJAPANさいたま代表)、松浦明博(私立中・高校教諭)、三輪和雄(日本世論の会会長)、茂木弘道(史実を世界に発信する会会長代行)
*発言順・敬称略
<祝電、メッセージ>
山谷えり子(参議院議員)、中田宏(前衆議院議員、前横浜市長)
*紹介順・敬称略
<花輪>
水島総((株)日本文化チャンネル桜代表取締役社長)

<退任> 
理 事 杉原誠四郎 *顧問に就任 
顧 問 笹川  能孝(一般社団法人笹川経済支援機構理事長)
これまでの当会への並々ならぬご尽力に深く御礼申し上げます。今後も是非とも、可能な範囲でお力添えを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

<国民へのアピール>

世界が激動しています。イギリスのEU離脱、アメリカのトランプ大統領の誕生、フランス大統領選におけるルペン候補の善戦等々。これらの動きの根底にあるのは、欺瞞にみちたグローバリズムへの拒否感と「自国ファースト」への回帰に他なりません。およそ自国と自国民をまず守るのは、国家として当然の務めであり、世界的に移民・難民問題が顕著となる中で、欧米の諸国民の反応は国家の原点とは何かを考えさせられるものです。

では我が日本国とそれを取り巻く環境はどうでしょうか。安倍政権は誕生後ただちに同盟国アメリカとの連携をより強固なものにすべく、安保法制を整備し、また、国内でのテロを防ぐための法案の成立を進めています。安倍政権は、さらに、外交に力を注ぎ世界各国との信頼関係の構築を進めてきました。これらの施策は、自国の安全保障のみならず、世界における日本の地位を一層高めることに大きく寄与する、大変意義のある取り組みであると評価できます。

しかし、その一方、尖閣諸島領域への侵入をはじめとした中国の海洋進出の脅威、国際社会の批判を無視してミサイル実験を執拗に繰り返す北朝鮮、そして、北に同調する韓国の動向などどれも予断を許しません。まさに東アジアは、いつ有事となるか全くわからない状況にあります。慰安婦問題、南京問題といった歴史戦においても、事実関係について反論してこなかった日本政府の過去の誤った対応があだとなって我が国は、苦戦を強いられていると言わざるを得ません。先日、国連報告者なるものが、日本政府に対し「歴史教科書の記述に政府が介入することは知る権利を侵害している」などと不当な見解を示す事態に至っています。

このような国難とも言うべき状況の下、これを唯一打破し得るのがこの二〇年間の「つくる会」運動の理念の一つとしての「自国ファースト=ジャパンファースト」精神であると私どもは考えます。この精神は、グローバリズムを忌避する世界の動向とも波長が合っています。

日本国民は、歴史的・文化的・経済的そして精神的に世界に誇れる優れた民族です。世界の平和と発展を最も胸を張って訴えることができ、それを牽引する役目を担うべき立場にあります。一人でも多くの国民がこの事実を自覚し、日本人としての誇りを持って生きて欲しいと切に願います。そのために、私どもは、今後も、歴史・公民教科書改善運動と歪められた歴史の押しつけに反撃する歴史戦を通じて、このことを粘り強く訴えてまいります。

このたび、「つくる会」は、新たに「女子部」を創設し、女性の視点や立場から私どもの運動を推進する取り組みをスタートさせました。皆さまのご参画とご協力をお願いいたします。

さて、本年から、改訂学習指導要領に基づく教科書制作の作業が本格的に始動しますところ、教科書発行には莫大な資金が必要です。そのためにまた、心苦しい限りではありますが、皆さまに多額のご寄付をお願いすることになります。

私どもは、いかなる困難があろうと、教科書づくりを止めるわけにはまいりません。私どもの教科書は、その存在そのものが大きな意味を持っているからです。「南京事件を書いていない教科書」を日本政府が認めているという事実そのものが、今や、世界への大きなメッセージとなっているのです。
つきましては、国民の皆さま、会員、支援者の皆さまには、「ジャパンファースト」を目指す私どもの諸活動になお一層のご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

平成二十九年六月四日     
                           一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会
                                   平成二十九年度定時社員総会

平成29年6月6日更新


学習指導要領改訂を受けて緊急集会を開催
集会に先立ち関連申し入れ書を文部科学省に提出


今般の学習指導要領の改訂を受け、新しい歴史教科書をつくる会は、4月13日、衆議院議員会館の多目的会議室で緊急集会を開催しました。

集会には50名以上の参加者と衆参の国会議員にも7名ご出席いただきました。登壇者は下記の通りで、聖徳太子呼称問題、その他の学習指導要領の問題点、また「学び舎」検定合格の問題、さらに教育勅語についてなど多角的なテーマについて論じました。

最後に、同日、文部科学大臣宛てに提出された申し入れ書が読み上げられ、今後「つくる会」として残された課題について取り組んでいくことが確認されました。

公務ご多忙の中、ご登壇・ご出席を賜りました国会議員の先生方には改めて御礼申し上げます。会員、支援者の皆様には、教科書改善のための各種活動にさらなるお力添えを何卒、よろしくお願いいたします。

当日の登壇者ならびに、要望書は下記の通りです。

<登壇者>
岡田広(参議院議員)、櫻田義孝(衆議院議員)、山田宏(参議院議員)、中山成彬(元文部科学大臣)、藤岡信勝(拓殖大学客員教授)、原田義昭(衆議院議員)、宮川典子(衆議院議員)、高森明勅(日本文化総合研究所代表)、小山常実(大月短期大学名誉教授)、杉原誠四郎(元城西大学教授) (発言順・敬称略)


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                                   平成29年4月13日
文部科学大臣 松野 博一 殿

         告示された学習指導要領についての当会の見解と文科大臣への申し入れ書

3月末、改訂学習指導要領の最終確定版が告示されました。これについて、当会の見解と文科大臣への要望を以下の通りまとめましたので、文科大臣への申し入れ書として提出させていただきます。

(1)中学校社会・歴史的分野で最大の焦点となっていた「聖徳太子」など一連の歴史用語については、「聖徳太子」「大和朝廷」「元寇」「鎖国」の4件すべてが復活しました。今回文科省は改訂案を公表した2月14日から3月15日までの1か月間、国民からのパブリックコメントを求めました。これに対し提出された意見数は、1万1210件となりました。このうち、聖徳太子に関する意見が何件かは文科省のホームページには公表されていませんが、国会議員などへの説明から、それは4000件以上にのぼるとされています。学習指導要領の改訂案についての意見公募は従来も行われてきたことですが、これほど多数の意見が寄せられたのは初めてのことと思われます。さらにそれによって原案の重要な修正がなされたのも、今回が初めてではないでしょうか。いずれにせよ、こうした国民の声に教育行政当局が耳を傾け、原案を修正したことについて、当会として高く評価し感謝いたします。

(2)しかしながら、確定版にはなお多くの問題点が残されています。これらについて以下、順次指摘させていただきます。
 第一に取り上げなければならないのは、「聖徳太子」は単純に現行版に復帰したのではなく、「内容の取扱い」の項に、【なお、「聖徳太子の政治」を取り上げる際には、聖徳太子が古事記や日本書紀においては、「厩戸皇子」などと表記され、後に「聖徳太子」と称されるようになったことに触れること】という一文が新たに追加されたことです。「厩戸」という呼称を何とか残したいという姿勢が表されており、これによって、文科省はこの問題についての基本的な認識を変えていないのではないかという疑念が生じます。また、「内容の取扱い」という補足的な項に書かれたものであるとはいえ、特定の歴史上の人物の人名の出典をあげよという指示はあまりに細部にわたるものであり、学習指導要領のような大綱を示す文書としては不必要であり不適切です。それに、もし聖徳太子にそういう配慮をするなら、歴史上の人物、とりわけ古代・中世の時代の人物の呼称、例えば「卑弥呼」以下の人物についても一々出典を記す指示を出さなければ統一がとれません。聖徳太子にだけそれを求めるとすれば、結局は「聖徳太子虚構説」を文科省は完全には放棄していないと言われても仕方がありません。

(3)第二に、現行版の学習指導要領(平成20年)には、どこにも「厩戸」という呼称への言及はありませんが、それにもかかわらずすでに「厩戸皇子」を正式名称として扱う教科書が存在し、平成27年度の検定に合格していることです。新規参入した学び舎の教科書『ともに学ぶ人間の歴史』では、「蘇我氏と二人の皇子-飛鳥時代」という単元のもとに、「厩戸皇子の登場」という小見出しがつけられ、「厩戸皇子(のちに聖徳太子とよばれる)」と書かれていて、あたかも今次学習指導要領改訂を先取りしたかのような扱いとなっています。今次改訂版の立場からすれば、これこそ我が意にかなう理想的な教科書ということになるでしょう。
 そもそも学び舎の教科書は、学習指導要領が前提としている通史的な構成になっていないという根本的な問題があります。これについては3月7日付けの文科大臣あて「要望書」においてすでに指摘した通り、教科用図書検定調査審議会の歴史小委員会委員長をつとめた上山和雄氏が、「学習指導要領の枠に沿っていない」と評価し、政治的な配慮で特別に合格とされたことをにおわせていました。「学習指導要領の枠に沿っていない」教科書は本来検定不合格となるべきものです。この学び舎教科書の検定合格をめぐる疑惑については、文科省は今後とも説明責任を果たす義務があります。

(4)第三に、歴史用語については文科省は改訂案段階の方針を転換した形となっているものの、その他の当会の要望は、ことごとく無視されていることです。以下、その主な諸点を列挙します。詳細は3月7日付けの要望書と、つくる会が提出した個別のパブリックコメントに記載されています。
 <歴史的分野>
 ○目標記述が4項目から3項目に縮約されたことでかえって混濁化し、まえがき部分に「グローバル化する国際社会」などという不必要な情勢認識が入ったことなどの改悪
 ○「市民革命」について、初めて取り上げる素材を例示したのはよいとしても、言及されているのはアメリカの独立革命とフランス革命のみで、近代日本の国家建設の参考とされたイギリスの市民革命が抜けていること
 <公民的分野>
 ○目標記述に歴史と同じ「グローバル化する国際社会」という、周回遅れで不適切な文言があること
 ○「目標」の項に、教育基本法を尊重するなら当然入るべき「公共の精神」が抜けていること
 ○「内容」の項に、「家族」「地域社会」「公共の精神」を入れるべきこと
 ○「内容」の項に、「国益」を入れるべきこと
 これらについては、今後発行される予定の「学習指導要領解説」で可能な限り、私どもの要望に沿う努力をお願いしたいと思います。

(5)第四に、教科書についての国民的な関心を高め、活発な議論を行うための基礎的な措置として、新たな提案をさせていただきます。それは、文科省の検定に合格したすべての教科書をネットで公開することです。文科省はすでに、全教科書会社に対し、教科書の紙面をデータとして提出することを求めています。従って、技術的な障害はありません。また、費用もわずかしかかかりません。今回のパブリックコメントによって、国民の間に教科書についての関心が大きく存在することが明らかになりました。こうした国民の関心に応え、議論を正確な事実に基づいて行うことが出来るようにするために、教科書の公開は非常に有効です。わざわざ教科書を取り寄せたり、地方教育行政当局の施設に足を運んだり出来る人は極めて限られていますが、全教科書をネットで閲覧できるようにすれば、誰でもが議論に参加したり、教科書を分析したりすることができます。さしあたり、今回議論のあった中学校の歴史と公民に限って試行的に実施するやり方もあるかもしれません。ぜひ、前向きなご検討をお願いする次第です。             (以上)

平成29年4月18日更新


学習指導要領改訂を受けて緊急集会を開催
集会に先立ち関連申し入れ書を文部科学省に提出


今般の学習指導要領の改訂を受け、新しい歴史教科書をつくる会は、4月13日、衆議院議員会館の多目的会議室で緊急集会を開催しました。

集会には50名以上の参加者と衆参の国会議員にも7名ご出席いただきました。登壇者は下記の通りで、聖徳太子呼称問題、その他の学習指導要領の問題点、また「学び舎」検定合格の問題、さらに教育勅語についてなど多角的なテーマについて論じました。

最後に、同日、文部科学大臣宛てに提出された申し入れ書が読み上げられ、今後「つくる会」として残された課題について取り組んでいくことが確認されました。

公務ご多忙の中、ご登壇・ご出席を賜りました国会議員の先生方には改めて御礼申し上げます。会員、支援者の皆様には、教科書改善のための各種活動にさらなるお力添えを何卒、よろしくお願いいたします。

当日の登壇者ならびに、要望書は下記の通りです。

<登壇者>
岡田広(参議院議員)、櫻田義孝(衆議院議員)、山田宏(参議院議員)、中山成彬(元文部科学大臣)、藤岡信勝(拓殖大学客員教授)、原田義昭(衆議院議員)、宮川典子(衆議院議員)、高森明勅(日本文化総合研究所代表)、小山常実(大月短期大学名誉教授)、杉原誠四郎(元城西大学教授) (発言順・敬称略)


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                                   平成29年4月13日
文部科学大臣 松野 博一 殿

         告示された学習指導要領についての当会の見解と文科大臣への申し入れ書

3月末、改訂学習指導要領の最終確定版が告示されました。これについて、当会の見解と文科大臣への要望を以下の通りまとめましたので、文科大臣への申し入れ書として提出させていただきます。

(1)中学校社会・歴史的分野で最大の焦点となっていた「聖徳太子」など一連の歴史用語については、「聖徳太子」「大和朝廷」「元寇」「鎖国」の4件すべてが復活しました。今回文科省は改訂案を公表した2月14日から3月15日までの1か月間、国民からのパブリックコメントを求めました。これに対し提出された意見数は、1万1210件となりました。このうち、聖徳太子に関する意見が何件かは文科省のホームページには公表されていませんが、国会議員などへの説明から、それは4000件以上にのぼるとされています。学習指導要領の改訂案についての意見公募は従来も行われてきたことですが、これほど多数の意見が寄せられたのは初めてのことと思われます。さらにそれによって原案の重要な修正がなされたのも、今回が初めてではないでしょうか。いずれにせよ、こうした国民の声に教育行政当局が耳を傾け、原案を修正したことについて、当会として高く評価し感謝いたします。

(2)しかしながら、確定版にはなお多くの問題点が残されています。これらについて以下、順次指摘させていただきます。
 第一に取り上げなければならないのは、「聖徳太子」は単純に現行版に復帰したのではなく、「内容の取扱い」の項に、【なお、「聖徳太子の政治」を取り上げる際には、聖徳太子が古事記や日本書紀においては、「厩戸皇子」などと表記され、後に「聖徳太子」と称されるようになったことに触れること】という一文が新たに追加されたことです。「厩戸」という呼称を何とか残したいという姿勢が表されており、これによって、文科省はこの問題についての基本的な認識を変えていないのではないかという疑念が生じます。また、「内容の取扱い」という補足的な項に書かれたものであるとはいえ、特定の歴史上の人物の人名の出典をあげよという指示はあまりに細部にわたるものであり、学習指導要領のような大綱を示す文書としては不必要であり不適切です。それに、もし聖徳太子にそういう配慮をするなら、歴史上の人物、とりわけ古代・中世の時代の人物の呼称、例えば「卑弥呼」以下の人物についても一々出典を記す指示を出さなければ統一がとれません。聖徳太子にだけそれを求めるとすれば、結局は「聖徳太子虚構説」を文科省は完全には放棄していないと言われても仕方がありません。

(3)第二に、現行版の学習指導要領(平成20年)には、どこにも「厩戸」という呼称への言及はありませんが、それにもかかわらずすでに「厩戸皇子」を正式名称として扱う教科書が存在し、平成27年度の検定に合格していることです。新規参入した学び舎の教科書『ともに学ぶ人間の歴史』では、「蘇我氏と二人の皇子-飛鳥時代」という単元のもとに、「厩戸皇子の登場」という小見出しがつけられ、「厩戸皇子(のちに聖徳太子とよばれる)」と書かれていて、あたかも今次学習指導要領改訂を先取りしたかのような扱いとなっています。今次改訂版の立場からすれば、これこそ我が意にかなう理想的な教科書ということになるでしょう。
 そもそも学び舎の教科書は、学習指導要領が前提としている通史的な構成になっていないという根本的な問題があります。これについては3月7日付けの文科大臣あて「要望書」においてすでに指摘した通り、教科用図書検定調査審議会の歴史小委員会委員長をつとめた上山和雄氏が、「学習指導要領の枠に沿っていない」と評価し、政治的な配慮で特別に合格とされたことをにおわせていました。「学習指導要領の枠に沿っていない」教科書は本来検定不合格となるべきものです。この学び舎教科書の検定合格をめぐる疑惑については、文科省は今後とも説明責任を果たす義務があります。

(4)第三に、歴史用語については文科省は改訂案段階の方針を転換した形となっているものの、その他の当会の要望は、ことごとく無視されていることです。以下、その主な諸点を列挙します。詳細は3月7日付けの要望書と、つくる会が提出した個別のパブリックコメントに記載されています。
 <歴史的分野>
 ○目標記述が4項目から3項目に縮約されたことでかえって混濁化し、まえがき部分に「グローバル化する国際社会」などという不必要な情勢認識が入ったことなどの改悪
 ○「市民革命」について、初めて取り上げる素材を例示したのはよいとしても、言及されているのはアメリカの独立革命とフランス革命のみで、近代日本の国家建設の参考とされたイギリスの市民革命が抜けていること
 <公民的分野>
 ○目標記述に歴史と同じ「グローバル化する国際社会」という、周回遅れで不適切な文言があること
 ○「目標」の項に、教育基本法を尊重するなら当然入るべき「公共の精神」が抜けていること
 ○「内容」の項に、「家族」「地域社会」「公共の精神」を入れるべきこと
 ○「内容」の項に、「国益」を入れるべきこと
 これらについては、今後発行される予定の「学習指導要領解説」で可能な限り、私どもの要望に沿う努力をお願いしたいと思います。

(5)第四に、教科書についての国民的な関心を高め、活発な議論を行うための基礎的な措置として、新たな提案をさせていただきます。それは、文科省の検定に合格したすべての教科書をネットで公開することです。文科省はすでに、全教科書会社に対し、教科書の紙面をデータとして提出することを求めています。従って、技術的な障害はありません。また、費用もわずかしかかかりません。今回のパブリックコメントによって、国民の間に教科書についての関心が大きく存在することが明らかになりました。こうした国民の関心に応え、議論を正確な事実に基づいて行うことが出来るようにするために、教科書の公開は非常に有効です。わざわざ教科書を取り寄せたり、地方教育行政当局の施設に足を運んだり出来る人は極めて限られていますが、全教科書をネットで閲覧できるようにすれば、誰でもが議論に参加したり、教科書を分析したりすることができます。さしあたり、今回議論のあった中学校の歴史と公民に限って試行的に実施するやり方もあるかもしれません。ぜひ、前向きなご検討をお願いする次第です。             (以上)

平成29年4月18日更新


<訃報>渡部昇一氏 逝去

上智大名誉教授渡部昇一先生におかれましては、4月17日午後1時55分、心不全のため逝去されました。渡部先生は東京裁判史観の見直しの主張など、長く保守言論界を牽引し、多くの国民の歴史観や思想に影響を与えてきました。当会も発足時より多大なるご指導とご協力を賜り、平成24年には当会を中心に設立した「南京の真実国民運動」の代表をお引き受け頂きました。先生の日本国への功績は計り知れません。

生前のご厚情に深く感謝するとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。



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(平成24年12月13日開催、<南京陥落75周年 「南京事件」の真相に迫る国民集会>より)

平成29年4月18日更新


創立20周年記念イベントを盛大に開催!
登壇各氏より「つくる会」運動の重要性が説かれる
「女子部」を創設・教科書普及キャンペーンも開始

新しい歴史教科書をつくる会は、1月29日、ホテルグランドヒル市ヶ谷で創立20周年記念講演会・祝賀会を開催しました。

記念講演には総勢400名を超える方々が参加しました。はじめに国歌君が代を斉唱し、高池勝彦会長から開会の挨拶がありました。その中で、会の設立以来支え続けていただいた、会員や支援者の皆様に改めて感謝の意を表しました。続いて、国会議員として唯一ご出席の原田義昭衆議院議員にご祝辞を賜りました。

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基調講演をいただいた櫻井よしこ氏は、まず米国のトランプ大統領当選後の世界情勢に触れ、「トランプ氏がアメリカ第一を強調、世界のリーダーから引くような姿勢を見せた現在、最大の問題は中国が代わってリーダーになろうとし、日本に歴史戦を仕掛けようとしていることです。しかしアメリカが引いたあと、その穴埋めができると世界が思っているのは圧倒的に日本であって、中国ではない。そのために日本はしっかりと自分の足元を固め、良い国を作っていかなければなりません。今の日本に求められるのは政治と軍事と価値観です。しっかりした価値観を持つためには歴史を正しく学ぶことであり、その意味でも新しい歴史教科書をつくる会に対して大きな期待を持っています」と述べられました。

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後半は各方面で大活躍中で、「つくる会」運動にも日頃よりお力添えをいただいている方が次々に登壇。齋藤武夫(授業づくりJAPANさいたま代表)、倉山満(憲政史研究者)、中田宏(前横浜市長・前衆議院議員)、中山成彬(元文部科学大臣・前衆議院議員)、杉田水脈(前衆議院議員)、藤井厳喜(国際政治学者)、加瀬英明(外交評論家・「つくる会」顧問)の7名の先生方は、「つくる会」の20年の活動の意義を多様な角度から明らかにし、各分野の視点から今後の運動についての貴重なご提言を頂戴しました。さらに、体調の関係で当日参加が叶わなかった、初代会長・西尾幹二先生からの提言が長谷川真美氏(広島支部長)によって代読されました。

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その後、当日をもってスタートした、女性会員による新たな活動グループとして「つくる会女子部」の創設が発表され、初期メンバーの名前が紹介されました。今後、全国の会員に参加を呼び掛けていきます。また、石原隆夫副会長より、同じくこの日から開始される「国民の歴史教科書キャンペーン」についての趣旨説明と、皆様へのご協力のお願いがありました(次頁参照)。

続いて「女子部」事務局長となる平田由香氏より、趣意書の朗読が行われ、最後に岡野俊昭副会長が、会場の皆様にさらなる運動への協力をお願いし、盛会裡に終了となりました。

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講演会の後、隣の会場に移って開催された祝賀会にも、定員150名の会場に入りきれないほどの方々が来場され、熱気のあふれる中での交流となりました。
今回のイベントに予想外と言えるほど多くの方々にご参加をいただいたことに、関係者一同、心からの感謝の気持ちでいっぱいです。私どもの「つくる会」が日本に必要とされていること、多くの皆さまの期待を背負っていることを改めて認識しました。当会はこの勢いを大切に、3年後の採択戦に向けて、さらに邁進していく覚悟です。皆様には引き続きのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

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記念イベントへ祝電をいただいた皆様、また祝賀会でスピーチをいただいた方々は次の通りです。改めて心より御礼申し上げます。

<祝電>
義家弘介(文部科学副大臣、衆議院議員)、山谷えり子(参議院議員)、宮川典子(衆議院議員)、
佐藤正久(参議院議員)、山田宏(参議院議員)、有村治子(参議院議員)、和田政宗(参議院議員)、松浦正人(山口県防府市長)、田沼隆志(前衆議院議員)、斉藤たつや(横浜市会議員)、
千家尊祐(出雲大社宮司)、日本近現代史研究会、歴史の真実を求める世界連合会GAHT-US
<祝賀会スピーチ>
皿木喜久(副会長、主催者挨拶)、河添恵子(ノンフィクション作家)、
菅家一比古(一般社団法人美し国代表)、赤尾由美(アカオアルミ株式会社代表取締役)、
有元隆志(産経新聞編集局編集委員室長)、三輪和雄(日本世論の会会長)、
小名木善行(倭塾塾長)、仲村覚(沖縄対策本部代表)、井上康史(元防衛省事務官)、
高橋史朗(明星大学教授)、藤岡信勝(副会長、主催者謝辞)    ※紹介、発言順・敬称略

平成29年1月31日更新


民間言論への介入に抗議する!
中国政府への緊急抗議声明を発表



新しい歴史教科書をつくる会は、1月19日、中国外務省が日本のアパホテルが客室に置いた書籍を非難した件について、下記のとおり抗議声明を発表しました。
会員・支援者の皆さまにおかれましては声明へのご理解をお願い申し上げます。



         「南京事件」の民間言論に介入した中国政府への緊急抗議声明


                                    平成29年1月19日
                                 新しい歴史教科書をつくる会

中国外務省報道官は1月17日、日本のアパホテルが、いわゆる「南京大虐殺」を否定する書籍を客室に備え付けていたことについて、「日本国内の一部勢力は歴史を正視しようとしない」と批判し、「正しい歴史観を国民に教育し、実際の行動でアジアの隣国の信頼を得るよう促す」とのべた。

これは、日本の一民間企業の思想信条や言論について、他国の政府がそれに口を出し命令口調で批判するという、あってはならない異常事態を意味するものである。「言論の自由」「思想信条の自由」が全く保障されない共産党一党独裁国家中国の未熟な社会規範を日本に押しつけようとするものでもある。我々はこうした介入を行った中国政府の暴挙に厳重に抗議する。

事の発端は、中国人男性とアメリカ人女性が当ホテルを使用した際、部屋にあった件の書籍をインターネットで批判的に取り上げたことだった。これが中国のネットに火を点け、中国人投稿者が「アパグループボイコット運動」を開始。投稿は2日間で7700万件にのぼったといわれている。中国共産党の大会を前に、愛国運動で国民を統一させるための材料に、この件が使われたとする観方もある。 

今回のアパホテルの件は、いかなる法にも抵触するものではない。そんなことを言えば、長年にわたって特定の宗教に特権的な便宜を与えてきた日本のホテル業界の慣行も非難しなければならなくなるが、かつてそのようなことを言い出した者はなく、今後も問題にすべきではない。それと同じ事である。客が気にするなら他のホテルを選べばよいだけの話である。

当のホテル側は、国内外の批判に対し、「本を撤去しない」としたが、当然であろう。中国からの「言いがかり」にすぎないものを真に受けて引き下がれば、後々の悪しき前例になりかねない。このような筋の通らない要求はつっぱねてしまうこと、これが結果として一番効果的な対応である。

そもそも、問題となった「南京事件」は、多くの学者などによる研究で完全な捏造であったことは今や明らかだ。平成20年5月5日には「南京事件の真実を検証する会」が、中国・胡錦濤国家主席(当時)に 対し、南京事件に関する5項目の「公開質問状」を発している。しかし、それについて未だに中国からの返答がない。今回の件で中国外務省が批判コメントを出しているが、そんなことより、8年間以上も放置し続けている「公開質問状」への返答をするよう、この際改めて要求する。
(以上)



平成29年1月19日更新


新嘗祭全国一斉行動を実施!


平成28年11月23日、新しい歴史教科書をつくる会では全国一斉街頭活動を行いました。
多くの国民に祝祭日の由来、日本の歴史・伝統文化を知ってもらいたいとの趣旨から<新嘗祭>のについてのチラシを配布しました。
各支部の活動報告は下記のとおりです。
※12月17日島根を追記

<東京>
11月23日明治神宮大鳥居前で実施。
約1200枚を配布。
ポスティングは8,800枚を配布。

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<東京三多摩>
京王多摩センター駅前にて350枚を配布。
新嘗祭を世に知らしめる良い機会でも有りました。やはり、新嘗祭を知っている方は、残念ながら若い人には少ないように見受けました。
同時刻、立川駅グループでも街頭行動を実施。
「新しい歴史教科書は今の学生に絶対に必要だ。頑張って下さい」と声をかけられた。

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<千葉>
11月23日、JR千葉駅東口前ロータリーで実施。
800枚のチラシを配布。街宣では前衆議院議員の田沼隆志先生にもご参加いただいた。
千葉支部会員個々によるポスティングは約3,000部。
また、23日に先立ち千葉県内の4神社(香取神宮、船橋大神宮、二宮神社、千葉神社)を訪問してチラシを社頭に置いて頂くことを了解いただいた。

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<神奈川>
神奈川県支部では藤沢駅北口・サンパール広場街宣活動を実施。新嘗祭が戦後『勤労感謝の日』に改変させられた経緯と、WGIPからの脱却のツールとしてのつくる会教科書の意義を道行く人に訴えた。事前ポスティング分と合わせて、約8,000枚のチラシを配布。

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<愛知>
地方議員、各種会合での配布800枚、駅頭での配布とポスティング1900枚の合計2700枚を配布。

<京都>
11月17日同志社大学、今出川周辺で700枚ほど配布。
11月23日四条河原町周辺で、500枚ほど配布。
ポスティング等2100枚ほど。

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<徳島>
徳島市内の住宅地および隣接する地域にポスティングで1500枚。
新嘗祭が皇室と国民が収穫の感謝と喜びともに祝う日であることを気づいて下さる方がおりますようにと思いながら配り終えました。

<広島>
11/10~23広島市中区・東区・西区・佐伯区・廿日市市に跨る広範囲で1,300枚のポスティングを実施。
11/23の新嘗祭当日広島駅周辺にて210枚チラシ配布。若者たちに新嘗祭の意味を問ひかけながら配布すると、意外に受け取る者多し。

<島根>
11月23日、島根県松江市のJR駅頭に於いて実施。幟を2旗冬風に靡かせ、6名の会員で、街宣並びにチラシ配りをした。町行く人に呼び掛け約400枚を配布。
戦前生まれの人達は「新嘗祭」の名称をご存じであり、「新嘗祭」を懐かしく、又この呼称復活を願っておられる人もいた。戦後生まれの多くの人は殆ど知らず、そこに歴史の断絶があり、歴史を連続させていく必要・努力こそ「つくる会」の使命であると実感させられた。




新しい歴史教科書をつくる会地方支部LinkIcon

平成28年12月17日更新


ユネスコ事務局が
「申請の枠組」「チベットの呼称」で方針転換
通州基金の動向を察知した?! 記者会見の直前に初のメールが着信



5月に通州事件とチベット問題をユネスコに登録申請している「通州事件アーカイブズ設立基金(以下基金)」(藤岡信勝代表)は、8月24日、先の申請に関してユネスコ事務局によって不当な扱いが生じている事態について、その経緯を公表し見解を表明するため、文科省記者クラブで会見を行いました。

会見は、藤岡信勝、ペマ・ギャルポ、チュイ・デン・ブン、三浦小太郎、皿木喜久、茂木弘道の5氏によって行われ、まず下記の声明が読まれました。

<声明>  ユネスコ「世界の記憶」申請への不当な扱いについて(平成28年8月24日)

その会見の最中、これまで基金側からの発信に対して一切応答のなかったユネスコ事務局より、前日の夜に基金専用メールアドレス宛に返信があったことが判明しました。ユネスコ側からのメールの内容は当初の方針を転換し、本声明において基金側が求めている最も中心的な要求、すなわち①共同申請として扱う②チベットという用語を否定しない、の2点を受け入れる趣旨のものでした。

ユネスコからメールがきたのが記者会見のわずか半日前、前日夜の9時48分です。このタイミングは決して偶然ではなく、ユネスコ側が今回の基金側の公表(記者会見)を察知し、ギリギリのタイミングで対応した可能性が十分に考えられます。

このようにユネスコが方針転換したのは、基金側が行動したからといえます。歴史戦において行動することの重要性を端的に示した出来事だったと言えます。

平成28年8月29日更新


小池百合子候補を支持する声明を発表


新しい歴史教科書をつくる会は、7月19日、緊急理事会を開催し、今回の東京都知事選挙について小池百合子候補の支持を決定し、下記の声明を発表いたしました。
会員の皆様には、声明の趣旨についてご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

       「新しい歴史教科書をつくる会」は小池百合子候補を支持します



 東京都知事選挙は中盤にさしかかろうとしています。当会は教科書の改善をめざす民間の任意団体であり、国または地方の選挙において、特定の政党や候補者を推すことは、原則としてさけてきました。

 しかし、地方選挙でも教科書改善運動への影響があまりに大きい場合は、私達の目標を成し遂げるためにも、一定の立場を表明することが必要な場合があると考えられます。そして今回の都知事選挙は、まさにそうした場合にあたると考えます。

 私達は7月31日に投票が行われる東京都知事選挙において、知事として最もふさわしい候補者として、小池百合子氏を支持します。

 その理由の第一は、今回の都知事選挙の最大の争点である外国人参政権問題について、有力三候補の中で唯一、明確に反対しているのは小池候補だけだからです。外国人参政権は、国家主権に関わる極めて重要な問題です。自民党がこうした問題について、適格性を欠く候補を擁立したことは遺憾です。

 第二は、2020年に東京オリンピックを迎えるにあたって、開催国の首都東京のホスト役として、小池候補が最も適当な人材であると考えるからです。首都東京のトップが女性であることは、参加国に清新なイメージを与え、日本の国際的地位を向上させ、国益につながります。安倍首相が掲げる、女性が輝く社会の実現の看板にもなり得るものです。

 第三に、歴史観についても、小池候補はしっかりとした見解を持っておられます。国会議員として教科書問題にも取り組んでこられ、3人の候補のなかで、「つくる会」の運動を支持してくださった唯一の候補でもあります。

 以上のことから、「つくる会」は小池候補を支持します。

 ただし、このことは会員個々のお考えに基づく投票行動をいかなる意味においても制約するものではありません。



平成28年7月19日
                                  新しい歴史教科書をつくる会
                                        会長 高池勝彦


平成28年7月19日更新


平成28年度定時社員総会を開催!
<「つくる会」20年目の国民へのアピール>を採択
新理事に高森明勅氏、三浦小太郎氏、新監事に尾崎幸廣氏


新しい歴史教科書をつくる会は6月12日13時より、東京・品川シーズンテラスカンファレンスにおいて、62名の出席者の中、平成26年度定時社員総会を開催しました。

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国歌斉唱の後、4月14日に発生した熊本地震で犠牲になられた方々に黙祷を行いました。

会議は越後俊太郎事務局長が総会要件の成立を宣言し開会。続いて平田由香氏(本部事務局)による趣意書の朗読が行われました。

その後、髙池勝彦会長から開会の挨拶。髙池会長は、厳しい採択結果となった昨年から今日までの会員・支援者からのご支援にあらためて感謝を述べ、発足から20年目を迎える「つくる会」の運動を一層進める決意を述べました。

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続いてご来賓として出席いただいた叡南覚範様(天台宗毘沙門堂門跡御門主)からご祝辞をいただきました。

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ここからは議長に選出された駒田強理事が議事を進行。第1号議案・役員選任の件では、髙池会長より役員人事について提案。これまでの理事・監事に加え、新理事として高森明勅氏(日本文化総合研究所)、三浦小太郎氏(アジア自由民主連帯協議会事務局長)、新監事として尾崎幸廣氏(弁護士)が全会一致で選任されました。また、饗庭道弘氏と井上寶護氏の任期満了による理事退任が報告されました。

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第2号議案は越後事務局長が平成27年度事業報告と同決算報告、また保科直美監事が監査報告を行いました。また第3号議案については、平成28年度事業計画案を皿木喜久副会長より提案し、小山常実理事、岡野俊昭副会長、藤岡信勝副会長より補足説明を行いました。同予算案については越後事務局長より提案され、いくつかの質疑応答の後、両号議案ともに、承認されました。

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そして第4号議案「定款の一部改訂案承認の件」は、髙池会長より<一般社団法人及び一般財団法人に関する法律>に基づく定款改訂の必要性についての説明と提案があり、承認されました。
第5号議案「国民へのアピール」(案)を石原隆夫副会長が朗読、会場からは大きな拍手がわき起こり、創立20年目の節目に会員一丸となって救国のための活動を一層力強く進めていくことを参加者全員で確認しました。

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最後に岡野副会長の閉会の挨拶をもって閉会となりました。

会場を移して15時30分から行われた、<「つくる会」懇親の集い>にも、約60名の方が出席。宮崎正弘氏の乾杯の発声でスタートした懇親会は、華やかな雰囲気の中、多くの著名人の方から総会開催のご祝辞や、「つくる会」運動へ力強いエールをいただきました。

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ご多忙の中、また遠方より本総会ならびに懇親の集いにご出席をいただいた会員の皆様をはじめ、盛会裡の開催に様々なお力添えを賜りました皆々様に、改めて御礼申し上げます。

当会はこの総会を新たな起点とし、これから約1年、皆様の期待に大きく応えられるよう、全力で各種取組みを行って参ります。今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

●祝辞など
宮崎正弘(評論家)、梅山富弘(中山成彬事務所)、斎藤直子(山田宏事務所)、
中田宏(前横浜市長・前衆議院議員)、藤井実彦(論破プロジェクト代表)、
山本優美子(なでしこアクション代表)、田中秀雄(日本近現代史研究家)、
松浦明博(八王子実践高校教諭)、茂木弘道(史実を世界に発信する会事務局長)
*発言順・敬称略

●祝電・メッセージ
原田義昭(衆議院議員)、佐藤正久(参議院議員)、西村真悟(前衆議院議員)、
田沼隆志(前衆議院議員)、上田清司(埼玉県知事)
*紹介順・敬称略

●花輪
水島総((株)日本文化チャンネル桜代表取締役社長)     


              <「つくる会」20年目の国民へのアピール>

私ども「新しい歴史教科書をつくる会」は、この20年、趣意書に基づき、教科書の抜本的改善と自虐史観を克服する歴史戦に取り組んで参りました。

昨年は通算5回目となる採択戦に挑みましたが、歴史・公民ともに公立中学校での採択を勝ち取ることができませんでした。私立中学校についても計9校の採択にとどまり、改めて教科書採択の壁の厚さを思い知らされる結果となりました。

私たちの教科書が全国の教育委員会に受け入れられなかった理由は一体どこにあるのでしょうか。教科書の内容や形式の問題、採択戦の戦略や戦術の欠点など、その原因をいろいろ挙げることができるかもしれません。しかし、最も根本的な要因は、今日の日本の社会を覆うことなかれ主義の構造そのものだと私どもは考えます。

正しいことを「正しい」と言えない社会。不正が起きても自分に直接関係のないものには関心をもたず、関わらないという態度。こうした風潮が教科書の採択においても教科書の内容には無関心で、なるべくあたり障りなく、周辺諸国との歴史認識問題でもとにかく穏便にすませようとする姿勢となります。ここからは「つくる会」の教科書を採択する勇気は生まれません。

日本国民は一体いつからこのような利己主義とことなかれ主義の民族となってしまったのでしょうか。

古来、日本を訪れた外国人はみな、日本人の勤勉さや、他人や社会のために無償で奉仕する民族性に驚嘆しました。かつての大東亜戦争で連合国が一番恐れたのは、国家のため家族のためなら「私」を捨てて一丸となる、死をも恐れぬ強靭な精神でした。

戦後、GHQが日本に対して行ったWGIPなどの占領政策が、こうした日本人の精神を失わせ、二度と欧米諸国に立ち向かうことができないようにする目的であったことは明白です。そして戦後70年もたったというのに、残念ながらその狙い通りに、社会には自虐史観と利己主義が定着したまま、未だに本来の精神を取り戻すことができずにいるのです。

本当にこのままでいいのでしょうか。自分や自分の家族だけが豊かに、楽しく、幸せに暮らせればそれでよいのでしょうか。組織の存続のためには、誇りも矜持も棄て利益だけを追求することがよいのでしょうか。その先に日本の明るい未来が見えるのでしょうか。

私たちは国民の皆様に心から訴えます。世界も羨む今日の日本の繁栄は、多くの先人による血の滲むような努力や、多大な犠牲の上に成り立っています。その繁栄を享受する現代の私たちには、先人の歩んだ歴史を知り、恩恵に感謝し、そして自分の子供や孫、さらにその子孫に、日本の繁栄とその礎たる「日本人の精神」を引き継いでいく重要な役割があるのではないでしょうか。

今年で創立20年目の節目となる本総会で、私どもは右のように「日本人の精神」の復興を訴えます。そして、教科書の内容や形式の一層の改善に取り組み、次期採択戦に備えるとともに、引き続き歴史戦を戦います。今後いかなる困難が立ちはだかろうと、会員一丸となって救国のための活動を展開してまいる覚悟です。

国民の皆様には、引き続き、当会活動に絶大なるご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。



平成28年度定時社員総会


                                      平成28年6月12日       
                           一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会


平成28年6月14日更新


ユネスコ記憶遺産に
「通州事件・チベット侵略」「慰安婦」を登録申請
歴史戦の新しい展開を「つくる会」は支援



5月31日、日本、チベット、アメリカの民間団体が共同して、ユネスコの記憶遺産に2つのテーマを共同申請しました。共同申請とは、一つの国の枠を越えて、複数の国の団体や個人が共同で申請する記憶遺産のルールにもとづくものです。

第一のテーマは、「20世紀中国大陸における政治暴力の記録:チベット、日本」というタイトルで、1937年7月29日に起こった日本人虐殺事件(通州事件)と、戦後の中国によるチベット民族消滅化政策を、中国の政治暴力の犠牲者として位置づけた申請です。

第二のテーマは、「慰安婦と日本軍規律に関する文書」というタイトルで、日米の共同申請です。慰安婦制度の正しい姿を知ることの出来る資料を登録する内容です。
それぞれの申請書の概要部分は下記のとおりです。

なお、この中で、申請の主体となっている「通州事件アーカイブズ設立基金」は、通州事件についての資料の発掘、調査、保存、普及のためのNGO団体で、5月に発足しました。

会見は、「通州・チベット」側から、基金の藤岡信勝代表、皿木喜久副代表、ペマギャルポ、三浦小太郎の各氏、「慰安婦」側から山本優美子、藤木俊一、藤井実彦の各氏が出席しました。今後は年内におおよその結論を出すとみられる小委員会と対応し、来年10月の登録を目指します。

これらの申請の登録が実現するよう、当会も全面的にバックアップをしてまいります。

(1)「20世紀中国大陸における政治暴力の記録:チベット、日本」
<申請者>
日本:通州事件アーカイブズ設立基金
チベット:Gyari Bhutuk
<概要>
20世紀の中国大陸では、他国民あるいは他民族に対する政治暴力がしばしば行使された。この共同申請は、対チベットと対日本の事例についての記録であり、東アジアの近代史に関する新たな視点を示唆するとともに、人類が記憶すべき負の遺産として保存されるべきものである。以下、事件の概要を、時間順に従い、(A)日本、次いで(B)チベットの順に述べる。
(A) 日本: 1937年7月29日に起こった通州虐殺事件の記録である。この事件は暴動によって妊婦や赤ん坊を含む無辜の日本人住民200人以上が最も残虐なやり方で集団的に殺害されたもので、日本人居住者を保護する立場にあった冀東自治政府の中の治安維持を担当する保安隊を主体とした武装集団がやったことであった。
(B)チベット: 中華人民共和国建国直後の1949年から始まったチベットに対する侵略行為の記録である。それから1979年までに、1,207,387人のチベット人が虐殺された。犠牲者の中には、侵略者に対する抵抗運動の中で殺された者や、収容所や獄中で拷問の末に殺された者などがいた。チベット仏教の文化は消滅の危機にさらされている。チベットのケースは、日本とは規模は大きく異なるが、残虐行為の実態は驚くほど共通している。

(2)「慰安婦と日本軍規律に関する文書」
<申請者>
日本:なでしこアクション、慰安婦の真実国民運動
アメリカ:The Study Group For Japan’s Rebirth
<概要>
慰安婦comfort womenについて誤解が蔓延しています。正しく理解されるべきであり、記憶遺産に申請します。慰安婦とは、戦時中から1945年終戦までは日本軍向け、戦後は日本に駐留した連合軍向けに働いた女性たちで、民間業者が雇用、法的に認められた仕事でした。他の職業同様、住む場所・日常行動について制限はありましたが、戦線ではあっても相応な自由はあり、高い報酬を得ていました。彼女らは性奴隷ではありません。申請した文書には、日本人33人の証言集があります。これは当時、慰安婦らと直に会話し取材したものです。また、慰安所のお客が守る厳格な決まり、占領地の住民を平等に扱ったこと、ヒトラーのドイツ民族優位論を否定するなど、日本軍の規律や戦争に対する姿勢などが記されている文書もあります。慰安婦制度が現地女性の強姦や、性病の防止に効果があったこと、日本軍は規律正しかったことも記されています。


平成28年6月6日更新


「ヘイトスピーチ規制法」成立に抗議する声明を発表


 新しい歴史教科書をつくる会は、5月26日、「ヘイトスピーチ規制法」成立について、下記の抗議声明を発表しました。当会は、今後も引き続き同法の問題点を厳しく指摘し、抗議のための必要な取組みを検討して参ります。

         <声明> 「ヘイトスピーチ規制法」=日本人差別法成立に抗議する


                                     平成28年5月26日
                                  新しい歴史教科書をつくる会



 5月24日、「ヘイトスピーチ規制法」が成立した。法律の正式名称は、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」である。本法律は、名称からも知られる通り、日本人の外国人に対する「不当な差別的言動」(ヘイトスピーチ)だけを問題とするもので、外国人の日本人に対する「不当な差別的言動」を野放しにするものである。この法律は、在日韓国・朝鮮人その他の外国人を日本国民より上位に置き、日本国民の言論に「猿ぐつわ」をかける日本人差別法である。

(一)「ヘイトスピーチ規制法」の具体的な問題点
 「ヘイトスピーチ規制法」を具体的に検討してみると、5つの問題点が存在する。
 第1に、本法律が解消を目指す「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは何なのか、定義が明確ではないために拡大解釈がいくらでも可能であるという問題がある(第2条)。そもそも「本邦外出身者」の定義も曖昧だが、解消すべき言動が具体的に何なのか、法律を読んでも国会審議の動画を見てもよく分からない。従って、関係者が「不当な差別的言動」と感じたと言えば、それが「不当な差別的言動」とされていくことになる。これでは自由な言論が著しく制約され、歴史問題についての言論も窒息状態に陥る可能性がある。
 第2に、差別と感じた「関係者」の意見を反映させる行政的仕組みがつくられることが問題である(第5条)。必然的に、在日韓国・朝鮮人等の「関係者」の意見が強く反映され、彼らが差別と言えば差別だということになって、特権的な発言権が与えられることになる。
 第3に、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施する」(第6条)と規定されていることも問題である。第5条と第6条を併せ読めば、日本国民形成のために行われる当たり前の歴史教育、公民教育まで「ヘイトスピーチ」として禁止される危険性が存在することになる。
 第4に、地方自治体による先取り的な暴走を誘発する危険があるという問題である。各条文には、国の責務が定められたあと、第2項で「地方公共団体の責務」が同じように規定されている。この規定を利用して、当然、地方公共団体の暴走が始まるであろう。
 以上4点は5月9日声明でも触れた点だが、議会審議を聞いていると、第5の問題が存在することが分かった。罰則もないし理念法に過ぎないからそれほど表現の自由は制限されないという誤解が一部に広がっているが、本法によって、現実には既成の法令を使って日本人に対する言論弾圧を行える仕組みが整うという問題を指摘しておきたい。「不当な差別的言動」に対しては、現実には刑法、騒音防止条例、道路交通法その他の法令で対処していくわけであるが、今までは法令で処理できるかどうか行政・警察当局は慎重に判断してきた。ところが、本法成立によって躊躇なく刑法などを適用できるようになるし、司法判断にも影響を与えていくようになるのである。
 その際、日本人を差別し外国人に対して有利なように法令を適用することによって、日本人による外国人に対する「不当な差別的言動」だけを亡くそうというのが本法律の趣旨なのである。同じ汚い言葉で罵り合ったとしても、いや外国人の方が汚い言葉を使ったとしても、つまり外国人の方にこそ著しいヘイト(憎悪)が込められていたとしても、処罰されるのは日本人だけであるという場面が著しく増えていくであろう。

(二)日本国憲法違反、人種差別撤廃条約違反の法律
 以上のように本法は、徹頭徹尾、日本人に不利なように、外国人に有利なように言論を操作する法律である。その日本人差別の理念は、基本理念を規定した第三条「国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」という規定に端的に表れている。このように日本国民に対してだけ義務を課し、外国人に対して義務を課さない規定の仕方は、人種平等の理念から作られた人種差別撤廃条約にも日本国憲法14条1項(※1)にも違反するものである。
 また、本法は、(一)で記したように、歴史問題などにおける日本人の自由な言論を封殺し自由主義社会を崩壊させていきかねないものである。明らかに、表現の自由を規定した日本国憲法21条1項(※2)に違反する法律である。そして、本法が定着していけば、人々が表現を自主規制するようになるだろう。特にヘイトスピーチの定義があやふやだから、面倒を避けるために、差別的とも創造性あふれるとも思われるぎりぎりの表現を結局しなくなってしまうことになろう。実質的な検閲社会の到来である。本法は、検閲の禁止を規定した21条2項(※3)の精神にも反するのではないか。
 このように検閲体制ともいうべきものが出来あがれば、世界有数の言論の自由が保障されてきたがゆえに生まれた戦後の日本文化も、衰退していくことになるのではないだろうか。本法成立に対して、満腔の怒りを込めて抗議するものである。

※1
日本国憲法14条1項 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
※2
日本国憲法21条1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
※3
日本国憲法21条2項 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。




平成28年5月27日更新


「ヘイトスピーチ規制法案」は究極の日本人差別法だ
法案の成立阻止を目指し反対の声を!


 新しい歴史教科書をつくる会は、5月9日、現在参議院で審議中の「ヘイトスピーチ規制法案」について、下記の緊急声明を発表しました。
本法案は、日本人のみが規制の対象で極めて差別的なものです。また、歴史問題などでも言論の自由が著しく損なわれる危険性をはらんでいます。
会員・支援者の皆様には、同法案の成立の絶対阻止を目指し、衆参国会議員へ電話・FAXで働きかけを何卒お願いいたします。

          「ヘイトスピーチ規制法案」に反対し、成立阻止を訴える声明

                                       平成28年5月9日
                                   新しい歴史教科書をつくる会

(一)4月8日、自民・公明両党は参議院先議案件として「ヘイトスピーチ規制法案」を提出し、今国会中の成立を期すとしている。法案の正式名称は、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」である。
 しかし、この法案は以下に述べるように、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」の定義がなく、日本人の外国人に対するヘイトスピーチを問題とするのみで、外国人の日本人に対するヘイトスピーチは野放しである。これは不当に日本人を差別するもので、到底認めることのできないものである。また、この法案の規定は、人種差別撤廃条約の定義にも合致しない。この法案が成立すれば、歴史問題などでの自由な言論は封殺される危険性が極めて高い。途方もない悪法である。
 与党は5月10日にも参議院を通過させる方針と見られており、事態は風雲急を告げている。私たち「新しい歴史教科書をつくる会」は、ここに、この法案には絶対反対の立場を表明し、今国会での法案成立を阻止すべく声を上げて闘うことを広く呼びかけるものである。

(二)自公提出の法案には、以下の4つの問題点がある。
 第1に、自公案は、この法案の基本理念として、「国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」(第3条)と書いているが、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは何かが定義されておらず、いくらでも拡大解釈が可能だという問題がある。定義がないから、関係者が「不当な差別的言動」と感じたと言えば、それが「不当な差別的言動」とされる。これでは自由な言論が著しく制約され、歴史問題についての言論も窒息状態に陥る可能性がある。深刻な問題である。
第2に、差別と感じた「関係者」の意見を反映させる行政的仕組みがつくられていることが問題である。自公案の第5条は「相談体制の整備」を規定したものだが、「国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するものとする」と書かれている。「本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談」とあるわけだから、必然的に、在日韓国・朝鮮人等の意見が強く反映され、彼らが差別と言えば差別だということになって、特権的な発言権が与えられることになる。
第3に、同じ論理に基づいて、「教育の充実」が規定されていることも問題だ。自公案第6条では、「国は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする」と規定されている。第5条と第6条を併せ読めば、ごく当たり前の歴史教育、公民教育まで「ヘイトスピーチ」として禁止される事態が発生するだろう。
 第4に、地方自治体が先取り的な暴走を誘発する危険があるという問題である。各条文には、国の責務が定められたあと、第2項で「地方公共団体の責務」が同じように規定されている。この規定を利用して、当然、地方公共団体の暴走が始まるであろう。大阪の暴走が、国より先に始まっていたことに注目すべきである。罰則規定のない理念法だから実害がないかのように言う議論もあるが、理念法だからこそ社会的利用範囲がかえって大きくなるのである。

(三)自公案の推進者は、ヘイトスピーチ規制法案が出てきた根拠として、人種差別撤廃条約を日本が批准していることを挙げる。しかし、政界におけるこの議論は根本的な錯誤を含んでおり、成り立たない。人種差別撤廃条約第1条第2項は次のように規定している。
 「この条約は、締約国が市民と市民でない者との間に設ける区別、排除、制限又は優先については、適用しない。」(外務省訳による)英文は次の通りである。
 「This Convention shall not apply to distinctions, exclusions, restrictions or preferences made by a State Party to this Convention between citizens and non-citizens.」
 外務省は「市民と市民でない者」と訳しているが、「citizens」の第一義は国民であるから、「国民と国民でない者」と訳すべきものである。
 条約は、「国民と国民でない者」の間にはこの条約は適用されないと明記しているのである。従って、例えば、日本国籍を持った日本国民と、日本国籍のない外国人である在日韓国・朝鮮人の関係に、この条約は適用されない。それは当然である。世界広しといえど、国民と同等な権利や便宜を外国人に与えることを政府に義務づけている国があるか。あるはずがない。両者の間に、「区別、排除、制限又は優先」があるのは当然なのだ。
 この条約は同一の国民のなかでのマイノリティの差別について述べているのであって、例えば、同じアメリカ国民のなかで、アフリカ系アメリカ人やヒスパニック系アメリカ人が差別をされてはいけない、と言っているのである。この条約と在日韓国・朝鮮人に対するヘイトスピーチは、何の関係もない。それは、人種差別撤廃条約の対象外の問題なのである。

(四)今回の自公案は、昨年民主党(当時)が提出した法案(正式名称=人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案)の修正案として準備されたものである。しかし、民主党案のもっていた問題点と同様の問題点を自公案は受け継いでいる。そればかりか、基本理念の部分では、自公案は民主党案よりも日本人差別の度合いが強く、民主党案よりも愚劣な内容である。
 もう一度確認するが、この法律案では、日本国籍を持った日本国民だけに義務が課されており、在日韓国・朝鮮人その他の外国人には、義務が全く課されていないのである。だから、彼らは、日本人に対するヘイトスピーチを好きなだけできるのである。これは、在日韓国・朝鮮人その他の外国人を日本国民より上位に置き、日本人の言論に「猿ぐつわ」をかける日本人差別法である。
このような重大な問題を含む法案を、ここに来て自民・公明の与党はなぜ成立させようとしているのか、理解に苦しむ。また、この法案がこのような重大な問題点を含んでいることについて、保守陣営からもほとんど批判の声が聞こえてこないのは不可解である。いずれにせよ、この法案は日本を亡国に導くものであり、今国会での成立を阻止するために、ともに立ち上がることを広く呼びかけるものである。




平成28年5月10日更新


〈「教科書贈収賄事件」を糺す会〉が発足!
問題を危惧する有識者・有志団体が糾合
「つくる会」主催の緊急集会内で発足が発表される



一連の「教科書贈収賄事件」について、問題を危惧する有識者・有志団体は、4月25日、<「教科書贈収賄事件」を糺す会(代表加瀬英明)>を結成し、文部科学省へ要望書を提出及び記者会見を行いました。続いて、衆議院第二議員会館で開催された、「つくる会」主催の緊急集会で「糺す会」の設立が正式に発表され、文科省への働きかけや、検察への嘆願署名活動を今後推進していくことが確認されました。

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この「つくる会」が主催となって衆議院会館で開催した緊急集会には、平日にもかかわらず、会場がほぼ満席になる人々にご参集いただきました。

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集会は「悪しき慣習を打破せよ!教科書採択の闇に切り込む」をテーマにシンポジウム形式で進行され、パネリストの藤岡信勝、髙池勝彦、三宅博、堀口文良、杉原誠四郎、岡野俊昭の各氏から、法的な側面、教育団体の活動から、また元教職の立場からなど多角的な見解が出されました。そして本件がただの「贈収賄」に留まらず、構造的な根が深い問題であることを確認しました。

今後は、当会も「糺す会」のメンバーと連携をとって問題に取組んでまいります。会員及び支援者の皆様には引き続きのお力添えをお願いいたします。

この度「糺す会」の参加メンバー及び、文科省に提出した要望書は以下の通りです。

「教科書贈収賄事件」を糺す会
[設立日]平成28年4月25日     
[事務局]新しい歴史教科書をつくる会内
<発起人>
代表 加瀬英明(外交評論家)
石川水穂(元産経新聞論説委員)/小山和伸(神奈川大学教授)/岡野俊昭(元銚子市長)/
皿木喜久(元産経新聞論説委員長)/すぎやまこういち(作曲家)/髙池勝彦(新しい歴史教科書をつくる会会長)/高森明勅(日本文化総合研究所代表)/立林昭彦(『WiLL』編集長)/中尾建三(全国教育問題協議会理事長)/中田宏(前横浜市長・前衆議院議員)/西尾幹二(評論家・ドイツ文学者)/西村幸祐(批評家・ジャーナリスト)/花田紀凱(月刊『Hanada』編集長)/藤岡信勝(拓殖大学客員教授)/茂木弘道(史実を世界に発信する会会長代行)/山田宏(前杉並区長・前衆議院議員) 渡部昇一(上智大学名誉教授)
計18名(50音順・敬称略)

<賛同者>
饗庭道弘(元会社経営者・「つくる会」理事)/青葉ひかる(評論家)/秋山寿郎(㈱環建築設計事務所代表取締役所長)/荒木和博(拓殖大学教授)/阿羅健一(南京事件研究家)/荒木田修(弁護士・「つくる会理事」)/安藤豊(北海道教育大学名誉教授)/石原隆夫(一級建築士・「つくる会」副会長)/井上寳護(日本会議広島理事・「つくる会」理事)/入江隆則(明治大学名誉教授)/植田剛彦(ジャーナリスト)/上野淳次(学校法人上野学園理事長)/潮匡人(評論家・拓殖大学客員教授)/梅澤昇平(元尚美学園大学教授)/岡本幸治(大阪国際大学名誉教授)/桶屋良祐(念法眞教教務総長)/小山内高行(外交評論家)/小田村四郎(元拓殖大学総長)/菅家一比古((社)美し国代表)/小関微笑子((社)日本国際文化協会常務理事)/小林道憲(哲学者)/小堀桂一郎(東京大學名譽教授)/駒田強(元常陸大宮市議会議長・「つくる会」理事)/小山常美(大月短期大学名誉教授・「つくる会」理事)/佐藤守(軍事評論家)/柴田徳文(国士舘大学副学長)/杉原誠四郎(元城西大学教授・「つくる会」前会長)/高山正之(コラムニスト)/塚本 三郎(元衆議院議員)/デヴィスカルノ(国際文化人)/寺島泰三(一般社団法人日本郷友連盟会長)/利光國夫(小田急電鉄㈱特別社友)/富岡幸一郎(関東学院大学教授・「つくる会」理事)/中村勝範(慶應大学名誉教授)/中山成彬(前衆議院議員)/野口武利(元連合静岡会長)/東中野修道(亜細亜大学教授)/平川祐弘(東京大学名誉教授)/平間洋一(元防衛大学校教授)/吹浦忠正(ユーラシア21研究所理事長)/福田逸(明治大学教授)/藤本隆之 (㈱展転社代表取締役)/古田博司(筑波大学教授)/保科直美(技術士・「つくる会」監事)/堀口文良(全国教育問題協議会副理事長)/三輪和雄(日本世論の会会長)/諸橋茂一(教育を考える石川県民の会会長・「つくる会」理事)/山際澄夫(ジャーナリスト)/山本豊(全国教育問題協議会事務局長)/湯澤貞(元靖國神社宮司・靖國会総代)/柚原正敬(日本李登輝友の会事務局長)/吉永潤(神戸大学教授・「つくる会」理事)
計52名(4月27日現在・50音順・敬称略)


                                      平成28年4月25日
文部科学大臣
馳  浩 殿
                                  「教科書贈収賄事件」を糺す会
                                     発起人代表 加瀬 英明
                                  東京都文京区水道2-6-3-203
                                     電話:03-6912-0047

                 「教科書贈収賄事件」に関する要望

一連の「検定中教科書の閲覧・謝礼問題」について、4月1日に文部科学省は地方教育委員会による調査のまとめを発表した。それによれば、教科書会社から謝礼を受け取った公立小中学校の教員は全国で3367人で、そのうちの839人が「調査員」などとして教科書の選定・採択に関与していた。しかも、実際の教科書採択において、謝礼を提供した会社の教科書に変更されたケースが88件あったことも判明した。さらに、今回は一般教員のみならず、採択業務を直接取り扱う立場にある市町村教育委員会の課長や指導主事までもが謝礼をもらっていた。

採択に影響のある者が、「謝礼」と称して金品を受け取っていた事実が明確になったのであるから、これが刑法197条「収賄」の罪に抵触することは疑う余地はない。行政的にも厳正な処分がなされるべきである。

ところが、文科省は教科書発行会社が文科大臣に謝罪したことをもって、この件に幕を引こうとしている。また上記の88の全ての自治体が、選定・採択については「公正に行われた」とし、採択に「影響はない」と文科省に報告している。採択関係者が金品をもらい、採択が変わっている厳然たる事実を目の前にして、なぜこのような報告がまかりとおるのか。国民はこのような詭弁を決して許さない。

地方教育委員会は、金品を受け取った教員に対する処分を決めている。その一方で、「贈賄側」の教科書会社に対しては、刑事的・行政的に何ら処分を科す動きが見られない。これでもし仮に贈賄の罪が不問に付されるなら、処罰を受けている教員との法的なバランスが取れず、社会的不公正を助長することとなる。むしろ本件で最も責められるべきは、話を持ちかけた「贈賄側」であることは言を俟たない。

この事態を重く見た公正取引委員会は、4月に入り、「独占禁止法」違反の疑いで捜査に乗り出した。3月には民間団体によって東京・大阪の地方検察庁に刑事告発もなされている。大手新聞もこの事件を大々的に報道している。社会はこの事件に重大な関心を持ち、全容解明を求めている。本件はもはや、4月1日の文科省発表をもって全てが収束するような状況ではない。

現行の採択システムは、もはや、なかば崩壊したと言っても過言ではない。子供達に最も相応しい教科書を選ぶ重要な職務を、わずかな謝礼に目が眩んで放棄してしまうシステムには欠陥があると考えるべきである。

我々は本日、この問題を危惧する有識者や民間団体などを糾合して<「教科書贈収賄事件」を糺す会>を結成した。我々は文部科学省及び本件に関係する機関が事件の全容解明と関係者の処罰をするよう求める。そして、公正性が確保される教科書採択制度を求めて我々も今後、活動を展開していく。

よって我々「糺す会」は馳文部科学大臣に次の5点を強く要望する。

一.教科書が変更された前述の88カ所について、これを「無効」とし、該当地区については、来年度からの使用教科書について採択のやり直しを速やかに行うこと。

二.一に関連し、文部科学省は4月1日、採択について「不適切行為」があった場合、教育委員会が採択のやり直しができるように省令を改正する方針を決定しているが、やり直しが「できる」ではなく、文科省の命令により「させる」こととすべきである。より適切な省令改正を望む。

三.今回の贈収賄事件をめぐり、「収賄側」の教員の処分は各自治体で今後も引き続き行われると見られるが、文部科学省は全処分の状況について改めて調査し、全てを発表すること。

四.文部科学省は、公正取引委員会や地方検察庁の捜査結果を待つことなく、「贈賄側」各社に対し、少なくとも一定期間の「教科書発行者指定」の停止など、厳正な処分を下すこと。

五.文部科学省はこの事件を機に、国民にとってより透明性の高い公正な教科書採択が行われるシステムを早急に検討すること。

                                              以上


※なお、当日の集会の写真はこちらからごらんいただけます→http://bit.ly/1rh09AZ


平成28年4月27日更新


検定中教科書「贈収賄」事案について
「つくる会」の取組みと皆様へのお願い



 新聞各社で既報の通り、この度、多くの教科書発行各社が検定中教科書を教員らに見せ、金品などを謝礼に渡していた事実が明らかになりました。2月には文部科学省は各社からの報告を公表し、さらに実際の教科書選定・採択への影響の有無を、全国都道府県教育委員会に3月中旬までに報告するよう指示しています。
 これを受け、当会は3月7日に文部科学大臣に申し入れを行い、同日、記者会見にて当会の取組みを皆様にお知らせさせていただく予定です。
 この事案は、「教科書無償措置法」の根幹を揺るがす未曾有の大不祥事です。本来、子供や生徒に対し、不正行為を否定する教育をすべき立場の教員や教科書業界の倫理感が疑われます。
 要望書全文は文部科学大臣に提出後、速やかに全文をホームページにて公開致しますので、皆様には、是非とも、要望書に即した形で、各自治体の教育委員会や議会・議員への働きかけをお願い申し上げます。

平成28年3月2日更新


政府は「慰安婦=性奴隷」の誤解を正す発信を
慰安婦の真実国民運動が要望書を提出
昨年末の慰安婦問題「日韓合意」を受け


新しい歴史教科書をつくる会も加盟し、慰安婦問題の解決に取り組む「慰安婦の真実国民運動」(加瀬英明代表)は、1月26日、内閣府及び外務省を訪れ、安倍晋三総理と岸田文雄外相に対し、昨年末の「日韓合意」に関する要望書を提出しました。

また、同日午後3時より、日本記者クラブで記者会見を行いました。会見には、国民運動の岡野俊昭幹事長のほか、西村幸祐、藤岡信勝、松木國俊、山本優美子の4人の幹事が出席し、「日韓合意」についての見解を表明しました。要望書の全文は次の通りです。


                                      平成28年1月26日
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
外務大臣 岸田文雄 殿
                                    慰安婦の真実国民運動
                                      代表 加瀬 英明
                                  東京都文京区水道2-6-3-203
                                     (電話)03-6912-0047

             「慰安婦=性奴隷」の誤解を正す世界への発信を求める

 昨年の12月28日に日本と韓国の間でなされた慰安婦問題への合意について、私ども「慰安婦の真実国民運動」は、強く抗議の意を表わすとともに、この問題の「真の解決」を目指す立場から、本要望書を提出する。

 第一に、今回の「日韓合意」で最大の問題点は、国際社会に「慰安婦=性奴隷」などの誤解が広がっている中で、日本政府が「軍の関与」という抽象的な表現を用いて事実上それを認めた形となったことである。当時の日本軍の「関与」とは、慰安婦である女性を守り、またその待遇改善を目的とした人道的な制度であり、世界から決して非難されるものではない。日本政府はこの実体をきちんと説明しないまま、「責任を痛感」すると表明し、「お詫びと反省の気持ち」を表すことによって世界の誤解に根拠を与えてしまった。
 第二に、元慰安婦の「名誉と尊厳」を回復する事業への資金として、10億円を「日本政府の予算」によって拠出することを約束した。これは1965年の日韓基本条約を事実上破棄するものである。国際法の見地からすればこの行為は、日本国を国際法を遵守する覚悟も意思もない三流国家へ転落させたと言われても仕方がない。
ちなみに村山富市首相(当時)主導により設立された「アジア女性基金」でさえ、国民から集めた寄付金で対応しており日韓基本条約で請求権問題は解決済みという原則を最後の一線で守っていたのだから、ことは重大である。

この度の「日韓合意」について世界の主要メディアは、「日本政府は、日本軍によって20万人もの朝鮮人を強制連行し性奴隷にしたことを認め、謝罪の意を表し、賠償金の支払を約束した」と報じている。
日本政府は「20万人」「強制連行」「性奴隷」などの事実を認めていない。日韓両外相による記者会見でも、こうしたことに言及されることはなかった。にもかかわらず、この誤報によって「慰安婦=性奴隷」の認識が国際社会にさらに広がり、定着することになった。この度の日韓合意は、まさにとりかえしのつかない事態を引き起こしたのである。
国民の中には、米中関係など安全保障の観点から「日韓合意」を評価したり、「最終的・不可逆的解決」という確認を重視する向きもあるが、そうであっても先人の誇りと日本の名誉を貶めた今回の政府の対応は断じて許されるべきものではない。この「日韓合意」によって日本が失ったものは、得たものより遙かに大きい。
私どもはこれまで、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどに在住する、志をともにする日本人らとも協力して、慰安婦問題の真実を国際社会に粘り強く訴えてきた。また、国連の場においても、意見書の提出やスピーチなどを通じて、世界に定着しつつあった誤った認識を正すべく活動を続けてきた。しかし、今回の政府の対応で、今までの成果の多くは水泡に帰したと言っても過言ではない。私たちは今後も同様の活動を続けていくが、国際社会への説得はこれまでよりはるかに困難を極めることになるだろう。

事ここに至り、私どもは安倍総理及び外務省に対し、今の段階でも現実的に可能で、かつ早急に対応すべきこととして、次の9つの行動をとることを求める。

一.世界の主要メディアが「日本政府が戦時中の日本軍による強制連行・性奴隷を認め、謝罪した」と誤報したことについて、それを否定する記者会見を安倍総理自ら速やかに行い、外務省はそれを世界に向けて大々的に発信すること。1月18日の国会審議で首相も外相も発信を確約しており、それを上記の形で直ちに実行に移すこと。

二.その際、日本による「軍の関与」について、それは慰安所の設置、規則の制定、衛生検査などを内容とするものであることが正しく認識されるよう、世界に発信すること。

三.米国のマグロウヒル社の教科書が「慰安婦=性奴隷」を記述していることやカルフォルニア州が「慰安婦=性奴隷」説を学習指導要領に取り入れようとしていることについて、日本政府の見解を示すこと。

四.外務省公式HP上の「日韓合意」に関する公式発表には、世界に誤解を与える表現が多数認められる。官邸主導で速やかに調査し、問題のある表現については適切なものに訂正すること。

五.外務省は同省が1997年に作成した「クマワスラミ報告への反論」を直ちに公開すること。

六.今年2月にジュネーブで開かれる国連の委員会に、日本政府として「性奴隷」という表現を明確に否定する見解表明を行うこと。

七.歴史的事実を国際的に正確に発信するための政府直属の専門部署を設置し、日本の立場を継続して国際社会に発信すること。

八.10億円の拠出金については、慰安婦像撤去を確認するまで1円たりとも執行しないこと。

九.韓国側による合意の履行を厳しく監視し、少しでも合意に反する動きが見られる場合には、本合意は破棄されたものと見なして対応すること。
                                             以上 

■緊急集会のご案内■

慰安婦問題「日韓合意」と日本の前途

昨年の暮れ、慰安婦問題の「解決」のために突然になされた「日韓合意」。これは日韓両国のみならず、世界各国で大きなニュースとして取り上げられた。
果たしてこの合意によって、慰安婦問題は本当に解決に向かうのか。国際社会はどう捉えているのか。
「日韓合意」を徹底検証し、今後の日本がとるべき方針を緊急提言する。

日時
 平成28年2月10日(水)13時開会(12時30分受付開始)

会場
 参議院議員会館 1階講堂(東京メトロ永田町駅より徒歩3分、
                    国会議事堂駅より徒歩8分溜池山王駅より12分)

パネリスト
 西村幸祐(批評家・ジャーナリスト)、藤井厳喜(国際問題アナリスト)
 藤岡信勝(拓殖大学客員教授)、松木國俊(朝鮮問題研究家)
 目良浩一(GAHT代表)、山本優美子(なでしこアクション代表)(敬称略)

参加費
 無料(事前申込不要)
 *ご参加の方は、参議院議員会館の受付付近で集会スタッフが通行証をお渡しいたしますので、そちらまでお越し下さい。

<主催> 慰安婦の真実国民運動(代表:加瀬英明)
東京都文京区水道2-6-3-203 新しい歴史教科書をつくる会内
(電話)03-6912-0047 (FAX)03-6912-0048(メール)ianfu-shinjitu@tsukurukai.com

平成28年1月28日更新


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