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山川教科書から「従軍慰安婦」記述の削除を求める決議

 文部科学省は令和元年度教科書検定において、山川出版社の申請図書にあった「従軍慰安婦」の記述に何の検定意見も付けず合格させた。

 しかし、日本政府の見解では、慰安婦の「強制連行」・「20万人」・「性奴隷」はすべて否定されており、昨年11月には、最高裁でもこれに符合した判決が下されている。「従軍慰安婦」の用語は、そもそも戦後の1970年代に小説のタイトルとして登場した造語である。吉田清治の「従軍慰安婦強制連行」の証言が嘘であったことも明らかとなった。「従軍慰安婦」が教科書に載せる歴史用語としての資格のない言葉であることは自明である。また、中学生の発達段階から見てもこの用語を学校の授業で教えることは極めて不適切であり、現場の教師も指導上の困難に直面することになるだろう。

 新しい歴史教科書をつくる会と慰安婦の真実国民運動は、以上の理由から萩生田文部科学大臣に対して二度にわたり「従軍慰安婦」の文言を削除するよう求めたが、残念ながらそれを拒否する回答が「初等中等教育局教科書課」からそのつど戻ってきた。文科大臣がこれに答えようとしないのはどういうことなのか。日本の教育行政の最高責任者としての矜持はお持ちなのか。残念としかいいようがない。

 また、その回答内容も論理的に破綻しているとしかいいようもないものである。さらには、明らかな嘘までも含まれている。本件については、「審議会の審議の結果」だとされているが、何らの検定意見も付されず、議事要旨を確認しても、審議会で一切問題とならずにパスしているのである。文科省は国民を騙すのか。

 そもそも、「従軍慰安婦」については、過去の経緯から多くの国民がいわくつきの用語という認識を持っている。にもかかわらず、今回の検定においてその用語を15年ぶりに申請図書で目にした教科書調査官や審議会委員の中の誰一人としてそこに疑問ももたず、問題性も感じなかったとすれば、まさに異常な事態といわざるを得ない。これは今の文科省教科書検定のおそるべき実態をはっきり示しているのである。

 一連の文科省の回答は、われわれ国民の意識とは全くかけ離れたもので、到底受け入れることはできない。また、この不適切な用語を今回認めてしまえば、次回以降の検定において、他社の教科書にも広がりを見せることは火を見るより明らかである。これは何としても阻止しなければならない。

 よってわれわれは、文部科学大臣に対し、ここに強い抗議の意思を示すとともに、速やかに山川の教科書より「従軍慰安婦」の記述を削除するよう、改めて強く求めるものである。

令和3年2月24日
中学校教科書「従軍慰安婦」記述復活にSTOP!緊急集会 参加者一同