文部科学省の教科書検定への申請が完了
「つくる会」史上、最高の歴史・公民教科書が完成
新しい歴史教科書をつくる会は、令和3年4月より使用開始の、歴史・公民教科書について、その制作を終え、4月10日に公民教科書を、17日に歴史教科書を無事、文部科学省の検定に提出いたしました。
内容については検定中となり、現状では具体的に説明することはできませんが、約2年半もの期間をかけて検討され、制作されたこの度の教科書は、間違いなく「つくる会」史上最高のものとなったことをご報告いたします。この間、執筆いただいた諸先生方をはじめ、デザイナー、また編集や校正作業などにご協力をいただいた全関係者の皆様に深く御礼申し上げます。
また、この度の教科書制作を完遂できたのも、ひとえに会員や支援者の皆様からの長きにわたる篤いご支援があったからこそです。改めて衷心より御礼申し上げますとともに、来夏の採択戦に向けて、なお一層のお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
なお、検定結果は来年4月初旬に発表となる予定です。
4月末に皆様のお手元に届く予定の会報誌『史』5月号において、歴史、公民の各代表執筆者より完成報告の寄稿をいただいておりますので、ぜひご覧ください。
平成31年4月17日更新
平成30年度定時社員総会を開催
2年後の採択戦へ向け一致団結して取り組むことを確認!
新しい歴史教科書をつくる会は、5月12日、東京・文京シビック小ホール会議室において、平成30年度定時社員総会を開催いたしました。
総会には全国より70名の正会員が出席しました。冒頭に国歌君が代の斉唱を行い、越後俊太郎事務局長より総会成立宣言を行いました。次いで事務局の平田由香氏が設立趣意書を朗読しました。
開会の挨拶に立った高池勝彦会長は、会員の皆様へこれまでの活動への感謝を述べました。続いて国会議員よりいただいた祝電が披露されました。
議長には諸橋茂一理事が選出され、議事がスタートしました。
第1号議案「平成29年度事業報告」を石原隆夫副会長が行い、補足説明として「女子部初年度活動報告」を河添恵子理事・女子部共同代表が行いました。続いて補足説明②「皇位継承に関する本部見解について」を越後事務局長が行いました。平成29年度決算についても越後事務局長、また監査は尾崎幸廣監事から報告がありました。
第2号議案では、「平成30年度事業計画(案)」を皿木喜久副会長が提案。補足説明として藤岡信勝副会長より教科書制作状況などについての発言がありました。小山常実理事・公民代表執筆者はこの総会を体調不良で欠席しましたが、教科書制作への決意表明を寄せ、議長が代読しました。平成30年度予算(案)は越後事務局長より提案されました。
第3号議案「役員選任の件」は高池会長より提案。任期満了で退任された駒田強氏を除く全理事の再任と、山下英次氏(大阪市立大学名誉教授)の新任が提案され賛成多数で承認されました。その後、新理事から就任の挨拶がありました。
第4号議案「国民へのアピール(案)」を赤尾由美理事が朗読し、大きな拍手をもって承認されました。
総会は、全議案を提案通り承認し議事が終了しました。
最後に岡野俊昭副会長が参加会員の皆様に、議事進行への協力への感謝と今後のお力添えをお願いし、閉会となりました。
会場を変え17時15分にスタートした「懇親の集い」には、ご招待を含む80名の皆様にご参加いただきました。ご参集の多くの皆様から、「つくる会」運動へのエールをはじめ、各分野での力強い活動の報告などをいただき、とても賑やかな雰囲気の中、藤岡副会長の謝辞と諸橋理事の三本締めで盛会裡に終了しました。
また、祝電をいただいた国会議員の先生方、ならびに「懇親の集い」でご祝辞等を賜った皆様は次の通りです。改めて心より御礼申し上げます。
<祝電>義家弘介衆議院議員、稲田朋美衆議院議員、山谷えり子参議院議員
<祝辞等>菅家一比古(一般社団法人美し国代表)、利光國夫(小田急電鉄株式会社元顧問)、西村眞悟(元衆議院議員)、茂木七左衛門(独立行政法人日本芸術文化振興会理事長)、宮脇淳子(東洋史家)、倉山満(憲政史家)、海上知明(日本経済大学教授)、鈴木信行(葛飾区議会議員)、堀内明日香(元タカラジェンヌ)、金子宗徳(明治の日推進協議会企画委員)、新良薫(山田宏公設第1秘書)、田沼隆志(元衆議院議員)、伊藤隆広(元山田宏秘書)、土屋敬之(元都議会議員)、濱田浩一郎(歴史学者)、服部剛(公立中学教諭)、松浦明博(帝京科学大学特命教授)、家村和幸(日本兵法研究会会長)、茂木弘道(史実を世界に発信する会会長代行) <敬称略>
皇位継承に関する本部見解について
本年に入り、複数の支部より皇位継承に関連する質問が本部に出されたことを受け、理事会で数度の審議を重ねました。そして当該支部へ回答の上、本総会において以下の見解を発表しました。会員の皆様には何卒、ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。
本部としては、安倍総理の「男系継承が古来より今日まで維持されてきた」という認識を共有し、今後もそれが尊重され、継続されることを願います。ただし、本見解は会員個々人に対し同意を要求したり思想や活動を制限したりするものではありません。
つくる会は教科書に書かれた自虐史観などの歴史問題について共通の認識を持つ人々が、「教科書改善」を課題として結集した組織です。その一点において志を共にし、今後も本部と支部と一致団結取り組んでいただきますよう切にお願いいたします。
平成30年4月25日
新しい歴史教科書をつくる会
会長 高池勝彦
<国民へのアピール>
「男の子は男らしく、女の子は女らしく」。一昔前までは社会で当たり前に言われていたことですが、今ではこれは性差別を助長する発言のようです。また今年に入り、ある政令指定都市では、職員や教職員向けに「お父さん、お母さん、夫、妻」を使用しないという驚くべき指針を策定しました。これも差別に当たるといいます。一昨年には、在日外国人に対する「ヘイトスピーチ規制法」制定を巡っての混乱もありました。大方のテレビや新聞は表面のみを取り繕い、安易な「言葉狩り」に共鳴し、タブーを直視しません。事実や正しいこと、社会通念上当たり前のことを堂々と発言できない、この息苦しく異様な「言語空間」は、留まることを知らずに日本社会に広がりを見せています。
本当にこれでよいのでしょうか。
日本は古来より、日本民族固有の精神や価値観をベースにしながら、外からの文化・文明を吸収し、さらに独自のものとして発展させてきました。その結果、日本は歴史上、常に独立を維持し、近代においてもアジアの中で唯一、欧米列強と対等に渡り合えるだけの力を持つことができました。欧米はこの原動力たる「日本精神」を称賛し、また恐れました。大東亜戦争敗戦後に目覚ましい復興を成し得たこと、また今の豊かな暮らしがあるのも、日本民族固有の精神を当時の日本人自身が失わずにいたからに他なりません。
「多文化共生」「多様な価値観を受け入れる」などもとても耳触りのよい言葉です。しかし、これを無批判に受け入れたその延長線上にあるのが、冒頭のような現象ではないでしょうか。これは古来の日本の伝統文化や価値観の破壊に他ならず、ひいては日本国民の独自性を失わせ、国力の衰退に繋がることは明らかでしょう。
私どもの教科書改善運動は、「歴史の真実の追求」であり、「日本の伝統文化や価値観の伝承」です。教科書を通じて、日本そして世界が、平和で豊かになるよう、それに寄与する日本人を育てることが重要な使命です。しかしその一方で、「つくる会」運動に逆行するような動きが生じています。「学び舎」教科書の出現や、一部の歴史学者の主導による歴史用語削減案などにそれが見られます。これらの動きこそ日本人の精神を破壊に導くものに他なりません。私どもはこれらの勢力や、今の歪んだ「言語空間」などに臆することなく、今後もあるべき歴史教科書と公民教科書をつくり、世に強く訴えていきます。
来春には文科省検定が、そしてその翌年にはいよいよ採択戦が控えています。目下、歴史、公民の教科書制作が自由社、本部役員そして会員・支援者の皆様のお力添えのもとに進められています。
私どもは本日、平成最後となる「つくる会」定時社員総会を開催し、今回こそ、「つくる会」の『新しい歴史教科書』『新しい公民教科書』が多くの中学生の手に渡るよう、採択戦に向けて一丸となって取り組むことを確認しました。
皆様におかれては、私どもの教科書改善の使命について何卒ご理解いただき、なお一層の篤きご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
平成三十年五月十二日
一般社団法人新しい歴史教科書をつくる会
平成三十年度定時社員総会
平成30年5月15日更新
<訃報>西部邁氏 逝去
当会の元理事で評論家の西部邁先生が、1月21日、逝去されました。
西部先生は保守の論客として雑誌・テレビなどで幅広く言論活動を展開され、国民世論における保守思想の啓蒙と定着に大きく貢献されました。
当会には発足時より参画いただき、初版の『新しい公民教科書』の代表執筆者として、会にとっても日本国にとっても財産と言える質の高い教科書を生みだしていただきました。
生前のご厚情に深く感謝するとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
平成30年1月22日更新