新しい歴史教科書をつくる会|検定中教科書「贈収賄」事案についてのお知らせ

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文科省は報告漏れの2社へ厳罰処分を
公正取引委員会の調査発表を受け「つくる会」が声明
現役教育長や教育委員の歳暮などの受け取りが判明



一連の教科書贈収賄事件について、新しい歴史教科書をつくる会は、7月6日の公正取引委員会による調査発表を受け、7月12日に下記の声明を発表しました。

当会は引き続き、本件の全容解明を目指して取り組みを行ってまいります。なお、本声明は要望として、同日、文科省および東京地検特捜部に送付しております。

        <声明>公正取引委員会の調査発表を受けて

                              平成28年7月12日
                         新しい歴史教科書をつくる会

 公正取引委員会は7月6日、一連の教科書贈収賄事件についての調査発表を行い、発行9社に対し、独占禁止法違反の恐れがあるとして「警告」を行った。
 この度の調査(*別紙)によって、大日本図書と教育芸術社の2社が採択関係者へ中元・歳暮の提供をしていた事実が判明しており、当該2社は今年1月に行われた文部科学省への報告の際に、この事実を報告していなかった。
 1月の「文科省への各社からの報告」が行われた際、義家弘介文科副大臣は、「報告漏れが発覚した場合は指定の取り消しも含めて必要な措置を講じることも辞さない。徹底的な調査を行っていただきたい」との発言をされている。この度の報告漏れが上記に該当することは明らかであり、これは文科省や社会への裏切り行為でしかない。報道によれば、2社の担当者は「反省している」というが、この期に及んで「反省」の一言では済まないだろう。
 問題なのは、この新たな事実の発覚により、既に明らかになっている一連の不祥事が、やはり氷山の一角にすぎないのではないかという疑いが再び生じたことである。この状況での事件の幕引きは絶対に許されるものではない。
 さらに衝撃的な事実が今回の公正取引委員会による調査発表で明らかとなった。文科省が3月31日に発表した全国各教育委員会の調査報告では、実際の「採択権者」である教育長、教育委員に対する各社からの「謝礼」の支払いは「0」とあった。また、中元・歳暮についても、10人の教育長、教育委員があがっているが、全員がこの受け取りを「拒否」した、とある。
 しかしながら、今回の調査報告をもとに、公正取引委員会に詳細を問い合わせたところ、個別の会社毎については情報開示されなかったが、教育長や教育委員による、謝礼や中元・歳暮などの受け取りの事実は「ある」との回答だった。
 この事実は重大である。学校教員や校長、調査員の対価の受け取りも、もちろん許されるべきではないが、採択の直接的権限を持つ教育委員がそれを行っていたのである。これを「贈収賄」と言わずして何と言うのか。
 また、文部科学省が発表した調査報告との齟齬は一体どういうことなのか。国民の誰もがおかしいと疑念を抱くこの状況を放置していては、文科省の指導による教育行政の信用回復など全く期待できないだろう。
 以上より、私どもは事件の全容解明と再発防止のため、文科省と一向に捜査を開始しない東京地検特捜部に次のことを求める

①文部科学省は、報告漏れのあった当該2社に対し、「義家副大臣通告」に従い、「発行停止」などの厳罰の処分を速やかに行うこと。
②さらに、公正取引委員会による調査結果と上記の齟齬について、各都道府県教育委員会に再調査を指示し、事実関係を明らかにすること。
③また事の重大性を鑑み、文科省は公取によって事件に関与したとされる教育長や教育委員の実名、並びに所属教育委員会名を公表すること。
④東京地検特捜部は、今回明らかになった教育長や教育委員をはじめとした教育関係者への「贈収賄」について、公正取引委員会の調査報告を元に、捜査を速やかに開始すること。

 万が一、これでも文科省が「温情裁定」を下すようなら、文科省および大臣自身が、贈収賄事件の全容解明に「消極的姿勢」であるのみならず、「教科書無償措置法」をも自ら踏みにじるものと私どもは認識し、その姿勢を非難せざるを得ないだろう。文科省による迅速かつ適切な対応を信じる。
                                    以上


*公正取引委員会発表の調査報告書はこちらLinkIcon

平成28年7月12日更新

公正取引委員会は「特殊指定」の復活を!
<「教科書贈収賄事件」を糺す会>が要望書を提出
公取による捜査結果の報道を受け


一連の教科書贈収賄事件について、その全容解明と再発防止を目指して活動する<「教科書贈収賄事件」を糺す会>は、6月17日、公正取引委員会の本件に関する捜査結果の報道を受け、下記の要望書を同委員会に提出しました。

「つくる会」としてもこの要望書に全面的に賛同し、引き続き文部科学省や東京地検特捜部に各種働きかけを強く行ってまいります。

                              平成28年6月17日
公正取引委員会
委員長 杉本 和行 殿
                        「教科書贈収賄事件」を糺す会
                              代表 加瀬 英明

      「教科書贈収賄事件」に関する捜査結果報道を受けての要望

拝啓 梅雨の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、6月11日の各社報道によると、今般の義務教育教科書贈収賄事件について4月より捜査を行ってきた貴会は、東京書籍など9社に対して独占禁止法の恐れがあるとして「警告」する方針を固めたとあります。該当9社は、上記東京書籍のほか、三省堂、数研出版、教育出版、光村図書、啓林館、学校図書、大日本図書、教育学術社であり、貴会の最終判断は、これら各社の行為が「独占禁止法違反にあたる恐れがあるものの、断定はできない」というものでした。そのため、最も強い行政処分である「排除措置命令」は見送られるとのことです。

私ども「糺す会」としては、貴会の今回のご判断は、結論から言えば残念であります。業界内では久しく、「謝礼」と称する金品贈賄による熾烈な営業合戦が水面下で行われてきました。その事実はもはや明らかであるにも拘らず、各社の「採択につなげる意図はなかった」というような見えすいた言い訳を、貴会はなぜ、鵜呑みにしてしまったのでしょうか。これで事実上の「お咎めなし」で済むなら、貴会が危惧される、「教科書の採択市場をゆがめかねない行為」は、これからも手を変え品を変えて水面下で続いていくことになりはしないでしょうか。
ご承知のことと存じますが、実際に、これだけの騒ぎになっている最中の今年3月~4月に、高校の教科書で業界ルールに反した不正な取引が行われていたことが新たに発覚しました。しかも、この問題を起こした大修館書店の社長が、今般の事件を受けて新たに「教科書協会」の会長に就任していたのです。社会を馬鹿にし、まったく反省などしていない証拠です。
一方で、貴会が教科書業界の新ルール案については、「どの期間の謝礼でも独占禁止法にあたる」として、新ルール案をさらに改めるよう協会にもとめていく、と報道にあります。これはまさに、私どもが要望書などを通じて文部科学省や貴会に対して訴えていたことであり、その訴えが受け入れられたことについては、その賢明なるご判断に心から敬意と感謝の意を表したく存じます。

さて、上記の決定がされた以上、教科書業界でこのような不祥事が二度と起こらぬよう貴会には監視の目をさらに強めていただきたく、以下の具体的な施策を求めます。

1)平成18年9月1日に廃止となった教科書業における「特殊指定」を復活させ施行すること。
2)上記の教科書協会による「新ルール」案について、「時期、金額を問わず一切の謝礼を禁止する」よう改善を強く求めること。
3)今後万が一、改められ施行された「新ルール」がまた破られた場合は、公正取引委員会として即、「排除措置命令」の処分を下すことを基本方針とすること。

何度も申しますが、この事件で明るみに出た事例は氷山の一角にすぎません。政府や教育関係者は、本事件を契機として、本件に関するすべての膿を出し切らなければなりません。
事件の全容解明と再発防止へ取り組むことができるこの機を逃せば、公正性が確保された中での教科書採択など、もはや夢のまた夢となってしまいます。貴会にはぜひとも、このことをご認識されますよう、心よりお願い申し上げます。
末筆ながら、貴会のますますのご活躍を心より祈念いたします。
                                    敬具

平成28年6月21日更新

公正取引委員会に厳正な対応を要望
東京地検へは嘆願書2,060筆を送付
引き続き「教科書贈収賄事件」の全容解明を求めます


新しい歴史教科書をつくる会を含む、有識者・団体により構成される<「教科書贈収賄事件」を糺す会(代表加瀬英明)>は5月30日、公正取引委員会宛てに要望書を送付しました。
要望書では一連の「教科書贈収賄事件」への厳正な対応、並びに業界の監視強化を求めました。

また、当会から会員、ならびに支援者の皆さまにお願いしておりました<「教科書贈収賄事件」の速やかで厳正な捜査を求める嘆願書>は6月1日現在、2,060筆のご協力をいただき、同日東京地方検察庁宛てに送付いたしました。同嘆願書の提出は、東京地検による捜査が開始されるまで継続して参りますので、引き続きのお力添えをお願いいたします。

                              平成28年5月30日
公正取引委員会
委員長 杉本 和行 殿
                        「教科書贈収賄事件」を糺す会
                              代表 加瀬 英明

        中学校教科書の採択に係わる贈収賄事件に関する要望

拝啓 新緑の候、ご清祥のこととお慶び申し上げます。昨年度の中学校教科書採択に係わる教科書会社と教員並びに教育委員会の贈収賄事件につきましては、独占禁止法違反の疑いで本格的な捜査を開始されましたことに深く敬意を表します。
 さて、この事件につきましては4月27日馳文科大臣が義務教育教科書を発行する出版社22社の代表を呼び出し、各社の意見を聞いた後、収賄側の教員等の多くは既に処分を受けているのに贈賄側の教科書会社は何ら制裁を受けていないことについて語気鋭く指摘があり、叱責がありました。
 もともと本件は収賄側が要請して起きた事件ではなく贈賄側の教科書会社が働きかけた事件であり、その働きかけた側が何ら制裁を受けないのは不公正です。また、そのような金品の授受の伴った採択では、教育委員会は否定するものの、教科書の内容よりも温情を優先して教科書を決めた可能性が高く、公正な教科書採択の原点を破壊する行為です。しかも、このようなことを子供達の鑑となるべき教員がしたとあっては子供達の教員への信頼は著しく低下し、また、規範意識に欠けた教員では子供達の健全な育成にも多くを期待できません。このような荒れた教育環境の醸成に教科書出版社は大きな責任があります。
 教科書出版社で構成される教科書協会には平成19年に制定された「教科書宣伝行動基準」があり、そこには行動基準全般の規定の他に「問題となる行為」として具体的な例示がありますが、この度の事件は、当事者が当該基準を故意に無視した悪質な行為であり、過失として見過ごすことはできません。
 この度の事件に鑑み教科書協会は新たに「教科書発行者行動基準」案なるものを策定し、その基準を文科省に提示していますが、この新行動基準案では、教科書検定に申請する前の編集段階では教員の意見を聞き、それに謝礼を払っても良いとしています。
 教科書をつくるのに現場の教員の意見を聞くことは一見良いように見えます。しかし、それを手段にして採択事務に係わりそうな人を集めて意見を聞き、謝礼を払えば、これまでの実態からして、採択の予約をしているような結果になり、この度のような違反を助長することになります。
 また、教科・科目ごとに採択率50パーセント以上を誇るいわゆるガリバー教科書会社にとっては極めて有利になり、一方、弱小の教科書会社や新規参入の教科書会社にとっては極めて不利になり、寡占は更に進む可能性があります。これでは、独占禁止法に違反する事案がますます増えるようになり、公正な採択秩序を一層乱すことになります。
 貴委員会におかれましては、教科書業界のこのような実態を把握され、この度の違反行為に厳正な措置(排除措置命令など)を下されると共に、これからは「教科書事業における特定の不公正な取引方法」(略称「特殊指定」)を復活し、業界の監視を強化して頂きますようお願い申し上げます。
                                   敬具

平成28年6月2日更新

教科書協会提案の「新ルール」案について
声明を発表
「検定中教科書贈収賄事件」に関連して


新しい歴史教科書をつくる会は、5月19日、一連の「検定中教科書贈収賄事件」に関連する、下記の声明を発表し、文部科学省へ送付しました。当会は本件がうやむやのうちに収束せぬよう、今後も引き続き事態の推移を注視し、必要な取組みを行ってまいります。

                   <声明>
   文科省は不正競争を助長する教科書協会提案の「新ルール案」を認めるな

                             平成28年5月19日
                         新しい歴史教科書をつくる会

 今般の「検定中教科書贈収賄事件」で、教科書発行各社で組織される教科書協会は、4月27日、再発防止策として、検定・採択に関する新たな業界ルール「教科書発行者行動規範」を文部科学省に提出した。

 この新ルールでは、①検定・採択期間内においての関係者への謝礼を禁止②期間外の謝礼についても「社会通念上、疑念のない額」とする③新ルール適用後、それに違反した会社は、社名と行為内容を協会のホームページなどに公表する、などとされている。しかしこの内容では次回以降に健全な検定・採択は全く見込めないだろう。文部科学省はこのようなアリバイ的で法の網の目をかいくぐるようなルールを決して認めてはいけない。

 このルールで一番問題なのは、これまで秘密裏に行われてきた「謝礼」すなわち「贈収賄」行為について、①や②などの規制があるとはいえ、結果としてそれを公然と行えるようお墨付きを与えることになる点だ。検定・採択期間内であろうとなかろうと、その金額がいくらであろうと、公務員、特に採択に関係する恐れのある教職員が金品を受け取ることは、「収賄」以外の何物でもない。まさに法律をも無視した身勝手なルールだ。③については、このような違反をわざわざ犯すわけもなく、まさにアリバイとしてつけられた罰則規定にほかならない。

 このルールが適用されれば、教科書採択はますます、大きな会社が有利になるのは明白である。大会社はこのルールに則り、多くの教員に接触し、「疑念のない額」として金品をばらまくことも可能だ。やっていることは事実上、従来までと変わらないが、しかし今後はそれを教科書協会のルールと文科省のお墨付きのもとに、堂々とすることが出来るのである。まさに金に物を言わせる大営業合戦が公然と行われ、そして資金力のない弱小教科書会社は淘汰されていくだろう。

 このような状況が想定されても、文部科学省は、本当にこのルールが、独占禁止法に基づく規制(「教科書業における特定の不公正な取引方法」)に則ったものと考えているのか。仮にもしそうだとするなら、国民は文科省と教科書協会のこのやりとりはもはや癒着構造の中にあり、くだらない茶番としか見ないだろう。教育行政の信頼は地に落ちることを肝に銘じるべきである。

 このルール適用は、公正取引委員会の現在の調査状況を踏まえて確定されるとのことだが、文科省はこのルール適用について速やかに不認可の通達を出すべきである。そして、教科書協会に対し、真に公正な教科書採択がなされるためのルールを制定するよう厳しく指導することを強く求める。

文部科学省にパブリックコメントを
提出して下さい

現在、文部科学省は、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメントを募集しています。今回の省令改正の趣旨は、「教科書採択における不公正な行為」があった場合、そのやり直しを認めるとするものです。
この件については、4月25日に「教科書贈収賄事件」を糺す会(加瀬英明代表)が文科省に提出した要望書にもあるとおり、各教育委員会に対し、やり直しが「できる」ではなく、文科省の命令・指導により「させる」こととすべきです。
会員及び支援者の皆様には、下記よりパブリックコメントにぜひ意見を提出していただきますよう、お願い申し上げます。(提出期限年05月26日)
LinkIcon→「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について


平成28年5月20日更新

〈「教科書贈収賄事件」を糺す会〉が発足!
問題を危惧する有識者・有志団体が糾合
「つくる会」主催の緊急集会内で発足が発表される



※詳細についてはつくる会NEWSをご覧ください。

平成28年4月27日更新

「教科書贈収賄事件」に関する声明を発表
4月1日の文科省による調査発表を受けて


新しい歴史教科書をつくる会は、4月11日に一連の「教科書贈収賄事件」に関して、下記の声明を発表しました。当会はこの問題がこのまま幕引きとならぬよう、引き続き文科省、検察、国会などに働きかけを行ってまいります。


         「教科書贈収賄事件」に関する声明

                         平成28年4月11日
                         新しい歴史教科書をつくる会

文部科学省は、4月1日、一連の教科書贈収賄事件に関する調査報告を発表した。
報告によれば、教科書会社から謝礼を受け取った公立小中学校の教員が3367人おり、その25%にあたる839人が「調査員」などとして選定・採択に関与していたことが明らかになった。また、謝礼を提供した会社の教科書に採択が変更されたケースが88件あった。その内訳は、大阪府18件、北海道10件を筆頭に計29の都道府県にまたがるものであった。

驚くべきことは、この不祥事に対し全ての自治体が選定・採択は公正に行われた、すなわち「影響はない」と開き直っていることである。839人もの選定・採択関係者が「謝礼」をもらい、そのうち88件が謝礼を払った会社の教科書に変わったという事実に眼を瞑り、影響はなかったと強弁しても、これを一体誰が信じるだろうか。文部科学省は決してこのような詭弁をそのまま鵜呑みにしてはならない。

地方公務員である教員はもともと副業が禁止され、許可無く報酬を受け取ることはできない。

今回の場合は一般教員のみならず、市町村教育委員会の課長や指導主事などの管理職までもが謝礼を受け取っていた。一般的に「謝礼」をもらって便宜を図った以上は「収賄罪」になるし、金銭の授受が「教科書無償措置法」や「独占禁止法」に牴触することは自明である。

また、今回の贈収賄事件をめぐり、「収賄側」の教員の処分は各自治体で今後も引き続き行われるようだが、不思議なことに、「贈賄側」の教科書会社に対しては、刑事的・行政的に何ら処分を科す動きが見られない。2月半ばに各社の責任者が集って文科大臣に直接謝罪をし、そこで厳重注意を受けてはいるが、これでもし仮に贈賄の罪が不問に付されるなら、処罰を受けている教員との法的なバランスが取れず、社会的不公正を助長することとなろう。そしてこのまま幕引きを謀る文科省の不作為は、犯罪を見逃し助長するばかりか、「教科書無償措置法」をも自ら踏みにじる結果となることを気付くべきである。

当会はこの事態を受けて3月7日、東京地検特捜部に贈賄側の各社代表者を告発した。さらに関西方面でも有志の団体によって同趣旨の刑事告発がなされている。また国会では、3月下旬に「日本のこころを大切にする党」の和田政宗参議院議員が質問を行った。さらに、複数の地方議会でもこの事件に関する質問が行われている。読売新聞を始めとして大手新聞もこの事件を大々的に報道している。社会はこの事件に重大な関心を持ち、全容解明を求めているのである。

子供達が将来、日本人として誇りを以て世界へ羽ばたいて欲しいと考え、それに相応しい教科書作りを進めてきた「つくる会」としては、今回の贈収賄事件をこのまま見過ごすわけにはいかない。教科書がその「内容」ではなく「謝礼」という利権の元で採択され、結果、金払いの良い会社の教科書が教育の世界でのさばることは絶対にあってはならないのである。

また、現行の採択システムは、もはや崩壊したと言っても過言ではないだろう。子供達に最も相応しい教科書を選ぶ重要な職務を、わずかな謝礼に目が眩んで放棄してしまうシステムには欠陥があると考えるべきである。そしてこの原因は採択が「静謐な環境で行われるべき」という文科省の通達を逆手にとって密室で行われる慣行にある。私たちは文科省に対し、この事件を機に国民にとってより透明性の高い公正な教科書採択が行われるシステムを早急に検討することを再度、強く求めるものである。

                  ◇

以上、この状況を打破し、本問題の全容解明と全関係者のしかるべき処分を求め、私どもは4月25日(月)、衆議院第二議員会館において緊急集会を開催いたします。
会員、支援者の皆様、また有志団体、有識者、国会議員、地方議員の皆様には是非とも当会ともに事態打開に強いご支援をいただきますよう、お願いいたします。

「教科書贈収賄事件」を糺す緊急集会(4月25日)にご参加を!

上記声明の通り、当会は4月25日に衆議院第二議員会館において緊急集会を開催します。国会でこの問題を取り上げてもらうため、会館でのアピールが重要となります。つきましては平日の催しとなりますが、ぜひとも多くの方のご来場をお願い申し上げます。


 ■日 時 平成28年4月25日(月)午後3時~5時(午後2時30分受付開始)
 ■場 所 衆議院議員第二議員会館 地下一階 第一会議室
 ■参加費 無料
 *事前申込は不要です。ご参加の方は、会館入口で集会スタッフが入場パスを手交いたしますのでお受け取りの上、ご入場ください。
 ■登壇者 藤岡信勝・西村幸祐・小山和伸・堀口文良 ほか調整中


<「教科書贈収賄事件」の速やかかつ厳正な捜査を求める>
東京地検特捜部宛、嘆願書署名へ是非ともご協力を

当会は3月7日に東京地検特捜部に本件について刑事告発を行っておりますが、未だ捜査が動き出す様子はありません。会員、支援者の皆様には捜査が速やかに開始されますよう、下記東京地検への嘆願書署名に是非ともお力添えをお願いいたします。

東京地検特捜部宛嘆願書


平成28年4月12日更新

検定中教科書「贈収賄」事案
自民党に要望書を提出


新しい歴史教科書をつくる会は、今般の「教科書贈収賄事案」に対する取組みとして、文科省への申し入れ(3月7日)に続き、3月18日、自民党へ要望書を提出し、党としても国会などでこの問題を取り組むことを求めました。

自民党からは政務調査会長代行で元文科大臣の塩谷立衆議院議員が応対されました。当会からは高池勝彦会長、岡野俊昭・皿木喜久両副会長、越後俊太郎事務局長が出席し、この問題の重大性を訴え、教育行政の信頼回復と、問題の全容解明・再発防止に向けて、与党自民党の強いリーダーシップを求めました。これに対し塩谷代行は、問題の重大性を認識し、自民党としても今後文科省に対ししっかり働きかけを行っていくと回答されました。

会員・支援者の皆様には、本件が全容解明のなされないまま幕引きとならぬよう、下記についてぜひともお力添えをいただきたく存じます。

①文科省そして自民党へ個々人からの働きかけをお願いいたします。
②全国地方議会で現在、この問題に関する議会質問が多く行われています。議会から教育委員会に対し、情報公開やこの問題の取組みについてただすことは非常に効果があります。これから議会質問の動きがさらに多くの自治体に広まるよう、すでに質問がなされた議会を公式HPで紹介してまいりますので、情報をお寄せ下さい。
③関西方面では、この問題に取組む有志の方々によってLinkIcon「教科書構造汚職を糾弾し、告発する会」が設立されました。今後、刑事告発を含めた取組みを全国的に行っていきます。HPをご参照いただき、こちらにもぜひご参加下さるようお願いいたします。

 皆様のご協力をどうぞよろしくお願いいたします。


                            平成28年3月18日
 自由民主党
 幹事長 谷垣 禎一 様
 政調会長 稲田 朋美 様
                     (一社)新しい歴史教科書をつくる会                                              
                              会長 高池 勝彦
                        東京都文京区水道2-6-3-203
                           電話03-6912-0047


                 <要望書>
          今般の「検定中教科書贈収賄事案」について
     国会において全容解明及び再発防止へ指導力を発揮していただきたい

この度、教科書発行各社が検定中教科書を教員らに見せ、金品などを謝礼に渡していた事実が明らかになりました。文部科学省は各社からの報告を公表し、さらに実際の教科書選定・採択への影響の有無を、全国都道府県教育委員会に3月中旬までに報告するよう指示されました。

今回の事案は、教科書業界と公務員である教育委員会・教師との間で起きた、下記の法律に抵触した重大な「犯罪行為」です。

・「刑法第197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)及び198条(贈賄)」の違反
・「地方公務員法第29条(懲戒)」の違反
・「独占禁止法」の違反         (各法律についてはLinkIcon資料参照)

よって当会はまず上記の「刑法第198条」への違反について、3月7日、該当各教科書会社を東京地方検察庁に刑事告発したことをご報告いたします。
さらに本事案は独占禁止法に基づく規制(「教科書業における特定の不公正な取引方法」)にも逸脱しており、まさに教科書無償措置法の根幹を揺るがす未曾有の大不祥事です。同日、文部科学大臣へ全容解明と再発防止のための取組みについての申し入れを行いました。

 この度は、政府与党である貴党にも本件について取組みをお願いしたく、下記を要望いたします。

1.要望事項 

(1)本件について自民党国会議員が今国会・衆参予算委員会(NHK放映)で、文科大臣に対し質問を行い、事案発覚の経緯や贈収賄の実態など、全容解明のための徹底調査を求めること。

(2)自由民主党として、以下の6点について文部科学省に提言すること

①文部科学省は、今回指示した各都道府県教育委員会からの報告の結果を精査し、影響があったとされた教育委員会は「教育委員会名とその報告内容」を公表すること。また該当する教育委員会の採択地区については、採択の無効化とやり直しを検討すること。

②謝礼を受け取った当事者は全員氏名を公表し、処分を科すこと。

③教育現場で教育に関する不正行為を発見した者は、身分保障も含め安心して、文部科学省へ直接通報できるシステム(内部通報制度)を構築すること。

④1月20日の教科書発行各社からの報告にあたり、義家弘介文科副大臣は、「報告漏れが発覚した場合は指定の取り消しも含めて必要な措置を講じることも辞さない。徹底的な調査を行っていただきたい」との発言をされているが、各社より報告されたものは「氷山の一角」にすぎない可能性が極めて高い。これまでの膿を一切出し切るために、文部科学省主導で調査を続行すること。さらに、全国各教育委員会に対して、報告漏れの事案の有無について、既に退職している教育関係者への聞き取りなども含め徹底した調査を指示すること。

⑤その調査報告いかんでは、義家副大臣の発言通り、該当する発行会社を教科書発行停止などの厳罰に処すること。

⑥現行の制度では、無償措置法の趣旨により適った教科書採択が行われることを目的とした、現場教員などによる「調査研究制度」や「共同採択区制度」がある。しかしそれらの実態は、日教組等の教職員経験者による恣意的な運用などにより、本来の趣旨にそぐわないものとなっている。それが結果的に今回のような不祥事を生んでいる。
文部科学省はこれらの制度の問題点について早急に検討・見直しを行い、今後、国民にとってより透明性の高い公正な教科書採択が行われるよう改善をはかること。

最後に、事件発覚の経緯は、昨秋からの報道の追及と文科省からの指導によって隠しきれないと判断した各教科書会社が、言わば自首した形で行われたものです。2月24日には、今回の贈収賄事件にかかわった教科書会社10社が文科大臣に謝罪をおこないました。
しかし、今回の件は大臣の厳重注意をもって一件落着として幕を引くような軽微な事案ではありません。当会は、政府の対応について、今後も引き続き注目して参る所存です。
貴党に於かれましては、本件について文科省に対し一層の指導力を発揮していただきたいと思います。
                                    以上

平成28年3月18日更新

検定中教科書「贈収賄」事案
和歌山市議会で質疑!

3月9日に和歌山市議会で浦平美博議員により検定中教科書「贈収賄」事案について質疑が行われましたのでご紹介させていただきます。

現在、和歌山以外でも地方議会でこの問題の質疑が次々と行われております。
今後、当ページにてご紹介させていただきます。

平成28年3月17日更新

教科書発行10社を東京地検特捜部に刑事告発
文部科学大臣にも告発の報告と申し入れ
検定中教科書「贈収賄」事案について


新しい歴史教科書をつくる会は、3月7日、一連の検定中教科書「贈収賄」事案について、東京地検特捜部に該当する教科書会社10社の社長を「贈賄」の罪で刑事告発しました。

続けて、文部科学省において文科大臣宛に刑事告発の報告と併せて下記の申し入れを行い、その後記者会見を行いました。

申し入れ及び記者会見には、髙池勝彦会長、石原隆夫副会長、岡野俊昭副会長、藤岡信勝副会長、荒木田修理事が出席し、各々よりこの問題の重大性を説明しました。

会員、ならびに支援者の皆様へのお願い

この事案は、「教科書無償措置法」の根幹を揺るがす未曾有の大不祥事です。本来、子供や生徒に対し、不正行為を否定する教育をすべき立場の教員や教科書業界の倫理感が疑われます。

皆様にも、是非、要望書に即した形で文科省や各自治体への働きかけを行って下さい。

取り急ぎ文科大臣宛賛同書(要望書)書式LinkIconを掲載しますので各自で手を加えていただき、文部科学省宛てに送付いただけますと幸いです。

当会はこの問題をこれで終わりにせず、採択の正常化を目指して引き続き積極的に取り組んで参ります。

会員、支援者の皆様にも、ともに具体的に取り組んでいただけるよう、今後ともこの問題については当ホームページやFacebookにて当会の取組みを発信して参ります。

ご覧頂き、ぜひ、お力添えをいただけますよう、お願いいたします。

                            平成28年3月7日
文部科学大臣
馳 浩 様
                     (一社)新しい歴史教科書をつくる会
                              会長 高池 勝彦

          検定中教科書「贈収賄」事案についての要望

この度、教科書発行各社が検定中教科書を教員らに見せ、金品などを謝礼に渡していた事実が明らかになりました。文部科学省は各社からの報告を公表し、さらに実際の教科書選定・採択への影響の有無を、全国都道府県教育委員会に3月中旬までに報告するよう指示されました。このことに私どもは謝意と敬意を表します。

今回の事案は、教科書業界と公務員である教育委員会・教師との間で起きた、下記の法律に抵触した重大な「犯罪行為」です。

・「刑法第197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)及び198条(贈賄)」の違反
・「地方公務員法第29条(懲戒)」の違反
・「独占禁止法」の違反              (各法律については資料LinkIcon参照)

当会はまず上記の「刑法第198条」への違反について、本日3月7日、該当各教科書会社を東京地方検察庁に刑事告発したことをご報告いたします。

さらに本事案は独占禁止法に基づく規制(「教科書業における特定の不公正な取引方法」)にも逸脱しており、まさに教科書無償措置法の根幹を揺るがす未曾有の大不祥事です。本来、子供や生徒に対し、不正行為を否定する教育をすべき立場の教員や教科書業界の倫理感が疑われます。「子供たちに顔向けできるのか?羞恥心があるのか?」を問いたい思いです。

よって私どもは文部科学省に対し、教育行政の信用回復と再発防止のために、下記の6点について速やかな検討・実施を切に望みます。

(1)文部科学省は、今回指示した各都道府県教育委員会からの報告の結果を精査し、影響があったとされた教育委員会は「教育委員会名とその報告内容」を公表すること。また該当する教育委員会の採択地区については、採択の無効化とやり直しを検討すること。

(2)謝礼を受け取った当事者は全員氏名を公表し、処分を科すこと。

(3)教育現場で教育に関する不正行為を発見した者は、身分保障も含め安心して、文部科学省へ直接通報できるシステム(内部通報制度)を構築すること。

(4)1月20日の教科書発行各社からの報告にあたり、義家弘介文科副大臣は、「報告漏れが発覚した場合は指定の取り消しも含めて必要な措置を講じることも辞さない。徹底的な調査を行っていただきたい」との発言をされているが、各社より報告されたものは「氷山の一角」にすぎない可能性が極めて高い。これまでの膿を一切出し切るために、文部科学省主導で調査を続行すること。さらに、全国各教育委員会に対して、報告漏れの事案の有無について、既に退職している教育関係者への聞き取りなども含め徹底した調査を指示すること。

(5)その調査報告いかんでは、義家副大臣の発言通り、該当する発行会社を教科書発行停止などの厳罰に処すること。

(6)現行の制度では、無償措置法の趣旨により適った教科書採択が行われることを目的とした、現場教員などによる「調査研究制度」や「共同採択区制度」がある。しかしそれらの実態は、日教組等の教職員経験者による恣意的な運用などにより、本来の趣旨にそぐわないものとなっている。それが結果的に今回のような不祥事を生んでいる。
文部科学省はこれらの制度の問題点について早急に検討・見直しを行い、今後、国民にとってより透明性の高い公正な教科書採択が行われるよう改善をはかっていただきたい。

最後に、本事案発覚の経緯は、昨秋からの報道の追及と文科省からの指導によって隠しきれないと判断した各教科書会社が、言わば自首した形で行われたものです。2月24日には、該当教科書会社10社が文科大臣に謝罪をおこないました。
しかし、本件は大臣の厳重注意をもって一件落着として幕を引くような軽微な事案ではありません。当会は、文部科学省の本件の対応について、今後も引き続き注目して参る所存です。大臣に於かれましては、一層の指導力を発揮していただきたいと思います。

                                             以上



検定中教科書「贈収賄」事案 <参考資料>

文科大臣宛て賛同書(要望書)書式











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