新しい歴史教科書をつくる会|文化史記述問題に関する報告と謝罪(つくる会)

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(資料⑪)

文化史記述問題に関する報告と謝罪


平成25年2月7日
新しい歴史教科書をつくる会

この度、当会の内部調査の結果、現行版『新しい歴史教科書』(自由社刊)の文化史の単元本文の記述について、育鵬社側著者の著作権を侵害している部分があることが判明いたしました。

昨年より、育鵬社による大規模な「著作権侵害問題」を、法治国家において決して許されざることとして取り組んできた当会としては、まさに晴天の霹靂の事態であります。会員やご支援をいただいている皆様をはじめ、関係される多くの方々が大変な落胆をされることを思うと、痛恨の念に耐えません。この度の不祥事につき、心より深くお詫び申上げます。

この件について調査をした結果、4か所の記述について著作権侵害のあることが判明しました。このようなことが起きた原因については、現行版教科書の制作過程で、藤岡信勝・代表執筆者と当該文化史の担当執筆者との間で著作権に係る十分な意思の疎通がなかったこと、最終段階でのチェックが不十分であったことなどを挙げることができます。

もとより、これは組織として意図的に行われたものではなく、また数も多くはありません。しかし、そうであるとしてもその責任を免れることはできません。当会はこれまでどんな状況に直面しても、公明正大に対処する立場を堅持してまいりました。

この事態を受けて2月4日、新しい歴史教科書代表執筆者・藤岡信勝氏から当会執行部に対し、この度の問題の全責任をとって代表執筆者を辞したい旨の申し出があり、会はこれを受理することといたしました。

また、当会側に著作権の侵害の事実がある以上、今後この件については真摯に著作権者に謝罪し、また相手側からの求めに応じてすみやかに相応分の著作権料をお支払いすることが、私どもの取るべき責任であると考えております。

この失態は平成21年の教科書制作時に起きたことではありますが、今回の判明によって大きく損なわれた信頼を今後とりもどすべく、当会としましては次期教科書採択に向けて、改めるべき点をしっかり改め、会員の皆様の協力も得て、執筆・編集・検証体制を再構築いたします。

当会は平成27年に世に出る「つくる会」の教科書が、これまで以上に心から胸を張って推奨できる素晴らしいものになるよう、不退転の覚悟を持って努力いたします。「つくる会」の教科書改善運動を絶対に絶やすわけにはまいりません。会員・支援者の皆様におきましては、今後とも当会に暖かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。