新しい歴史教科書をつくる会|今後の問題解決のための前提に関する当会の見解について+教科書改善運動における八木秀次氏の責任問題について

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(資料⑦)

平成24年12月12日

株式会社 育鵬社 代表取締役社長 久保田 榮一 殿
育鵬社刊『中学社会 新しい日本の歴史』 執筆者代表 伊藤 隆 殿
一般財団法人 日本教育再生機構 理事長 八木 秀次 殿
改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(略称・教科書改善の会)
代表世話人 屋山太郎 殿

新しい歴史教科書をつくる会
会長 杉原 誠四郎

今後の問題解決のための前提に関する当会の見解について

拝復 私どもが10月30日付貴方返信に基づいて、再度お願いした事務連絡窓口担当者の照会について、未だにご連絡いただけない状況にありますが、この度の問題の早期解決を期し、ここにあえて再度、私どもが貴方に要求するものを簡潔に提示させていただきます。

 当会としては貴方におかれて、盗作問題の事実を認め謝罪すること、著作者に対して賠償をすること、そして責任ある立場の方が今回の問題についてしかるべき責任を取られること、が必要と考えております。なかでも、教科書事業において事実上の総責任者であり、また自身も盗作が指摘されている育鵬社歴史教科書の執筆者の一人でもある八木秀次・日本教育再生機構理事長は、これまでの様々な経緯を考慮すると、その責任は極めて重大で、決して日本教育再生機構の理事をはじめ役職一切の辞任を免れるものではないと考えていることをお伝えします。

 八木氏はかつて当会の会長であった方ですが、平成17年、当会の役員に諮ることなく中国社会科学院を訪問し、そのことが当会分裂の大きな原因となりました。

 また、平成18年に八木氏は当会を退会されたわけですが、それに前後して、教科書改善運動の政策論争の結果としてではなく、出所不明の文書を使ってある理事を誹謗したことがありました。これは道徳的に許されない手段を用いた行為です。

 とりわけ平成23年の教科書採択戦にあって、自由社の『新しい歴史教科書』の、いわゆる年表問題を持ち出し、この教科書のネガティブ・キャンペーンの先頭に立たれました。このことが、一つの効果となって、この教科書は限りなくゼロに近い採択となったことは周知のとおりです。この時の八木氏の対応は、育鵬社側の盗作問題について公正な採択を願って採択期間中に持ち出さなかった当会の対応と対照的です。またさらに、八木氏は年表問題で、当時の当会会長の責任を厳しく追及されましたが、そうであるならば八木氏自身も、この著作権侵害の問題に関して潔く責任を取られるべきでしょう。

 盗作問題について、責任者がしかるべき責任をとれば、貴方が憂慮されてきた「両者にとって不幸な今日の事態」(10月30日付貴信)を今後、大きく改善していくための意義のある話し合いができると私どもは確信しております。

 今日の事態を克服し、教科書改善運動をさらに前進させていくことは、多くの国民が望んでいるところです。この期待に応えるためにも、八木氏の辞任は免れないと思われます。

 目下、教科書改善運動は、禍転じて福となすという大切な時期にさしかかっています。「つくる会」としては、今の事態を打開して教科書改善運動に取り組んでいくことを固く決心しております。早期決着のため、貴方からの窓口担当者のご連絡を、お待ちしております。

敬具