(資料⑤)
平成24年11月12日
新しい歴史教科書をつくる会
会長 杉原 誠四郎 殿
株式会社 育鵬社 代表取締役社長 久保田 榮一
育鵬社刊『中学社会 新しい日本の歴史』 執筆者代表 伊藤 隆
一般財団法人 日本教育再生機構 理事長 八木 秀次
改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会 (略称・教科書改善の会)
代表世話人 屋山太郎
11月6日付の貴信に対する返信
拝復 先般お送りしました私共4者連名の返信に対する貴会からの11月6日付第2信を確かに拝受し、この度も連名にてご返事させていただきます。
貴会からの第2信を拝見し、貴会の「申し入れ」に対する私共の返信の意図が必ずしも正しくお汲み取りいただけていないものと考えますので、改めて申し上げます。
私共が前提条件付きで話し合いに応ずると返信いたしましたのは、先の返信の冒頭に述べましたように、「これまで教科書改善運動をご支援いただいてきた全国の皆さまに無用のご心痛をおかけすることを憂慮するとともに、教科書改善運動の歴史をこれ以上汚すことを避けることになればと思い、両者にとって不幸な今日の事態の改善」を図る見込みのある話し合いであるならば応ずるべきだと判断したからです。
もとより、私共は、「盗作」の事実があったなどとは考えておらず、かかるいわれなき盗作にことさら拘泥される貴会の姿勢・考え方が残念でなりませんが、しかし、話し合いを始めること自体が大切であること、かつ、話し合いにおいては、双方が胸襟を開き、事実に基づき、誠意を尽くしていくことが大切であることは、私共としても全くもって異存のないところであります。ただ、敢えて付言させていただきますと、私共は教科書改善という共通の目的を持った両者が、その目的達成のために互いに切磋琢磨していくべき重要な時期に、無用の問題で時間を浪費してしまうことは、私共をご支援していただいている多くの国民の皆様のご期待を裏切ることにほかならないと考えている次第です。貴会におかれては、この点も良くお考えくださいませ。
あらためて申し上げさせていただきます。私共は今でも、育鵬社版教科書、自由社版教科書が、適切なルールに則り共存共栄していく道についての話し合いには応じる準備はできています。機会ならびに貴会を代表される杉原殿が私共の意のあるところをお汲み取りいただき、賢明なご判断をなされ、双方にとって実りある話し合いが実現するよう期待いたします。
以上、貴信に対する返信といたします。貴会の益々のご発展をお祈り申し上げます。
敬具