新しい歴史教科書をつくる会|「盗作問題」解決のための話し合いの申し入れ

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(資料②)

平成24年10月23日

株式会社 育鵬社 代表取締役社長 久保田 榮一 殿
育鵬社刊『中学社会 新しい日本の歴史』 執筆者代表 伊藤 隆 殿
一般財団法人 日本教育再生機構 理事長 八木 秀次 殿
改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会 (略称・教科書改善の会)
代表世話人 屋山太郎 殿

新しい歴史教科書をつくる会
会長 杉原 誠四郎

「盗作問題」解決のための話し合いの申し入れ

謹啓 秋冷の候、皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

また、平素より、教科書改善のためにご尽力されていることに敬意を表します。

さて、昨年来、当会が行ってきた調査の結果、本年4月より使用されている育鵬社発行の歴史教科書『中学社会 新しい日本の歴史』が、扶桑社から発行された『改訂版 新しい歴史教科書』及び自由社から発行された『新編 新しい歴史教科書』の著述のうち、単元構成及び、本会側執筆者が著作権を有する記述から、47か所にわたって無断使用たる盗作の箇所のあることが明らかになりました。

これは法的にも倫理的にも許されないものであり、犯罪に当たるものです。

この件について当会は、昨年採択戦の始まった早期の段階である程度把握しておりましたが、これを採択戦のさなかに持ち出すことは控えました。

採択戦が終わったのち、当会では、この問題に関して委員会を設置して改めて調査し、その対応を検討してまいりました。当会としては、事態を深刻化させることは決して望んではおりませんでしたが、この問題を見過ごすことは、盗作された側として社会的に許されないことであり、どのように対応すべきか苦慮してまいりました。

しかるに、貴職の側におかれては、この盗作問題の存在を、採択戦のさなかの時期から認知されていたはずであるにもかかわらず、それから約1年、責任ある対応をいっさいなされませんでした。

その間、この盗作問題に関係して当会を貶める誤情報等がインターネット等で錯綜し始め、これ以上この問題を放置すると、当会のみならず、貴職側にも、好ましくない影響が出る恐れが生じてまいりました。

ことここに至り、教科書改善運動をこのような不祥事で萎縮させぬよう、早期の問題解決を図るため、やむなく、当会は6月30日の総会で、「当会側で把握した事実と、その事実に対する見解を正確に公表すること」及び「その上で育鵬社の歴史教科書の執筆責任者に話し合いを公開で申し込むこと」を全会一致で決議しました。

この決議に基づき、「つくる会」側執筆者グループは10月19日、盗作の事実について文部科学省に報告し、同日、当会は文部科学省記者クラブで記者会見を行いました。また、この件についての当会の見解をまとめた『歴史教科書盗作事件の真実』(自由社刊)を、10月25日付で発売し、公表いたしました。

さらに上記決議に従い、ここにこの問題の解決を図るための話し合いを申し込み、その内容を本日の記者会見において公開させていただきます。

話し合いには、当会側は、自由社社長加瀬英明、『新しい歴史教科書』代表執筆者藤岡信勝、及び当会会長である杉原誠四郎が臨む予定です。話し合いの諾否については、来る10月30日(火)午後5時までに「つくる会」本部事務局宛にご返答いただきたく、ここに書面をもってお願い申し上げます。

なお、「つくる会」側の執筆者グループより、育鵬社宛に損害賠償の請求が出ておりますことは、当会においても承知しておりますことを申し添えます。

謹白