各社の教科書を読む 歴史編2|新しい歴史教科書をつくる会

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元寇についての教科書比較




学習指導要領は、歴史分野の目標として、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てること、他民族の文化、生活などに関心をもたせ、国際協調の精神を養うこと、などを掲げている。

元寇は我が国の歴史上明治維新、敗戦と並ぶ国難だったが、それが何故それ程の国難だったのか。その理解には、元軍がどのような意図でどう襲ってきたのか、我が国はそれにどう対応したのか知る必要がある。

それによって子供達は先人の偉大さや勇敢さが分り、愛情が深まり、国防の重要性が理解できる。同時に国際協調の精神に何が必要かも理解できる。


元寇は我が国最大の国難

元寇が国難であり、我が国は朝廷と鎌倉幕府が一致してフビライの日本征服のくわだてをはねつけたことを明記したのは自由社の教科書だけだ。

育鵬社もこれを国難とは明記しているが、国をあげての戦いではなく御家人の活躍ではねつけたように書かれていて、これでは国難の重大さが分らない。

また、日本側が、略奪と残忍な被害を受けたことを本文で明記したのも自由社のみ。育鵬社は側注で簡単に記しているのみである。

東京書籍は、元の来襲の目的は「短期間で日本に元の力を見せつける」ことだったとしていて、これでは日本の国難だったとは全く理解できない。しかも、二度の来襲が失敗したあとも「元は日本への遠征を計画」していたとして、征服の意図を明記しない。

日本文教出版は、遠征という言葉こそ使っていないが鎌倉幕府や武士の活躍、朝廷の動き、日本の被害などには触れておらず、これも国難と認識することは出来ない。

教育出版、清水書院、帝国書院ではいずれも元寇を軍の来襲として統一せず、遠征という言葉を織り込んで日本征服の意図を隠す。また、日本側の被害についても一切触れず、どれほど残虐な被害を被ったかは認識できない。


面妖な教科書の出現

学び舎は、元寇という言葉すら使わず、元が日本に通交を求めたが日本から返事がなかったので日本に「攻め入ったあと、引きあげました」と書いている。日本に攻め込む前の元と高麗の攻防が詳しく書かれていて、これで日本の教科書といえるのか。

元軍は高麗人との混成軍であったことは、学び舎以外は書いているが日本の被害を知らなければ彼ら(敵)が如何に残虐であったかを知ることは出来ない。

元寇の歴史を通じて我が国の周辺国には、残虐なことをした民族がいたということを理解し、友好関係を築かなければ、真の国際協調は実現できない。

学習指導要領は、歴史分野の目標として、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てること、他民族の文化、生活などに関心をもたせ、国際協調の精神を養うこと、などを掲げている。

元寇は我が国の歴史上明治維新、敗戦と並ぶ国難だったが、それが何故それ程の国難だったのか。その理解には、元軍がどのような意図でどう襲ってきたのか、我が国はそれにどう対応したのか知る必要がある。

それによって子供達は先人の偉大さや勇敢さが分り、愛情が深まり、国防の重要性が理解できる。同時に国際協調の精神に何が必要かも理解できる。



平成27年6月24日更新