「史」から~子供達に伝えるべき「日本の心」|新しい歴史教科書をつくる会

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子供達に伝えるべき「日本の心」

国旗「日の丸」の簡素な美しさは、誠に清清しく、特に、お正月に掲げられる様は、目出度さと同時に新年への明るい希望を与えてくれます。

「日の丸」の白地は、日本人の清く美しい真心、穢れをとどめない清清しさを表し、赤い丸は、昇る太陽=天照大御神様であり、円満な大調和の心を表しているといわれます。古来より、日本は日出ずる国と言われ、私達日本人は、太陽の恵みに感謝し、太陽を心のよりどころとしてきました。

人はみな、誰もが母親から生まれてきました。家族の心のよりどころである母親は、まさに家庭における太陽であり、どんな時も懸命に、家庭を、家族を明るく照らし続けます。そして、母親には、子供達が人として生きていく上で大切な「こころ」を伝えていくという重大な責任があるのです。                             

私は家業を通じて、沢山の子供達とそのお母様方と接していますが、この十数年間に様々な場面で、「あれ?」と思うことが多くなりました。挨拶・返事・後始末など日常生活の基本や、相手を思いやる心・優しさなど、どうも心許ないのです。

毎年、我が家の道場では、鏡開きに皆でお汁粉を戴きます。十数年前は、皆が正しく箸を使うことが出来ましたが、最近はびっくりするような箸の持ち方をする子がいるのです。更に驚くことに、小豆もお餅も食べたことがない子がいたり、苦手な物でも我慢して食べる・残さずに食べるという意識も薄くなってきています。

また、お月謝を納めて下さるお母様方も様々です。「今月も宜しくお願い致します」との言葉やメモを添えられ、新券のお札が揃っているのを見ますと、そこには、相手に対する感謝と敬いの心、お世話になっている我が子への愛情が感じられ、こちらの心をホッと温かくしてくれます。対して、お財布から直接お札を差し出す方もあり、残念に思うこともあります。相手を思い、それを「かたち」にして表すということを教わることなく大人になり、気付かないまま来てしまったのです。

人を大切に思い敬う心―その心を表すための動作や言葉の使い方が礼儀作法です。昔の子供は、家庭でのお手伝いを通して礼儀作法や風習・文化を身につけ、大人になる為に必要な学びを得ていました。簡単便利な現代においては、失ってはならない日本人たる「こころ」を伝承する価値が消えつつあります。

しかし、それに気付いた私達が、正しい歴史を学び、正しい礼儀作法を身に付け、正しく「日本の心」を、今から少しずつ少しずつ取り戻し、継承していけば良いのです。それが、かくも美しいこの日本を築き上げた先人達の恩恵に報いることにもなるでしょう。

太陽の如き「日本の心」を、日本人として母として、精いっぱい伝えて参ります。




平成29年9月4日更新



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佐々木 知子(ささき ともこ)
  古神道齋宮齋主・
合氣道神明塾副道場長