「史」から~「つくる会」の使命について|新しい歴史教科書をつくる会

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「つくる会」の使命について


「つくる会」の支部活動は大変地味で骨の折れるものです。会員それぞれが自ら勉強して知識を吸収し、人を説得し、理解を得、協力してもらわなければ前に進めません。しかも目に見える成果ではなく、僅かな成果を一つずつ積み上げていくしかありません。歴史の回復という命題の前には、戦後体制という巨大な岩盤が立ちはだかっているからです。「つくる会」の闘いはこの岩盤を打ち砕くことですが、圧倒的多数の人たちの無関心と想像力の欠如、問題解決の要所にいる地方議員(一部を除きます)や教育委員会関係者の問題意識の欠如と事なかれ主義を眼にすれば、活動の継続には相応の覚悟と強い使命感が要求されます。

この現実を直視すれば、「つくる会」の進む道程は実に厳しいものです。その上妥協が許される政治の世界とは異なり、原則を曲げたら一遍にその存在意義を失いかねません。やせ我慢であれ何であれ、武士は食わねど高楊枝の気概が常に求められます。妥協を排することが如何に多くの困難を伴うものか、熱心な会員の方々なら痛いほど肌身に感じておられるでしょう。我々会員は口が裂けても南京大虐殺や従軍慰安婦があったなどとは言えません。まして足して二で割るような妥協は絶対にできないのです。

しかし現実が過酷であるからと言って決して悲観してはなりません。「つくる会」には潜在的にその主張を理解し、応援して下さる多くの味方が間違いなくいます。ご先祖様から受け継いでいる精神や文化や伝統というDNAが、我々会員だけではなく、全ての日本国民の中にも等しく流れているからです。いずれ近い将来、このDNAが国家的規模で目を覚ます時が必ずやってくると、私は固くそう信じています。

以上支部活動の実情とそれに伴う感慨の一端を述べましたが、「つくる会」の活動を最も妨げているものは、戦後培養された贖罪意識を無自覚に引きずって生きている無数の国民を産み出した東京裁判史観とその申し子の日本国憲法であることは紛れもない事実です。「つくる会」の使命が趣意書の理念を体現する歴史教科書を普及することにあることは論を俟ちませんが、これと並行して、この二つの障害との闘いにもあることは確かで、両者は不可分の関係に立つと言っても過言ではありません。

歴史の回復とは、東京裁判史観を払拭してご先祖様の名誉を回復し、我が国に対する誇りと自信を取り戻すことであり、併せて、我が国本来の憲法を取り戻し、我が国を世界の第一級の国家に導くことです。そして何よりも、これらの壮大な事業を継承する国民を育てることです。歴史の回復とこれらの命題は一体のものであり、日本再生のためには避けて通れないものです。

私ども「つくる会」の使命は、健全な歴史教科書の普及を通じて、右命題を克服する最も大事な土台造りにあります。


平成26年5月20日更新



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饗庭 道弘(あえば みちひろ)
新しい歴史教科書をつくる会 理事