新しい歴史教科書をつくる会|ボイスリレーVol.001

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「道義国家日本」の再生のために

戦後教育は日本人の誇りと自信を失わせた

「歴史と伝統文化を否定すれば、その民族と国家は滅びてしまう」。このことは世界の歴史が教えてくれています。

日本は先の大戦での敗戦後、占領軍による「日本人の骨抜き政策」や「洗脳教育」により国民意識なき国民、国家観なき政府が誕生し今日に至っております。

占領軍による骨抜き政策とコミンテルンの策略が残念ながら、ものの見事に成功し、今日なお「日本人の心」を蝕んでいるということであります。

さて、これを覆すには占領軍やコミンテルンのしたたかさを我々も学び、ピンチをチャンスにしていかなければなりません。共産党の国会議員であった志賀義雄は、「日本には武力革命はふさわしくない、武力革命の代わりに教科書で子供たちの考え方を社会主義的に変えてしまえば、やがてその子供たちが大人となり、社会のリーダーになった時、日本は自然と社会主義化される」と、その計画を実行しました。彼らのシンパが教科書を執筆し、日教組に洗脳された純真でまじめな教師が熱心に教育をしました。その成果として、今日、「国家観なき日本人」、「志の欠如した日本人」が大量に排出されることになりました。

ソビエトが崩壊した時に、ゴルバチョフがジャーナリストに語った言葉に、「社会主義が成功した国が一カ国ある、それは日本だ」があります。この言葉は今日の日本の姿を如実に物語っています。

教育基本法を無視した採択

今、私たちがやらなければならないことは、安倍政権時に改正された教育基本法を無視した自虐史観の踏襲を続けている文科省による「教科書検定」を、広く国民の眼に触れられる様に変えること。そして、「採択」をする権限を持っている教育委員の質を向上(国家と国民の在り方、青少年教育の在り方の熟知)させることです。

今回の採択に関わって知り得たことでありますが、今回の改正教育基本法を成立させた保守系の議員が、「愛国心」、「家族の絆」、「公共の精神」を殆ど取り入れていない教科書を熱心に推薦している姿を目の当たりにして唖然と致しました。彼らは政治家を忘れて政治屋だったのだ、国家・国民のことより自分の票と組織を意識してポピュリズムにおもねるようになっているのだ、国会議員として骨があった明治の議員の愛国精神はどこへ行ってしまったのかと、保守政党を支持してきた者としては残念至極でありました。

教科書採択の歪み

教育基本法が改正されたのにも拘らず、それを無視した教科書が検定に合格し、採択されている現実の裏には、採択に関わる教育委員の方々の多くは、教科書採択の重要性を、一部の熱心な識者を除き理解していないことが有るということです。「文科省の検定が通っているのだからどこを選んでも同じだ」、「現場の先生のやり易い教科書でいい」、「前のままでよい、波風を立てる必要はない」、というのが教育委員による採択の現状でありました。

また日教組関係者による保守系教科書に対する妨害は巧妙かつ執拗でありました。彼らは教育基本法を何だと思っているのか、我々は国家を守る立場から考えても日教組とは戦い続けなければならないと思っています。

国家意識不在の経営

それからもう一つには、国家あってこそ会社経営の安定があり、家庭生活の安定が確保されているのですが、その国際企業がなんと労働組合を経由して、左翼陣営に資金も票も流しています。国家の存続と繁栄を目指す組織には賛同も資金も出ては来ないのです。ですから国家観並びに国益なき会社経営が行われているということであります。

自分の会社の眼の前の利益追求を優先しているので、中国、韓国、その他の諸外国へ、国益を無視した技術移転が行われているのであります。

正しい歴史認識と公民教育が民族の自立と誇りを育成する

この様な現状からしても、民族としての誇りを持たせるための歴史教育は大切なのです。歴史というのは祖先の生き様のことであり、歴史教育とはそれを子供たちに伝えることです。良い教科書を作り、愛国心と民族愛を持った教師を育成して、誇り高き日本人の再生を急がなければなりません。

ところが、国家と国民の在り方を明確に記した歴史と公民の教科書が無視されているのが現状です。良い教科書は出来上がったが、教科書のガラパゴス化となってしまいました。これを私たちは深く反省しなくてはならないのです。私たちを取り巻く社会環境が、赤く染まり始め着々と社会主義化されるのを、国家の指導者たちは深く認識してはいないのが現状です。だから国会でもあの様な場当たり的な答弁を繰り返しているのだと思います。

近代文明論では、日本は一国で一文明を成していると言われています。日本文明の歴史を子供たちに伝えるには我々が心血を注いだ、「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書以外にはないのです。

その様な理由から、私たちはこの教科書作りを、どんなことがあってもやめるわけにはまいりません。

今後は、検定制度、採択制度を変えていかなければならないことと、国民の多くの方々やマスコミからの理解と賛同を得る工夫と努力が重要であります。

「道義国家日本」の再生のために

私たち、「新しい歴史教科書をつくる会」会員の存在と限られた時間を考えると、子孫のために何を残すかが現存する私たち「新しい歴史教科書をつくる会」の使命であると考えます。

「歴史年表」問題では、それに気がつかなかったことは本当に我々の大きな失態ではありますが、同じ保守系でもあり志を同じくする仲間が我々や東京書籍よりも早くそれを認知していたのにもかかわらず、当事者に知らせる事もせずにネガティブキャンペーンを展開したことは、教育に関する事を生業とする人間とて、道徳的にはずれることであり残念であります。社会正義を訴えたり、教育をする価値に値しない行為であると思っています。

世界に誇る「道義国家日本」を再生するには、ここでもう一度良い教科書を作り、子供たちに、日本民族の「いのち」を吹き込み「誇り」と「自信」を持たせるための作業が必要なのです。

日本の伝統文化を正しく伝えて、青少年に夢を与えるために、私たちは、もう一度立ち上がらなければなりません。

この活動には資金が不可欠でありますが、資金がないからといってこの活動を停止させるわけにはいきません。私たちは、明日の日本の為に命ある限り、大きな目標に向かって、手弁当でもやり遂げる決意です。そして、この運動を全国に訴える活動を続けるつもりです。

会員同志の皆様のより一層のご協力を重ねてお願い致します。

(「新しい歴史教科書をつくる会」第14回定期総会 閉会挨拶より)



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岡野 俊昭(おかの としあき)
新しい歴史教科書をつくる会 副会長